ヴォーグ_(雑誌)
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ナストの手腕により『ヴォーグ』の発行部数・利益は劇的に増加し、購読契約の数も増加。特に世界恐慌時や第二次世界大戦時には急増した。


1960年代 - ダイアナ・ヴリーランドが編集長に就任。現代的なファッションを多く取り上げ、性的なことも大胆に記事で扱う編集術を行ったりしたことで、性の革命時代の若者の心をつかんだ。

1973年 - 月刊誌となり、編集長グレース・ミラベラの下で、読者のライフスタイルの変化に対応するために、さらなる編集の工夫、斬新なスタイルの追求を行い、雑誌は変化を遂げていった。

1988年 - アナ・ウィンターが本国版の編集長に就任。

アナ・ウィンターの編集長就任後

アナ・ウィンターは、ファッション誌業界で定評のある優れたセンスと評判を守るため、より多くの人々に向けた、新しくより親しみやすい「ファッション」の形を雑誌に掲載するようにした[4]

アナ・ウィンターが初めて編集長を務めた号の表紙には、クリスチャン・ラクロアのジャケットとジーンズに高価な宝石を身に着けたイスラエルスーパーモデル、ミカエラ・ベルクの膝から上が起用された。女性の顔のみを写していたそれ以前の写真とは一線を画したもので、これを『タイム』は「彼女の洋服と体の重要性。このイメージもジーンズとオートクチュールを合わせる新しいシックの形で販売促進した。ウィンターのデビューカバーは今日までの現代ファッションに知られるクラスとその他を和解し仲介した」と評した。ウィンターの下では新しく若い才能は歓迎された[5]

ウィンターのファッションショーへの出席は、しばしば産業の中のデザイナーのプロフィールの指標ととられる。2003年に彼女は毎年資金とガイダンスを少なくとも2人の新進デザイナーに提供する基金を生み出すアメリカ・ファッション協議会に加わった[4]。これは新進デザイナーの間で忠誠を構築し、雑誌が優位な位置にい続けるのを助けると『タイム』は評した、「アメリカのファッションに対するかなりの影響。彼女が登場するまでランウェイショーは始まらない。彼女が彼らに油を塗るので彼らは成功する。流行は彼女の命令で引き起こされるか、無力になる。」[4]

トレードマークのボブヘアーと屋内でもサングラスをかけていることでも有名である。
反響

ウィンターの昔のアシスタントローレン・ワイズバーガーは『プラダを着た悪魔』というタイトルの実話モデル小説を書いた。小説は2003年のベストセラーとなり、2006年に映画化された。小説の主人公はワイズバーガーに似ていて、彼女のボスは「ヴォーグ」を思わせる架空のファッション雑誌の、パワフルな編集長である。小説は、『ニューヨーク・タイムズ』の批評によれば、「タバコ・ダイエットドクターペッパー・ミックス野菜サラダで生きているような反キリスト者とファッションモデルのグループ」に支配される雑誌の様子を描いている。ワイズバーガーは小説の中で編集長を「空っぽで、底が浅く、かつ冷酷な女で、ゴージャスな服を大量に持っているけど他には何も持たない」者として描いている[6]。しかし、小説と映画の両方の成功は、ファッション誌に新しい注目を集めるきっかけとなった[7]

2007年、『ヴォーグ』はタバコ広告を掲載していたために、喫煙抑止キャンペーングループ「タバコ・フリー・キッズ・キャンペーン」から批判された。グループは8000人のボランティアが、広告に関して電子メールまたはファクシミリで抗議文を送ったと主張した。グループはまた、ウィンターからのものとされる「止めなさい、あなたはを木々を殺している! (You're killing trees!, 「紙を無駄にするな」の意)」というメッセージが走り書きされたFAXが送り返されてきたと述べている[8]。またコンデ・ナストの報道官は公式に「『ヴォーグ』はタバコ広告を載せる。我々はそれ以上の更なるコメントをしない」と返答した[8]

2008年4月にアメリカ版『ヴォーグ』は、有名カメラマンのアニー・リーボヴィッツが撮影を行った。表紙を飾ったのはスーパーモデルのジゼル・ブンチェンとバスケットボール選手のレブロン・ジェームズ。アメリカ版の表紙を男性が飾るのはジョージ・クルーニーリチャード・ギアに次いで3人目であり、黒人男性では初である。この表紙はジェームズが、より小さなジゼルのそばにいるというもので、映画『キング・コング』を思わせたもので、2人のポーズは同映画に出演したフェイ・レイへの追悼の意を込めている。しかし、多くの批評家からこの表紙は、偏見があると認められた[9]
ティーン・ヴォーグ次期編集長の差別的発言

コンデナストは2021年2月5日、米ニュースサイトAxios(アクシオス)の元政治記者で2020年アメリカ合衆国大統領選挙バイデン陣営を支持したアレクシ・マキャモンドをティーン・ヴォーグの新編集長とすると発表した。マキャモンドは学生であった2011年に「寝起きに腫れぼったいアジア人の目にならない方法をググってる」、大学教授のアシスタントを「馬鹿なアジア人のティーチング・ アシスタント」と呼ぶなどアジア人の見た目や同性愛者を差別するツイートをしており、内部スタッフらが「読者から懸念の声が寄せられている」とコンデナストに書簡を送っている。2016年から2018年までティーン・ヴォーグの編集長を務めたエレーヌ・ウェルタロスは、一連のツイートとその背後にある感情について「人種差別的で忌まわしく、弁護できない」と出演したCBSの番組中で述べている[10]

コスメチェーン大手のアルタ・ビューティー(Ulta Beauty)がこの媒体で行っている広告キャンペーンを停止するなど内外から批判を受けることとなった[11][12]。アジア系アメリカ人ジャーナリスト協会はコンデナストとティーン・ヴォーグとマキャモンドに対し、懸念を表明する公式声明を出している[13][14]

ニューヨーク・マガジンの元編集者で、情報サイト「The Infatuation」編集ディレクターのダイアナ・ツイがインスタグラムにスクリーンショットを投稿したことからツイートが拡散しており、ファッション業界の監視グループの「ダイエット・プラダ」の再投稿によってさらに拡散した。ツイート自体は2019年にも一度出回っており、当時もマキャモンドは謝罪しているが「人種差別」とはせず「無神経なツイート」としていたことをダイアナ・ツイは指摘している。

同月13日に交際相手のTJ・ダックロがマキャモンドとの交際について取材をはじめたポリティコの記者に対し「お前を破滅させる」と脅迫していたことが明るみに出て、バイデン政権副報道官を辞任している[15]。マキャモンドは2020年11月にダックロとの交際をAxiosに報告し、リベラル派政治の担当に異動となっていた[16]

コンデナストの広報は当初「マキャモンドの起用は堅持する」としており、ウィンターは編集部のサポートを構築しようとしたが、3月18日にマッキャモンドはTwitterでコンデナストとの別れを決意したと発表した[17][18]。コンデナストはマッキャモンドの過去の人種差別的なツイートのことは知っていたが[19]、ハロウィンパーティーでネイティブ・アメリカンの扮装をしたり、同性愛嫌悪をしていたことは知らなかったという[20]
世界各国の発行状況

今日、『ヴォーグ』は以下に示す世界18カ国・1地域で発行されている。

アメリカ - 本国

イギリス

イタリア

インド

オーストラリア

ギリシャ

スペイン

韓国

台湾

中華人民共和国

ドイツ

トルコ

日本

ブラジル

フランス

ポルトガル

メキシコ

ロシア

ラテンアメリカ


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