ヴァルター・ジモンス
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1922年10月16日、ジモンスは最高裁判所であるライヒ裁判所長官に任命された。在任中の1925年2月28日に大統領フリードリヒ・エーベルトが死去し、3月12日にはヴァイマル憲法第51条の規定により大統領代行に就任した[1]。同月29日に実施された大統領選挙では過半数を獲得した候補者がいなかったため、第2回投票の際にはジモンスが大統領候補に浮上したが、彼は立候補を拒否している。5月12日に第2回投票で当選したパウル・フォン・ヒンデンブルクが大統領に就任したため、大統領代行の職務を離れた。

1926年にはライプツィヒ大学の国際法名誉教授となり、同年にドイツ国際法協会会長に就任した。11月には「ドイツ司法の危機」と題した声明を発表し、右派勢力を抑圧するドイツ社会民主党ドイツ民主党を「ドイツ国家の信頼性の危機」と批判した。また、フーゴ・ジンツハイマー(ドイツ語版)、ロベルト・ケンプナー(ドイツ語版)、フリッツ・バウアー(ドイツ語版)、エルンスト・フレンケル(ドイツ語版)など共和国裁判官協会(ドイツ語版)に所属する裁判官が社会民主党員として階級闘争優先の判決を出していることを批判した。ジモンスの批判に対し、司法大臣グスタフ・ラートブルフは「下からの社会民主主義的階級闘争よりも有害な、上からの階級闘争」と述べている[4]。このため、ジモンスは左派勢力の反感を買い、社会民主党支持者から襲撃された。

1928年にドイツ国営鉄道の取締役員任命を巡りヒンデンブルク、首相ヘルマン・ミュラーと対立した。また、政府による司法の干渉に反発し、翌1929年にライヒ裁判所長官を辞任した[1]
晩年ライヒ裁判所長官ジモンス

ジモンスはルーテル教会での活動を通して福音主義協議会議長(1925年-1936年)や福音教会委員長(1930年)などを歴任し、ルーテル派に強い影響力を持っていた。また、1920年にはベルリン政治大学を創設し、1929年から1930年にかけてライプチヒ大学の国内法・国際法教授を務めた[1]。1930年にはヨハン・ゼバスティアン・バッハを顕彰するノイエ・バッハ協会会長に就任した。

1933年にナチ党の権力掌握が行われて以降はノイエ・バッハ協会とルーテル教会の活動を通して政治にアプローチし、1935年にはバッハ生誕250周年の記念声明の中で、ナチ党やアビシニア危機(英語版)に直面するファシスト党ファランヘ党に対して外交政策の支援を述べている[1]

1937年7月14日にポツダムで死去し、遺体はヴィルマースドルファー・ヴァルトフリートホーフ・シュターンスドルフ(ドイツ語版)に埋葬された。息子には政治学者のハンス・ジモンス(ドイツ語版)がおり、娘の一人はナチス・ドイツで憲法学の指導者となったエルンスト・ルドルフ・フーバーと結婚し、孫には神学者のヴォルフガング・フーバーがいる。
出典^ a b c d e f g h i j k l m “ ⇒Biografie Walter Simons (German)”. Bayerische Nationalbibliothek. 2015年1月26日閲覧。
^ Moritz Julius Bonn: So macht man Geschichte. Bilanz eines Lebens. List, Munchen 1953, S. 247.
^ Eberhard von Vietsch: Wilhelm Solf - Botschafter zwischen den Zeiten
^ Daniel Siemens: Die ≫Vertrauenskrise der Justiz≪ in der Weimarer Republik, S. 154. In: Die ≫Krise≪ der Weimarer Republik, hg. v. M. Follner u. R. Graf, Frankfurt/M. 2005 (Campus); Benjamin Lahusen: Aus Juristen Demokraten machen. In: Die Zeit 5. November 2009

参考文献

ホルスト・グリュンダー
(ドイツ語版): Walter Simons als Staatsmann, Jurist und Kirchenpolitiker. Schmidt, Neustadt an der Aisch 1975 (= Bergische Forschungen, 13).

エルンスト・ルドルフ・フーバー: Walter Simons 1861?1937. In: Wuppertaler Biographien. 9. Folge, Wuppertal 1970 (= Beitrage zur Geschichte und Heimatkunde des Wuppertals, 17), S. 61?79.

Martin Otto: Simons, Walter. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 24, Duncker & Humblot, Berlin 2010, ISBN 978-3-428-11205-0, S. 441?443 ( ⇒電子テキスト版).

公職
先代
ハンス・ルター
大統領代行・首相 大統領
代行:1925年次代
パウル・フォン・ヒンデンブルク
先代
ハインリヒ・デルブリュク(ドイツ語版) ライヒ裁判所長官
第6代:1922年 - 1929年次代
エルヴィン・ブムケ
先代
アドルフ・ケスター(ドイツ語版) 外務大臣
第4代:1920年 - 1921年次代
フリードリヒ・ローゼン

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