一般社団法人
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所轄庁への報告義務免除と情報開示義務の免除

税制優遇措置は全ての一般社団法人にある訳では無いが、非営利型一般社団法人である場合はNPOと同じ優遇措置がある。NPOの場合は、毎年度所轄庁への報告義務や市民と利害関係人への情報開示制度があるが一般社団法人にはない。NPO法人の場合は、設立後も「主たる事務所」の所在する都道府県の「知事」といった所轄庁[9]への報告義務があり、その監督の下に置かれる[10][11][12]
社員数下限と活動内容無制限のメリット

設立には一般社団法人が社員2名以上で設立可能だが、 NPO法人は10人以上必要である。事業目的や活動内容はNPO法人の場合はNPO法に定められている20種類の「特定非営利活動」のみだが、一般社団法人には活動内容へ制限がない[10][11][12]
認可の有無・設立の容易さ

一般社団法人と異なり、NPO法人は設立に役所からの認可が必要である。 そのため、一般社団法人が設立まで1週間から2週間であるのに対し、NPO法人は4か月は必要となる。上記のように、一般社団法人の場合はNPOのような所轄庁の審査自体なく、登記手続きで済むので迅速に設立出来る[10][11][12]
イメージや制度の穴を利用した犯罪や不正などの諸問題

詳しくない人には制度改正前の公益性や国家機関による審査が設立要件であった「2008年12月1日以前の社団法人・財団法人」と混同されやすく、現行の「社団法人」「財団法人」にも行政庁の許可が必要と誤解している人も少なくない。この公益性など良いイメージを悪用した「一般社団法人」や「一般財団法人」の法人格を乱用・悪用問題が指摘されている[1]脱税公金横領投資詐欺などの違法行為を行う事態も多く発生している[13][5][14]
不当会計問題

前述のように「非営利型一般社団法人」には所轄庁への報告義務だけでなく、外部への情報開示義務も無い。「東京都監査事務局」も参照

仁藤夢乃が代表理事を務める一般社団法人colaboなど東京都東京都若年被害女性等支援事業の委託先4団体の妥当性へ疑義から住民監査請求が行われた。2022年12月28日の住民監査請求の結果、「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果とその解説」にて、監査委員は「本件精算には不当な点が認められ、本件請求には理由がある」と男性による委託先団体における会計が不当であることの指摘が正しかったことを認容し、東京都へきちんと委託団体管理するように勧告を出した[15][16][17]。東京都で請求が認められたのは、舛添要一前知事の公用車問題以来6年ぶりであった[18]
法律自体の欠陥による制度悪用問題

NHKが2024年に独自調査したところ、医師以外の異業種でも参入可能な「一般社団法人」として設立された脱毛美容整形、薄毛治療、医療ダイエットなどを行う美容クリニックが数年前から都市部で急増している。そして、これら一般社団法人クリニックでは常勤とされているはずの「責任者」である医師らの「名義貸し」が行われていることを確認した。一般社団法人増加と共に、過剰医療や健康被害が増加していることも報道された。通常クリニックとは代表が医師の「医療法人」や医師が「個人」で開設するケースがほとんどであり、NHKは「平成20年の公益法人制度改革」で制定された一般社団法人設立に関する現行法の問題を指摘している。「一般社団法人」の場合、医師が代表となる医療法人とは異なり、管理者となる医師さえ確保出来れば非医師でも医療経営参入が出来、都道府県の認可の必要もなく登記のみで設立でき、医療法人になら適応される定款の変更や分院展開といった様々な規制の対象外、などの問題から制度自体が悪用されていることが指摘されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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