ヴァルナ_(ブルガリア)
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ヴァルナの経済はサービス産業を基盤とし61%の収益は商取引や観光から得ており、14%は製造業や交通、通信、6%は建設業によるものである。[14]金融業でもとくに銀行業や保険、投資マネージメント、不動産金融がブームとなっている。2008年12月時点での世界金融危機による景気後退は軽微であった。ヴァルナは汎ヨーロッパ交通回廊8号線の東端に位置しており、ルセを経由して7号線や9号線と接続している。伝統的な主力産業は物流・輸送に関するものであり、ヴァルナ港やヴァルナ国際空港、ナヴィブルガル(英語版)のような古い商船会社や物流基地「ロジスティクス・パーク」[15]などがある。また造船や船舶の修繕など海洋に関する産業が発展しており、スウェーデンを基盤とするオーシャニック・クリエーションズ(英語版)などの造船所が立地する。

2007年6月にEniガスプロムによってサウス・ストリームのプロジェクトが公表されたが、この計画では900 km (559 mi)の天然ガスのパイプラインによってロシアのジューブガ(英語版)から年間容量630億立方メートルがヴァルナへ送られ、近海のガラタ沖のガス田からさらにイタリアやオーストリアへと送られる。近隣の町であるベロスラフデヴニャとヴァルナはヴァルナ・デヴニャ工業団地(英語版)を構成しブルガリアでも最大の化学工場や火力発電所、製造設備を有する。その中にはヴァルナ火力発電所やSodi Devnyaが含まれており、これらは民主化以降のブルガリアの歴史上、最大級の民営化案件であった。また、電波航法機器や家電、セキュリティシステム、織物、服飾、飲料や食品、印刷などの工場が注目される。一部の使われなくなった工場施設は再開発され、以前のVAMOディーゼルエンジン工場はECEショッピングモールになり、ヴァルナビール醸造所はコンベンションセンターに置き換わった。

観光はヴァルナにとってもっとも重要な産業であり郊外の海辺のリゾートであるゴールデン・サンズ(Златни пясъци, Zlatni pyasatsi)やホリデークラブ・リビエラ、サニーデイ、聖コンスタンティン・エレナ(英語版)や他のリゾート地を合わせた宿泊受け入れ可能数は2005年現在60,000ベッドで毎年数百万人もの人が訪れる。2006年には474万人が訪れそのうち399万人は国外からであった。[16]リゾート地が国内外からかなり多くの投資を受けるようになったのは1990年代後半から21世紀に入ってからであり、環境的には適切で化学工場や他の重工業地帯からは離れた場所に位置している。ヴァルナはブルガリアでは唯一、国際的なクルーズ船の寄港地で2007年には30のクルーズ船の寄港が予定されていた。またメジャーな国際的なコンベンションやスパの中心である。2003-2008年の不動産ブームによってブルガリア国内では一番高い価格となり2007年秋には首都ソフィアを上回り、2009年4月現在でも保っていた。商業用の不動産ではメジャーな国際的なオフィスタワー計画の開発をしている。[17][18][19]

小売りにおいては国際的に大きな小売店を集めているだけでなく[20]、ヴァルナ発祥を誇るチェーン店がブルガリアの大きな都市に点在しておりスーパーマーケットチェーンのピカデリースーパー(英語版)やレストランチェーンのハッピー、薬局チェーンのサニタなどがある。2008年には3つの大きなショッピングモールが営業しており、さらに4つの様々な段階の計画がありヴァルナは国際的に魅力的なショッピングの目的地へと転換させている[21]

ヴァルナの経済はブルガリアの中でも好調であり急成長が続いており2007年の失業率は2.34%とブルガリア国内平均の三分の一の低さで賃金の中間値はソフィアやブルガス並みに高い。[22]多くのブルガリア人はヴァルナを好況にわく町と見なしており、なかにはソフィアやプロヴディフから移住したり、または西側諸国から戻って来る者もいる。しかし、ほとんどはドブリチやシュメンなどの近隣地域からヴァルナへ移って来ている。

2004年9月のFinancial Times Business Ltd publicationが出版するビジネス誌FDi magazineは戦略的な地理や急成長する経済、豊かな文化遺産、高い教育水準などからヴァルナを南東ヨーロッパで将来性がある都市と公言している[23] 。また2007年4月には スタンダード&プアーズはヴァルナの格付けを引き上げている。[16]2007年12月と2008年10月にヴァルナはブルガリアで一番生活するのに適した都市に選ばれている。[24]
統計

最初の人口の資料は17世紀半ばに遡り、当時の町の人口は4,000人程度であったと考えられる。[25] その後、1878年にトルコから解放されると1881年に最初の人口統計調査が行われ24,555人を数え[26]、これは当時のブルガリア公国ではルセの26,156人に次ぐ2番目の規模であった。ブルガリアの統一(英語版)により、ヴァルナはブルガリアで3番目に大きな都市となった。このポジションは首位や4位の都市が入れ替わる中120年間維持されている。

2006年12月以来、ブルガリア国営テレビ(英語版)、国営新聞、調査会社、首長府、地元警察など様々な情報筋からヴァルナの人口は50万人を超え、現在ブルガリアでは2番目に大きな都市であると言われている。[27][28]しかしながら、公式の統計であるGRAOや NSIはこの宣言は裏付けていない。

2008年に副市長ヴェネリン・ゼチェフ(Venelin Zhechev)は実際の人口は650,000人と推計している。[29]2008年12月に市長のキリル・ヨルダノフ(英語版)は実際の常住人口は970,000人[30]であるとし、そのうちの60%は住民登録されていない人々である。2009年1月にフィナンシャル・タイムズは現在ヴァルナには毎年約3万人の新しい住民を引き寄せていると述べている。[31]

今日、ヴァルナ市の人口は334,870人でブルガリアでは3番目に大きな都市である。基礎自治体全体では343,704人、都市圏人口(ヴァルナ自治体、隣接するアクサコフォ、アヴレン、ベロスラフ、デヴニャ自治体。隣接するドブリチ州の部分は除く。)は公式の推計人口は475,000人[32] である。ここではヴァルナ=デヴニャ=プロヴァディヤアグロメーションはヴァルナ都市圏と同一とは見なされていない。ヴァルナはブルガリアでは数少ない人口の自然増を誇っており(2009年は出生数6,300に対して死亡数3,600[33])、新しい小児医療センターが開かれている。[34]

1887191019341946195619651975198519922001200520092011出典
25,25641,41969,56376,954120,345180,633253,039302,816308,601312,889312,026320,837334,870[2][35][36][37][38][39]

民族構成

ヴァルナで多数派を占める民族はブルガリア人でヴァルナ自治体では92.5%を占めている。[40]トルコ人は伝統的に2番目の位置を占め、2009年には自治体人口の3.8%を占めている。ロシア人や他の最近のロシア語話者の移民は20,000人を超え、おそらくそれ以上に多い。それに匹敵する数のロマがおり、そのほとんどがマクスダ、ロゾヴォ、ドリナのアスパルホヴォの3つの貧しい地区やチェンゲネ・クラ、ヴラディスラヴォヴォの地区に住んでいる。ヴァルナではいくつかのロマの差別撤廃のプログラムを率先している。アルメニア人やギリシャ人、ユダヤ人、他の昔から居る民族は現在でもはるかに少ない人口で存在し、これに近年新たにアジア系やアフリカ系の移民や企業の駐在員が増加している。
行政

ヴァルナ基礎自治体(Община Варнаはヴァルナ市と5つの郊外の町村(カメナルКаменар・カザシュコ Казашко・コンスタンティノヴォ Константиново・トポリ Тополи・ズヴェズディツァЗвездица)に分かれており、公共交通機関の運営も行われている。ヴァルナは地域の司法機関の中心でもある。[41]
市長

基礎自治体の首長は市長(кмет)である。共産党により一党独裁時代が終わった1990年以降、ヴァルナは3人の市長が担って来た。1990-91年が民主勢力同盟(SDS)のヴォイノ・ヴォイノフ(Voyno Voynov)、1991-1999年がSDSのヒリスト・キルツェフ(Hristo Kirchev)、1999年から現在まではSDSのキリル・ヨルダノフが就いている。ヨルダノフは2007年に再選され現在3期目である。[42]
政治

2009年1月現在の市議会(общински съвет)は51議席で、中道左派のブルガリア社会党(BSP)が9議席、中道右派のヨーロッパ発展のためのブルガリア市民(GERB)が9議席、Dvizhenie Nashiyat Grad(市長を支持する地元グループ)が6議席、Red, Zakonnost i Spravedlivost「秩序、法の支配、司法」が5議席、権利と自由運動(DPS)が4議席、民主勢力同盟と強いブルガリア民主党(英語版)(DSB)、と他の中道右派政党の3議席の連立、他のグループや無所属が15席を占める。


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