2007年、『ヴォーグ』はタバコ広告を掲載していたために、喫煙抑止キャンペーングループ「タバコ・フリー・キッズ・キャンペーン」から批判された。グループは8000人のボランティアが、広告に関して電子メールまたはファクシミリで抗議文を送ったと主張した。グループはまた、ウィンターからのものとされる「止めなさい、あなたはを木々を殺している! (You're killing trees!, 「紙を無駄にするな」の意)」というメッセージが走り書きされたFAXが送り返されてきたと述べている[8]。またコンデ・ナストの報道官は公式に「『ヴォーグ』はタバコ広告を載せる。我々はそれ以上の更なるコメントをしない」と返答した[8]。
2008年4月にアメリカ版『ヴォーグ』は、有名カメラマンのアニー・リーボヴィッツが撮影を行った。表紙を飾ったのはスーパーモデルのジゼル・ブンチェンとバスケットボール選手のレブロン・ジェームズ。アメリカ版の表紙を男性が飾るのはジョージ・クルーニー、リチャード・ギアに次いで3人目であり、黒人男性では初である。この表紙はジェームズが、より小さなジゼルのそばにいるというもので、映画『キング・コング』を思わせたもので、2人のポーズは同映画に出演したフェイ・レイへの追悼の意を込めている。しかし、多くの批評家からこの表紙は、偏見があると認められた[9]。 コンデナストは2021年2月5日、米ニュースサイトAxios(アクシオス)の元政治記者で2020年アメリカ合衆国大統領選挙でバイデン陣営を支持したアレクシ・マキャモンドをティーン・ヴォーグの新編集長とすると発表した。マキャモンドは学生であった2011年に「寝起きに腫れぼったいアジア人の目にならない方法をググってる」、大学教授のアシスタントを「馬鹿なアジア人のティーチング・ アシスタント」と呼ぶなどアジア人の見た目や同性愛者を差別するツイートをしており、内部スタッフらが「読者から懸念の声が寄せられている」とコンデナストに書簡を送っている。2016年から2018年までティーン・ヴォーグの編集長を務めたエレーヌ・ウェルタロスは、一連のツイートとその背後にある感情について「人種差別的で忌まわしく、弁護できない」と出演したCBSの番組中で述べている[10]。 コスメチェーン大手のアルタ・ビューティー(Ulta Beauty)がこの媒体で行っている広告キャンペーンを停止するなど内外から批判を受けることとなった[11][12]。アジア系アメリカ人ジャーナリスト協会はコンデナストとティーン・ヴォーグとマキャモンドに対し、懸念を表明する公式声明を出している[13][14]。 ニューヨーク・マガジンの元編集者で、情報サイト「The Infatuation」編集ディレクターのダイアナ・ツイがインスタグラムにスクリーンショットを投稿したことからツイートが拡散しており、ファッション業界の監視グループの「ダイエット・プラダ」の再投稿によってさらに拡散した。ツイート自体は2019年にも一度出回っており、当時もマキャモンドは謝罪しているが「人種差別」とはせず「無神経なツイート」としていたことをダイアナ・ツイは指摘している。 同月13日に交際相手のTJ・ダックロがマキャモンドとの交際について取材をはじめたポリティコの記者に対し「お前を破滅させる」と脅迫していたことが明るみに出て、バイデン政権副報道官を辞任している[15]。マキャモンドは2020年11月にダックロとの交際をAxiosに報告し、リベラル派政治の担当に異動となっていた[16]。 コンデナストの広報は当初「マキャモンドの起用は堅持する」としており、ウィンターは編集部のサポートを構築しようとしたが、3月18日にマッキャモンドはTwitterでコンデナストとの別れを決意したと発表した[17][18]。コンデナストはマッキャモンドの過去の人種差別的なツイートのことは知っていたが[19]、ハロウィンパーティーでネイティブ・アメリカンの扮装をしたり、同性愛嫌悪をしていたことは知らなかったという[20]。 今日、『ヴォーグ』は以下に示す世界18カ国・1地域で発行されている。
ティーン・ヴォーグ次期編集長の差別的発言
世界各国の発行状況
アメリカ - 本国
イギリス
イタリア
インド
オーストラリア
ギリシャ
スペイン
韓国
台湾
中華人民共和国
ドイツ
トルコ
日本
ブラジル
フランス
ポルトガル
メキシコ
ロシア
ラテンアメリカ
スタイルと影響
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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