若い女性三人組が連携してヤクザ組織を打倒していく設定ではないが、若い女性三人組が男と対決、或いは騙すという設定では、洋画の影響は不明だが、日活が1966年に藤原審爾原作の『誘惑計画』を基に『三匹の牝猫』という映画を作っている[24]。タイトルも本作とそっくりである。また同じ東映でも1967年に、本作にも出演する大原麗子と緑魔子(主演)、春川ますみの三人組で男と騙しあいをする『男なんてなにさ』という映画を作っている[25][26]。三人の職業は大原はバーのホステス、緑は白タクの運転手、春川はトルコ嬢の設定で[26]、作品紹介には「緑、春川、大原のグラマー3人組が、腕にヨリをかけて男性に挑戦!男が勝つか女が勝つか?お色気たっぷりのコメディーです」「緑は鼻の下の長い紳士たちを手玉に取る役」などと書かれている[26]。どちらも白黒映画のため、派手さに欠けるものと見られる。 三人組や仲間がたむろするスナックや暴力団に捕まり、リンチを加えられる部屋などの室内は東映京都撮影所のスタジオと見られるが、大阪万博会場内での撮影も多く、他にも大阪の至る所でロケが行われている。 『顔役』(再映)
撮影
同時上映
主演:鶴田浩二 / 監督:石井輝男
評価・影響
東映のスケバン映画第一作は、「女番長シリーズ」ではなく、本作『三匹の牝蜂』だが[3][27]、進歩的で都会性の強いストーリーが東映ファンとの相性が悪く、一週間で打ち切られ、東映の社史などでも全く評価されていない[27]。しかし、藤木TDCは「三人の不良少女=ズべ公が意気投合し、自主的売春やカツアゲでヤクザのシマを荒らすというストーリーは、この時代に於いてはかなり斬新な内容で、大原麗子、夏純子、市地洋子の三人が連帯でヤクザ組織を打倒していくウーマン・リブ的キャラクターと、キッチュすれすれだが70年代の流行を色濃く感じさせるファッショナブルな女番長映画の芽は東映の土壌に根づき、別の形で大輪の花を咲かせた」と評価している[27]。
東映が製作したそのほかのスケバン映画については、詳細は「東映ポルノ#スケバン映画」を参照
当時の東映には肉体の露出を惜しまぬ悪女スターの緑魔子が売れていて、大原麗子を"第二のマコ"と呼び、ヴァンプ女優[何の?]として売り出そうとしていた[6]。大原はこの方向性を望まず[7]、翌1971年に東映との契約を終了した[4][6]。渡瀬恒彦は本作が映画出演3作目で、大原と初共演しその後結婚した[28]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 『日本映画俳優全集・女優編』では1968年の『?トルコ風呂』を大原の初主演作と記載しているが[4]、『?トルコ風呂』の主演は梅宮辰夫と見られる[5]。大原は『?トルコ風呂』は準主役と書かれた文献もある[4][6]。前田忠明著・大原政光監修の『大原麗子 炎のように』では、大原の初主演映画は『三匹の牝蜂』と記載している[7]。
出典^ ⇒三匹の牝蜂 |一般社団法人日本映画製作者連盟
^ a b ⇒三匹の牝蜂 - 日本映画情報システム
^ a b c d e f 杉作J太郎・植地毅(編著)「藤木TDC『池・杉本以前の女番長映画 ?"三匹の牝蜂"から"ずべ公番長"まで?』」『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店、1999年、66-67頁。