三ツ矢サイダー
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江戸時代、平野鉱泉は付近にある多田神社[注釈 12]の用人(家老)、三ツ矢旗兵衛の領地であった。明治期になり、来訪した外国要人に提供する良質な水を探すため明治政府は日本全国で水質調査を行った。1881年、大阪造幣局の技術顧問であったイギリス人の化学・冶金学者ウィリアム・ゴーランドが平野鉱泉の水を分析したところ、炭酸ガスを多く含み「理想的な鉱泉」と認定し、当地に炭酸水を汲む御料工場が建設された。その後御料工場は三菱に払い下げられ、権利を得た明治屋が1884年に三ツ矢伝説から名称を取り入れた「三ツ矢平野水」と「三ツ矢タンサン」を発売した。平野鉱泉の水は「平野水」として広く世間に認知されるようになり、「三ツ矢」の商標も確立した。この「平野水」は、広辞苑第五版は炭酸水の代名詞として記載している。伝説の元となった三ツ矢氏の墓は、川西市の多田神社西隣の西方寺に現存する。1998年に西方寺の本堂工事のため、多田院墓地へ移設された。
備考

現在販売されている清涼飲料水では老舗で、一般に「日本初の(最古の)サイダー」とも呼ばれているが事実とは異なる。

日本で最初に製造販売されたサイダーは、
1868年横浜外国人居留地でノース&レー商会が製造販売した「シャンペン・サイダー」と言われている[3][13][14]

王冠付きびんを用いることによって本格的に流通したサイダーの元祖は、1899年に横浜扇町の秋元己之助が興した「金線サイダー」である。ほぼ同じ内容の飲料を、王冠無しのびんに詰めて販売したものはラムネと称された。1900年に王冠が輸入されるようになったことで、それ以降、各社で王冠付きびん入りのサイダーが販売されるようになる。秋元は上記ノース&レー商会に勤める西村甚作の助言で炭酸水にリンゴのフレーバーを付けたとされ、シャンペン・サイダーの命名がパイナップルとリンゴのフレーバー由来だったことから、シャンペンの語を除いたサイダーという商品名にしたとされる。

金線サイダーは1915年に横浜蓬莱町に金線飲料株式会社を設立するが、1925年に同社が日本麦酒鑛泉株式会社に合併されて金線サイダーと三ツ矢サイダーは兄弟銘柄となりしばらく併売されていたが、大日本麦酒合併後、三ツ矢サイダーに統合されて製造が打ち切られた。三ツ矢サイダーは日本最古のサイダーではないが日本最古のサイダーの歴史を受け継いでいる。

1980年代前半に北海道道南地方で三ツ矢サイダーを販売元にして金線サイダーの名称で飲料水が販売された。旧式のサイダーびんの処分を図るため、びん代金を保証せずに購入者が使い捨てるワンウェイ方式で1本60円の安価で販売され、古風なびんの形状と素朴な味[注釈 13]が人気を集めたが、1984年に在庫終了と共に終売した。

2007年にダイドードリンコと共同事業で昔の商品を再現した「復刻堂・三ツ矢サイダー」を期間限定で発売した。2010年に新デザインで発売されて缶に昭和30年代のマスコットキャラクターであるインディアンの子供3人が描かれている。いずれも缶には「三ツ矢サイダー」がアサヒ飲料の登録商標であることが記されている。ダイドーは以前にサッポロ飲料とも共同事業を行い「復刻堂・リボンシトロン」を発売している。

著名な愛飲者として、演歌歌手北島三郎がいる。舞台の本番前には、必ず炭酸を抜いた三ツ矢サイダーを飲む[15]
関連製品

販売・製造元がアサヒ飲料になって以後、三ツ矢のマークを冠した三ツ矢サイダーの姉妹品・シリーズ品として、発売期間限定のサイダー飲料がいくつか併売されている[注釈 14]。グループ会社のアサヒグループ食品からは、三ツ矢サイダーブランドのキャンディーが発売されている。
飲料

★印:2024年2月4日時点で発売されている製品

★三ツ矢 PREMIUM SWEET(2024年1月23日)

★三ツ矢 とろっとマンゴーミックス(2023年12月19日) ※期間限定発売

★三ツ矢 柚子ジンジャー(2023年12月5日) ※期間限定発売

★三ツ矢 特濃マスカットスカッシュ(2023年11月21日)

三ツ矢 はちみつレモン濃いめ(2023年11月7日)

三ツ矢 4種のフルーツスパークリング(2023年10月17日)

三ツ矢 地中海ブラッドオレンジ(2023年10月3日)

三ツ矢 フルーツリッチプラス
GABA(2023年9月19日)

三ツ矢 とろっと洋梨(2023年9月5日) ※期間限定発売

★三ツ矢 特濃アップルスカッシュ(2023年8月22日)

三ツ矢 日本くだものがたり 長野県産黄金桃(2023年8月8日)

三ツ矢サイダークラシック1970(2023年7月25日) ※1970年代の「三ツ矢サイダー」をベースに現代風に再現されたもの。期間限定発売

三ツ矢 特濃メロンスカッシュ(2023年7月11日)

三ツ矢 シャキッとルビーレモネード(2023年6月27日) ※期間限定発売

三ツ矢 すきっと果実(2023年5月23日)

三ツ矢 日本くだものがたり やんばるパイン(2023年5月9日)

三ツ矢 フルーツリッチプラス(2023年4月25日)

★三ツ矢 特濃グレープスカッシュ(2023年3月21日)

★三ツ矢 100%グレープミックス(2023年3月21日)

★三ツ矢 こだわりレモンスカッシュ(2023年3月21日) ※300mlボトル缶

三ツ矢 日本くだものがたり 和歌山県産南高梅(2023年1月31日)

★三ツ矢 特濃ピーチスカッシュ(2023年1月10日、2024年1月9日改良)※「三ツ矢 完熟もも」の後継製品

三ツ矢 芳醇メロンソーダ(2022年12月20日) ※期間限定発売

三ツ矢 オレンジ&カシスsparkling(2022年12月6日) ※期間限定発売

三ツ矢 特濃ハニーレモンスカッシュ(2022年11月22日) ※期間限定発売

三ツ矢 にほんくだもの 愛媛県産はれひめ(2022年10月25日) ※期間限定発売

三ツ矢 フルーツパンチクラシカル(2022年10月11日) ※期間限定発売

三ツ矢 クラフトジンジャエール(2022年9月20日)

三ツ矢 濃密りんご(2022年9月6日) ※期間限定発売

三ツ矢 特濃ピンクグレープフルーツスカッシュ(2022年8月23日)

三ツ矢 微糖炭酸水グリーンアップル(2022年8月9日) ※期間限定発売

三ツ矢 にほんくだもの 大分県産日田の梨(2022年6月28日) ※期間限定発売

三ツ矢 ストロングレモン(2022年6月14日、2023年6月13日改良) ※「三ツ矢 グリーンレモン」の内容量を570mlに増量し、容量に合わせてクエン酸も7,350mgに増量。2023年6月改良時にはクエン酸が7,580mgに増量された。期間限定発売。

三ツ矢 ソルティグレフル(2022年5月31日) ※期間限定発売

三ツ矢 クラフトミントライム(2022年5月10日) ※クラフトシリーズの第2弾。期間限定発売

三ツ矢 微糖炭酸水レモン(2022年4月19日)

三ツ矢 にほんくだもの 熊本県産肥後グリーン(2022年4月5日) - 期間限定発売

三ツ矢 にほんくだもの 青森県産ジョナゴールド(2022年2月15日) - 期間限定発売

★三ツ矢クラフトコーラ(2022年1月18日、同年11月8日改良、2023年3月21日・4月11日改良)[16] - 当初は500mlペットボトルのみだったが、2022年3月に350ml缶を追加発売。


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