ヴェルフ家
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ザリエル朝が断絶すると、ハインリヒ9世の長男でバイエルン公を継いだハインリヒ10世(尊大公)はホーエンシュタウフェン家コンラート3世と帝位を争った。1140年のヴァインスベルクの戦いの「掛け声」からヴェルフ派をヴェルフ、ホーエンシュタウフェン派をウィーベリンと呼ぶようになり、これがイタリアに伝わり教皇派と皇帝派(ゲルフ対ギベリン)となる。

ハインリヒ獅子公ザクセン公、バイエルン公を兼ね、舅のイングランド王ヘンリー2世と結び大勢力を誇ったが、フリードリヒ1世との争いに敗れ、ノルマンディー亡命している。ザクセンとバイエルンは没収され、それぞれアスカーニエン家ベルンハルト3世ヴィッテルスバッハ家オットー1世に与えられた。

ハインリヒ獅子公の嫡男オットー4世は皇帝ハインリヒ6世の死後、ハインリヒ6世の弟で、オットー4世の岳父でもあるフィリップと皇帝位を争った。当初形勢は不利だったが、フィリップが暗殺されたために念願の皇帝となった。しかし、ローマ教皇インノケンティウス3世と対立し(この時はヴェルフ派が皇帝派となり、ホーエンシュタウフェン派が教皇派となっている)破門され、1214年ブーヴィーヌの戦いに敗れ、フリードリヒ2世に皇帝位を奪われ、1218年に失意のうちに没した。

ちなみに、オットー4世の兄ハインリヒ5世ライン宮中伯(プファルツ系ヴェルフェン家)となっていたが、1214年に家督を譲った子のハインリヒ6世が嗣子がないまま急逝したため、姻戚関係にあるバイエルン公ルートヴィヒ1世(オットー1世の子)が相続し、ヴィッテルスバッハ家が代々世襲していった。
ハノーファーのヴェルフ家「ブラウンシュヴァイク=リューネブルク家」も参照

オットー4世の弟・リューネブルク公ヴィルヘルムの子オットーは、子のないオットー4世の遺領も相続してブラウンシュヴァイク=リューネブルク公を称した。この家系はブラウンシュヴァイク=リューネブルク家として、しばしば領土の分割を重ねながら続いた。14世紀にはヴォルフェンビュッテル侯フリードリヒ1世ルクセンブルク家ヴェンツェル対立王になっている。また、17世紀から18世紀にはハプスブルク家ロマノフ家(ロシア)、ホーエンツォレルン家(ドイツ)、オルデンブルク家(デンマーク)と縁組を結ぶなど、勢力を増している。

1692年、その分枝に属するカレンベルク侯(ハノーファー公)エルンスト・アウグスト選帝侯となった。子のゲオルク・ルートヴィヒ1714年イギリス王位を獲得してハノーヴァー朝を開き、その血統は現在まで続いている。

ハノーファー公国は1814年ハノーファー王国となり、1837年ヴィクトリア女王の即位により同君連合を解消した。ハノーファー王国は1866年プロイセン王国に併合されたが、最後のハノーファー王ゲオルク5世の孫エルンスト・アウグスト3世に、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク家の別系統からのブラウンシュヴァイク公国の継承が認められ、その家系は現在まで続いている。
フェッラーラとモデナのヴェルフ家

バイエルンのヴェルフ家のクニグンデとエステ家のアルベルト・アッツォ2世の結婚により、ヴェルフ家とエステ家は合体した。しかしその権力は長男のヴェルフ4世がバイエルン公となる一方で、次男フォルコ1世がエステ辺境伯となることで、ドイツとイタリアに分割されることになる。フォルコ1世の子孫は後にフェラーラ公、モデナ公となった。

フェラーラとモデナのヴェルフ家は、1796年、モデナ公エルコレ3世フランス革命政権に追放されて断絶した。エルコレ3世には息子はいなかったため、ウィーン会議モデナ公国が再興された際、公位はエルコレ3世の娘マリア・ベアトリーチェハプスブルク=ロートリンゲン家フェルディナント・カール・アントンの息子で外孫に当たるフランチェスコ4世が相続することとなり、オーストリア=エステ大公と称するようになった。
系図
バイエルン公、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク家

      古ヴェルフ家      

          

      クニグンデ    アルベルト・アッツォ2世
エステ辺境伯    ガルセンダ
(メーヌ伯エルベール1世娘)      
          
                              
     
         ヴェルフ4世(1世)
バイエルン公 (1070-1101)     フォルコ1世
エステ辺境伯 ユーグ5世
メーヌ伯 

                         


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