一貫性_(単位系)
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光束ルーメン)= 光度(カンデラ) × 立体角(ステラジアン)

照度ルクス)= 光束(lm) ÷ 面積(m2)

放射性核種の放射能(ベクレル) = 時間の逆数(s−1)

吸収線量カーマグレイ) = エネルギー(ジュール) ÷ 質量(キログラム)

線量当量シーベルト) = エネルギー(ジュール) ÷ 質量(キログラム)

酵素活性(カタール)= 物質量(モル) ÷ 時間(秒)

一貫性のあるCGS単位系の例

CGS単位系における電磁気量の単位系としては歴史的に電磁単位系静電単位系があるが、これらは基本単位の組はともにセンチメートル、グラム、秒であるが、与えられた量体系が異なるため、両者の間に一貫性はない。

加速度ガル、Ga) = 長さ(センチメートル、cm) ÷ 時間の二乗(s2)

力(ダイン、dyn) = 質量(グラム、g) × 加速度(m/s2)

エネルギー(エルグ、erg) = 力(dyn) × 長さ(cm)

圧力(バリ、Ba) = 力(dyn) ÷ 面積(cm2)

粘度ポアズ、P) = 圧力(Ba) ÷ 速度勾配(s−1)

質量密度(g/cm3) = 質量(g) ÷ 体積(cm3)

動粘度ストークス、St) = 粘度(P) ÷ 質量密度(g/cm3) = 面積(cm2) ÷ 時間(秒)

CGS電磁単位


電流ビオ、Bi) = 力の平方根(dyn1/2)

電気抵抗(cm/s)

磁束マクスウェル、Mx) = エネルギー(erg) ÷ 電流(Bi)

磁束密度ガウス、G) = 磁束(Mx) ÷ 面積(cm2)

磁界強度エルステッド、Oe) = 電流(Bi) ÷ 長さ(cm)

CGS静電単位


電気量フランクリン、Fr)

照射線量レントゲン、R) = 電離電荷量(Fr) ÷ 体積(cm3)

一貫性のあるFPS単位の例

加速度(ft/s2) = 長さ(
フィート、ft) ÷ 時間の二乗(s2)

FPS絶対単位


パウンダル、pdl) = 質量ポンド、lb) × 加速度(ft/s2)

FPS重力単位


質量スラグ、slug) = 重量ポンド、lbf) ÷ 加速度(ft/s2)

一貫性のないメートル系の単位の例

すでに述べたように、SI単位にSI接頭語を付した単位はすべて一貫性がない(ただし、kg は歴史的経緯から唯一、SI接頭語が付いているがSIにおいて一貫性のある単位である。)[11]。よく使われる cm、km、mg、kN、MPa、kW を含む単位はすべてSIにおいて一貫性がない。

以下の六十進法の単位はしばしばメートル系の単位とともに用いられるが、一貫性はない。

時間( min = 60s、時間 hr = 60min、および day = 24hr)

角度(、 ° = 2π rad/360、、′ = °/60、および、″ = ′/60)

メートル系の単位のうち、SI(MKS単位系)でもCGS単位系でも一貫性のないものとして以下が挙げられる。

質量(トン、t = 103 kg = 106 g)※ただし MTS単位系では基本単位に位置付けられる。

体積(リットル、L = 10−3 m3)

面積(アール、a = 102 m2、およびヘクタール、ha = 104 m2)

圧力(バール、bar = 105 Pa)

長さ(オングストローム、Å = 10−10 m)

反応断面積バーン、b = 10−28 m2)

吸収線量(ラド、rad = 10−2 Gy = 10−2 J/kg)

線量当量(レム、rem = 10−2 Sv = 10−2 J/kg)

歴史
メートル法以前

人が考案した最も初期の単位は、単位の間で互いに関係を持っていなかった。計量単位が標準化されるようになると、初期の単位のうちのいくつかは共同体をまたがって同じ大きさを持ち、同じの異なる単位(例えばフィートとインチ)は一定の比率を保つようになった。しかし、容積と質量の単位がに結びつけられていた古代中国は別として、異なる種類の量に関係を持たせた例は、啓蒙時代以前にはほとんど痕跡がない[12]
同じ種類の量

長さの計測の歴史は、中東の初期の文明(紀元前10000年 ? 紀元前8000年)にまで遡る。考古学者は、メソポタミア(英語版)、インド(英語版)、ユダヤやその他の文化で使用された度量衡を再構築することができた。考古学やその他の分野の証拠により、多くの文明において、同じ量の異なる単位の間の比率が整数になるように調節されたことが示されている。古代エジプト(英語版)のような多くの初期の文化においては、必ずしも2、3、5の倍数が使われていたわけではない。例えば、エジプトの「王のキュビット(meh niswt)」は28フィンガー(djeba)、7パーム(shesep)である[13]。紀元前2150年、アッカド帝国(英語版)の皇帝ナラム・シンはバビロニアの度量衡を整理し、多くの単位の間の比率が2、3、5の倍数となるように調整した。例えば、1 shu-si(フィンガー)は6 she(バーリーコーン)、1 kush(キュビット)は30shu-siである[14]トルコ・イスタンブール考古学博物館に展示されている、紀元前3千年紀にメソポタミアニップルで使われていた物差し(英語版)。様々な単位の目盛りが刻まれている。
メートル法
合理的な単位系と水の利用

一貫性の概念は、19世紀の第3四半世紀にメートル法にもたらされた。当初のメートル法には一貫性がなかった。例えばリットルは0.001 m3であり、アールは100 m2である。しかし、質量と長さの単位をの特性を通じて関係づけたのは、一貫性の先駆けと言えるものであった。すなわち、グラムは融点における1立方センチメートルの水の質量として定義された[15]

CGS単位系には、エネルギーの単位が2つあった。静力学に基づいた仕事の単位エルグ(記号: erg)と、物体の温度上昇に基づいたの単位カロリー(記号: cal)である。力学量の単位を基本単位としているため、エルグのみがCGS単位系において一貫性のある組立単位である(erg = g cm2/s2)。

対照的に、国際単位系は当初から一貫性を持った単位系として設計された。その結果、SIのエネルギーの単位はジュールだけとなった[16]
次元に関連した一貫性ジェームズ・クラーク・マクスウェル。一貫性のあるCGS単位系の概念を発展させ、メートル法に電気の単位を含むように拡張する際に主要な役目を果たした。

一貫性の概念は、19世紀中頃にケルヴィン卿ウィリアム・トムソンジェームズ・クラーク・マクスウェルらによって発展し、英国科学振興協会(英語版)によって奨励された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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