ヴァンゲリス(ギリシア語: Βαγγ?λη?、[va???elis]、Vangelis、本名:エヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ(Ευ?γγελο? Οδυσσ?α? Παπαθανασ?ου [ev?a??elos odi?seas papaθana?siu], Evangelos Odysseas Papathanassiou, 日本語表記は後述)、1943年3月29日 - 2022年5月17日)は、ギリシャの音楽家(シンセサイザー奏者・作曲家)である。 1960年代後半から2020年代まで、音楽芸術など多方面で世界的に活動した音楽家である。 アメリカでは、1982年に映画『炎のランナー』の音楽が、第54回アカデミー賞で作曲賞を受賞し[1]、シングルカットされたそのテーマ曲がビルボードのヒットチャートでアルバムとシングルが1位[2]となった。1982年のリドリー・スコット監督の映画『ブレードランナー』も音楽を担当した。 活動拠点であるヨーロッパでは、1974年に報道された[3]ロックバンドのイエスへの加入騒動[注 1] 以前からソロアルバムを発売している。1992年のリドリー・スコット監督作品『1492 コロンブス』のサウンドトラック盤はドイツでアルバムを100万枚、シングルカットされた「新大陸発見/コロンブスのテーマ」を150万枚売上げ、ヨーロッパ17か国でゴールドディスクとプラチナディスク[4]を得て、『炎のランナー』を超えるヒットとなった[5]。 オリジナルアルバムや映画音楽アルバムのほか、テレビ音楽、舞台音楽なども多数手がける。カール・セーガン制作のドキュメンタリーテレビ番組『コスモス(宇宙)』でも、テーマ曲として使用されたアルバム『天国と地獄』からの一節や、アルバム『反射率0.39』に収録されている「アルファ」などの作品が印象的に使用された。 日本では『コスモス』、邦画『南極物語』の音楽、ほかに2002 FIFAワールドカップの公式アンセムがオリコンチャートでシングルベスト10圏内となり、広く知られるが公式の訪日はない。(後述)。 2000年代以降は国際的なイベントに多く関わり、2000年シドニーオリンピック閉会式でオリンピック旗をオーストラリアからギリシャへ引き継ぐ際の音楽と指揮、2004年にアテネオリンピックで公式エンブレムに付随するサウンドロゴ、それぞれを手がけた。2001年にNASAの火星探査計画の一つである2001マーズ・オデッセイのテーマ音楽を担当し、関連してアテネのゼウス神殿で催されたライブイベント「Mythodea」を手がけた[1]。 1943年にギリシャ中部の港町ヴォロスで、画家の父と音楽家の母のもとに生まれる[6]。4歳から独学でピアノ演奏と作曲を手掛け、6歳で自作曲の演奏会を開いた[1]。高校在学時にプロとして音楽活動を始め、ジャズバンドでヴィブラフォン、ピアノ、オルガンなどを演奏した。高校卒業後は音楽学校などへ進学せず、美術学校で映画と美術を学んだ。音楽理論などはアリストテレスなる人物から個人教授を受けた。 1963年にアテネでポップバンド「フォーミンクス」[注 2] を結成して多数のシングルを発表し、ギリシャ国内でヒットした。 1967年に『5000 Lies』の音楽で初めて映画作品に関わる[1]。 1968年にギリシャの軍事クーデターを機に[6] 国際的な活躍の場を求め、デミス・ルソス、ルカス・シデラスとロンドンを目指す[注 3] が、労働ビザ不所持で入国拒否となり本来経由地のフランスへ逆送されて留められる。3人はパリでアフロディテス・チャイルド (Aphrodite's Child) を結成し、発売したシングル〈Rain and Tears〉(邦題「雨と涙」)が大ヒット[6] してパリに居を定めてレコード会社と正式契約する。その後〈I Want to Live〉〈Spring, Summer, Winter and Fall〉などのヒットを発表する。1969年にサンレモ音楽祭に参加してヨーロッパを中心に人気を集めるが、アルバム『End of the World』と『It's Five O'Clock』を発表後、目指す音楽性でメンバーが対立して解散状態となる[注 4]。レコード会社との契約を果たすため1972年[注 5]に一時的に再結成し、兵役を終えたコロリス (Anargyros Koulouris) も復帰して4人編成で『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」を題材にした[7] 2枚組アルバム『666』を制作した。
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