三大怪獣_地球最大の決戦
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初回興行時の観客動員数は、前作『モスラ対ゴジラ』を上回る432万人となった[42][43][注釈 4]
概要

『モスラ対ゴジラ』に続く怪獣映画10周年記念作品の第2弾[23]

ゴジラシリーズ史上、ゴジラが初めて善玉として描かれるなど、以前とは立場を変えることになった作品である[出典 11]。同時に、常に「人類の脅威」であるゴジラを描くという作品姿勢も転機を迎え、以降の作品は怪獣同士の格闘劇が主になっていく[10][注釈 5]。怪獣同士で鳴き声などを通じて明確な意思疎通を行うなど[注釈 6]、擬人的な表現も増えていった[出典 12]

シリーズ最大の悪役(敵役)とされているキングギドラが初登場した作品でもある[出典 13]。タイトルの「三大怪獣」とは、地球の三大怪獣であるゴジラ・ラドンモスラのことを指しており[出典 14]、宇宙超怪獣であるキングギドラのことは含まない[注釈 7]

一応、防衛隊(自衛隊)は登場するものの、戦車や戦闘機などを使った作戦は実施していない。

怪獣たちの最終決戦の場は前々作『キングコング対ゴジラ』でも採用された富士山麓周辺であり、輸出を意識したロケーションとなっている。このような「富士山を背景にしたクライマックスシーン」は次回作『怪獣大戦争』やさらに後年の『怪獣総進撃』でも見られ、いわゆる「お約束的な場面」を確立した。これについて撮影助手で参加していた川北紘一は、ビル街など建物がある場所よりも怪獣自体のキャラクター性を強調するためであったと推測している[54]

オリジナル版は1971年開催の「東宝チャンピオンまつり」での再上映に際して短縮版に改変された(詳細は#再上映を参照)が、2021年には東京現像所による完全再現作業を経て4Kデジタルリマスター版が制作された[55]
ストーリー

異常な温暖異変に見舞われた日本では、1月にもかかわらず猛暑が続き、連夜流星群が地球に飛来するなか、1つの巨大な隕石黒部峡谷へ落下した。時を同じくして、警視庁の進藤刑事は非公式で日本に極秘来日するセルジナ公国のサルノ王女の護衛を命じられたが、彼女を乗せた特別機は暗殺者の仕掛けた爆弾によって墜落したことでそれは取り下げられる[56]。その後、金星人を名乗って地球の大変動を訴える男装の女性が東京に現れたが、予言を信じる者はいなかった。しかし、男装の女性が再び阿蘇山に姿を現し、ラドンの復活を予言すると、その直後に予言どおり、地殻に溜まった火山ガスの作用によって、阿蘇山の火口からラドンが出現する[56]

進藤は古道具屋に黄金の腕輪を売ろうとした漁師の証言から、新聞で見た写真の男装の女性が死亡したはずのサルノ王女だと確信し[56]、単独で捜査を開始する。そのころ、テレビ出演のために日本を訪れていた小美人たちは、再び現れた金星人を名乗る男装の女性による「その船に乗ってはいけない」との予言を信じて船に乗ることを避ける。進藤の妹の直子は男装の女性を保護して小美人とともに横浜市内のホテルに宿泊したが、セルジナ公国から来た暗殺団も彼女をサルノ王女と見抜き、日本での潜伏先に選んだホテルを襲撃する[56]。しかし、小美人たちの機転と進藤の活躍により暗殺団の襲撃は失敗する[56]。そこへ、寿山号を太平洋上で襲って横浜港から現れたゴジラが上陸し、再びラドンも現れる[56]

進藤たちは、サルノ王女の精神疾患を疑い、彼女を富士山麓にある精神医学の権威・塚本博士の研究所へ連れていくが[56]、診察の結果は正常と出た。実は、サルノ王女には金星文明の滅亡を避けて地球へ逃れてきた金星人の血が流れており、それが予知能力を発揮していたのだ。まもなく、5,000年前に金星を滅ぼした宇宙最強の怪獣キングギドラが姿を現すと語ったサルノ王女の言葉通り、黒部峡谷の隕石からキングギドラが誕生する[56]

日本各地を荒らし回るキングギドラに対抗するため、小美人たちはインファント島から守護神モスラを呼び、モスラは自分と力を合わせてキングギドラと戦うよう、ゴジラとラドンに呼びかける[56]。ゴジラとラドンは「いつも我々をいじめていた人間を助ける義理はない」とモスラを拒絶するが、キングギドラに一方的に攻撃されながらも単身で立ち向かうモスラの姿に心を動かされ、加勢する[56]。こうして三大怪獣の猛攻を受けたキングギドラは、ついに宇宙へ逃げ去る[56]。暗殺団はキングギドラが起こした崖崩れによって全滅し、サルノ王女も自我を取り戻す[56]

すべてが終わり、サルノ王女は進藤に抱いた淡い想いを明かしつつ、静かにセルジナへの帰国の途に就いた[56]。モスラと小美人たちもインファント島への帰途に就き、人類との争いを回避したゴジラとラドンは、海を渡るその姿を岸壁から見送るのだった。
登場キャラクター
ゴジラ
詳細は「
ゴジラ (2代目)#『三大怪獣 地球最大の決戦』」を参照
ラドン
詳細は「ラドン (架空の怪獣)#『三大怪獣 地球最大の決戦』」を参照
モスラ
詳細は「モスラ (初代および昭和ゴジラシリーズ)#『三大怪獣 地球最大の決戦』」を参照
キングギドラ
詳細は「キングギドラ (昭和ゴジラシリーズ)#『三大怪獣 地球最大の決戦』」を参照
小美人
詳細は「小美人#『モスラ』および昭和ゴジラシリーズ」を参照
登場人物
進藤(しんどう)
[57]
警視庁刑事[出典 15]。年齢は20代後半[58]。ブローニングを愛用する[58]。来日するサルノ王女の護衛を命じられた[58][60]。王女の乗った航空機は墜落したものの、彼女に酷似した金星人と名乗る謎の女性に着目する。単独捜査の末、金星人が何らかの理由で記憶が混乱しているサルノ王女本人であると知り、やがてキングギドラの脅威と王女暗殺計画に巻き込まれていく[59]


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