洋楽器としてはヴァイオリン属やマンドリン属(調弦G-D-A-E)、テナー・ギターとテナー・バンジョー(調弦C-G-D-A、アイリッシュではオクターヴ・マンドリンと同じ高さでG-D-A-E)とも通じる。アイリッシュ・ブズーキ(G-D-A-D)とはヴァイオリン属やマンドリン属より更に「弦1コース分多く似ている」ので、コードフォームや運指、更には演奏全般を研究・実践する上で参考になる。アイリッシュ・ブズーキ、テナー・ギター、テナー・バンジョーの場合は調弦をA-D-オクターヴ上のA-D=事実上「五度と一度だけ」にする場合もあり更に似てくるが、運指は大きく変わってしまう。
これら洋楽器の他、世界中に広く分布するリュート属の民族楽器などとも類似性がある。ユーラシア大陸のサズ(トルコ)、ドゥタール(中央アジア)、ドンブラー(カザフスタン)、コムズ(キルギス)、タンブール(ウイグル)などとは構造や調弦などに類似点が見られる。中国の楽器阮咸とは、構造(ネックとボディを別々に作って仕込むタイプ)のみならず、弦の数(4本)や調弦(1度-5度)までがほぼ同じである。中国の楽譜も数字譜なので、今後の研究や交流、演奏の実践が俟たれる。
また、北米で見られるマウンテン(アパラチアン)・ダルシマーや創作楽器ストラムスティック、その日本版ともいえるミンミンなどとも類似点が見られる。ただしこれらの楽器のうち前二者に共通する「ダイアトニックなフレット配列」は踏襲せず、平均律クロマチックになっている。
主な演奏者
BEGIN
迎里計
山田直毅
石川ひとみ
なすじん
Born ti Cafta
Earth Conscious
勝詩
大島圭太
楠瀬敏夫
会津里花
音道青心
theSing2YOU
主なCD作品
BEGIN
ビギンの一五一会 (2003)セルフカヴァー
ビギンの一五一会 58ドライブ (2003)邦楽カヴァー
ビギンの一五一会 ドライブインシアター (2003)洋楽カヴァー
テイチクアワー(2004)テイチクエンタテインメント70周年記念として演歌(各曲本人歌唱、伴奏BEGIN)をカヴァー
ビギンの一五一会2 (2008)
ビギンの一五一会10周年記念BOX(2DVD付) (2013)
島袋優(BEGIN)with 一五一会オールスターズ plays Disney (2013)
石川ひとみ
みんなの一五一会 ?唱歌・童謡編 (2004)
Withみんなの一五一会 ?フォークソング編 (2005)
With みんなの一五一会 ?RADIO DAYS (2006)
With the best of 一五一会 (2011)
脚注^ ⇒一五一会・音来 によれば「87年」とのこと。他にも「1910年に発明された大正琴」という記述もある。
^ 第1回は2012年10月7日に岐阜県可児市文化創造会館alaにて開催、ソロエントリー13組が出場し、山田綾子が優勝した。第2回は2013年10月14日、同じ会場で開催予定。グループ・エントリーも可能。
^ 「一度-五度…」ではなく「五度-一度」で調弦することもできる(結果ベーシック、音来ならG-C-G-C、奏生ならC-F-C-Fなどのようになる)が、これが三線で言えば「二上がり」に相当することになる。
^ 「コードを数字で表記する」方式は、米国のNashville Number Systemと共通している。
^ ギターでも特殊なオープン・チューニングに調弦することで「指一本でコードを弾く」ことはできるし、一五一会よりも弦が多く3度の音程も表現することができる。その一方、一五一会はギターよりも弦が少なく調弦も緩めなので、少なくともギターよりは「指一本でコードを弾く」ために必要な手の力は弱くて済む。弦が少ないためネックが細くなっていることも、「手が小さい」と悩む人にはハードルを下げることになる。
^ ⇒ドレミ楽譜出版社 より2005?09年まで季刊刊行。
^ 2012年現在。推測される理由は、「楽譜が読めない、苦手」という人でも楽譜のことを考えずに弾ける、容易に転調できる、という一五一会ならではのメリットが五線譜で固定的に表記することで却って損なわれるためか、或いは基本的な弾き方(左手の指1本で押さえただけでコードが弾ける)ならばわざわざ五線譜で表記するまでもないためか。
^ 一般的なレギュラーチューニングのギターのよく知られている基本的なコードフォーム(Em、Am、Gなど)を流用して弾くことはできない。
関連項目
ミンミン (楽器)
弦楽器
民族楽器
民族音楽
琉球かれん
外部リンク
⇒一五一会(ヤイリギター)