ヴィクトル・ユーゴー
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ユーゴーは同年5月の立憲議会の補欠選挙に立候補して、保守派の支持を受けて当選した[5]。政治家としてのユーゴーは1830年代より続けていた死刑廃止運動や、教育改革、社会福祉などを主張した。1848年には共和派となり、1848年12月10日の大統領選挙ではルイ・ナポレオンを支持し、強力な論陣を張って彼を支援した。しかしナポレオンは次第に独裁化し、連続再選禁止条項の改正を国民議会に提出するなどして、このころにはユーゴーはナポレオンの強力な反対者となっていた。ナポレオンは1851年12月2日にクーデターを起こして独裁体制を樹立し、反対派への弾圧を開始した。ユーゴーも弾圧対象となり、12月11日ベルギーへと亡命を余儀なくされる[6]。以後19年に及ぶ亡命生活の始まりであった。
亡命期詳細は「ヴィクトル・ユゴーの亡命(フランス語版)」を参照

ベルギーの首都ブリュッセルに落ち着いたユーゴーは、さっそくナポレオンへの批判を開始した。1852年8月にはブリュッセルでナポレオン3世を弾劾した「小ナポレオン」を出版した。これは1843年の戯曲『城主』の失敗以来10年ぶりの新作であり、以降ユーゴーは再び精力的に執筆を再開する。「小ナポレオン」は熱狂を引き起こしたが、フランスからベルギーへの圧力を恐れたユーゴーは出版の前日に英仏海峡に浮かぶイギリスチャネル諸島ジャージー島へと移住し[7]1855年までここに住むこととなった。ここでは1853年に、やはりナポレオン弾劾の書である「懲罰詩集」を発表している。1855年には隣の島であるガーンジー島に移住し、1870年にフランスに帰還するまでの間15年間ここで過ごした。ガーンジー在住中には、1856年に「静観詩集」、1859年には「諸世紀の伝説」の第1部、そして1862年には中断していた『レ・ミゼラブル』が完成してベルギーより出版され、大反響を巻き起こした。「レ・ミゼラブル」の成功は、彼に莫大な収入をもたらした[8]
最短の電報

『レ・ミゼラブル』が出版された直後、海外旅行に出かけたユーゴーはその売れ行きが心配で、出版社に一文字「?」と書いただけの電報を送ると、その後出版社から「!」とだけ書かれた返信が届いた。「上々の売れ行きです!」というわけである。事実数日で完売・売切れの状態であったという。これは世界で最も短い手紙として『ギネス世界記録』に掲載されている[9][要検証ノート][10]
帰国

1870年に勃発した普仏戦争はフランスの大敗北に終わり、セダンの戦いプロイセン王国の捕虜となったナポレオン3世は失脚した。これによってユーゴーは帰国を決意し、19年ぶりに祖国の土を踏むこととなった。フランスでは英雄として迎えられ、1871年2月にはセーヌ県より立候補して当選し、議会の置かれたボルドーへと向かったが、ユーゴーの属した左派は少数派に過ぎず、3月8日にはアルジェリアから立候補して当選していたジュゼッペ・ガリバルディの当選無効に抗議して議員を辞職した[2]。1872年1月には再び議会に立候補するものの落選した[11] が、1876年1月には元老院議員に立候補して当選した[12]。その後も1877年には「諸世紀の伝説」の第2部を発表するなど活発な活動を続けた[13]。なお、日本の自由党総理・板垣退助が、1882年から1883年にかけてのフランス、イギリス・オランダ視察の際、ヴィクトル・ユーゴー、ジョルジュ・クレマンソーらと交流したとする記録がある[14]

1885年5月22日パリにて死去。83歳没。国葬でもって葬られ[15]、文豪としてパンテオンへと埋葬された。
作品の一覧1853年レオン・ボナ画(1879年1883年

主要な作品は小説や、膨大な詩である。

年邦題原題
1822年オードと雑詠集(フランス語版、英語版)Odes et Poesies Diverses
1823年アイスランドのハン(フランス語版)Han d'Islande
1824年オード集Nouvelles Odes
1826年ビュグ・ジャルガル(フランス語版、英語版)Bug-Jargal
1826年オードとバラッド(フランス語版、英語版)Odes et Ballades
1827年クロムウェル(フランス語版、英語版)Cromwell
1829年東方詩集(フランス語版、英語版)Les Orientales
1829年死刑囚最後の日Le Dernier jour d'un condamne
1830年エルナニ(フランス語版、英語版)Hernani[注 30]
1831年ノートルダム・ド・パリNotre-Dame de Paris
1831年マリヨン・ドロルム(フランス語版、英語版)Marion Delorme


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