ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
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登場時、上部にあるコアらしきものはデコイ(囮)であり[8]、真のコアは下部の球体内部にある。足先で海水を凍らせてその上を歩行する[8]。無数の触手を伸ばしてエヴァ2号機に攻撃をかけるが全てかいくぐられる。デコイ(囮)のコアを破壊されると一度身体が崩れるが、すぐに復活。しかし球体内部にある真のコアを蹴り砕かれて形象崩壊した。テレビ版第八話の原画が紛失していたためシナリオごと新たに製作された[14]。デザインはコヤマシゲトと小松田大全による[14]
第8の使徒
空から落下してくる使徒[14]。その点ではテレビ版の第10使徒(サハクィエル)と同じであるが、A.T.フィールドが光すら歪めるほど強力であり、「目のような模様が蠢く黒い球体」にしか見えない。テレビ版のような試射(落下位置確認)を行うこともなく、正確に第3新東京市へと落下、途中でA.T.フィールドによる落下軌道変更も行う。落下直前には球体状の身体を展開、テレビ版の第12使徒(レリエル)のような姿(ただし虹色と黒の縞模様)へと変形。その後、赤い炎を噴出しながらテレビ版第10使徒のような形へ変形する。(色はそのまま)その大きさは全長数キロ[8]にもなった。上面には無数の人型があり、手を繋いで波打つように踊るほか、ラッパを吹く天使状のものもみられる。初号機に受け止められた際には、中からヒト型(上半身状)の本体が現れ、初号機の両掌を突き刺して攻撃。コアを高速で動かすことで2号機のナイフ攻撃をかわすが、零号機がコアを鷲掴みにし、2号機が2本のナイフを突き刺し、さらに膝蹴りを食らわせてコアを破壊した。デザインは全体を前田真宏が、ヒト型の部分を本田雄が担当した[14]
第9の使徒
エヴァ3号機に寄生していた使徒。基本的な性質はテレビ版第13使徒(バルディエル)と変わらないが、粘菌状ではなくコアがエントリープラグを侵食して一体化しており、寄生された部位が青黒く光るようになる。また、3号機の肩から新たに1対の腕を生やし、その腕によって初号機の首を絞め、その組織を浸食。使徒が活動を始めた際には、エントリープラグ内のアスカがエヴァ側へと引き込まれている。ダミーシステムへと切り替えられた初号機によって3号機は破壊され、エントリープラグに付着していたコアは、プラグごと噛み砕かれた。
第10の使徒
顔はテレビ版の第14使徒(ゼルエル)に似通っているが、胴体は小さく、包帯のような布状の腕を無数に持っている。冬月に「最強の拒絶タイプ」と呼称された通り、放つ光線もA.T.フィールドもそれまでの使徒とは桁違いの力をもつ。布状の腕は瞬間的に伸縮可能で、攻撃にも用いる。コアを肋骨[15]で防御することで、A.T.フィールドを全て突破されたうえでのN2誘導弾の直撃にも無傷で耐えられる。テレビ版の第14使徒は初号機に捕食されるという結末を迎えるが、本作品では逆に零号機を捕食し融合、レベルEEEへの使徒侵入に備えたNERV本部の自爆システムを封殺する。しかし初号機によってコアから零号機のコア[8]を引きずり出されて形象崩壊した。デザインは、テレビ版第14使徒を担当したあさりよしとお自身が本作品のためにリファインしている。また、この使徒との戦いは、テレビ版第弐拾参話の第16使徒・アルミサエル戦の内容を加味している(使徒がレイと同化する場面など)。
セカンドインパクト詳細は「セカンドインパクト」を参照

本作品の世界において、15年前に起きた地球規模の大災害。その傷跡として、地球に巨大なクレーター状の穴が存在している描写がある。爆心地付近には4本の十字架状の物体が存在していることが軌道上から確認できる。海の色も赤に染まっているが、これを科学技術により本来の青色に戻そうという試みが、海洋生態系保存研究機構で行われている。加えて、シンジたちセカンドインパクト以後に生まれた世代が、海が本来青いことや潮の匂いや海洋生物について、「知識」でしか知らない、知識に乏しいという描写がなされた。

ミサトが遭遇したセカンドインパクト当時の描写では、4体の光の巨人(コアらしき球体や頭部に光の輪をもつ)と黒い球体と4本の槍(旧世紀版の「ロンギヌスの槍」と同じ形状)が描写されている。月面にある血痕は、セカンドインパクト発生時に南極点から噴出した血糊が付着した物であることが全記録全集付属絵コンテ(欠番カットナンバー402I改)で明らかになっている。
製作
旧作からの変化

本作品は、『新世紀エヴァンゲリオン』テレビシリーズの第八話「アスカ、来日」から第拾九話「男の戰い」までを描くものとして制作が開始された[16]。しかし、前作『序』がテレビシリーズ第壱話から第六話までのストーリーをほぼ踏襲していたのに対し、本作品ではテレビシリーズや旧劇場版には登場しない新たな登場人物、エヴァンゲリオンや使徒が登場。さらには新たな謎も加わり、『新劇場版』独自のストーリーを展開していく。本作品のストーリーも、当初はただの「総集編」[17]で、監督の鶴巻和哉によれば「別に言うほど『破』じゃない」[18]ものであったが、前作『序』が公開(2007年9月)された後に、総監督庵野秀明の意向によりシナリオが見直され[18]、当初は「声も出さなくていいというくらい」であった、新キャラクターの真希波・マリ・イラストリアスの出番が増えるなどの変更がなされた[18]。また、アスカとレイがNERV本部内のエレベーターで乗り合わせる場面(ただし会話の内容などはテレビシリーズと異なる)など、第弐拾話以降のエピソードも取り入れられた形となっている。

作画に関しても、『序』では大半がテレビシリーズから原画やタイムシートなどの素材を使用していたのに対し、本作品ではほぼ全編にわたって新規に描き下ろされている。そのため、『序』では「リビルド」を強調していたのに対し、本作品ではあまり使われていない。これは、『序』制作時に、実質的な新作にもかかわらずテレビ版の再現に拘り過ぎたという反省から、素材の流用を念頭に置いた当初の脚本を見直し、新作として制作し直されたためである[19]

庵野は、自身がこれまで作り上げてきたエヴァの世界を自分では破壊しきれないとして[20]、『破』というサブタイトルを象徴する[21]新キャラクター・マリを演じる坂本真綾との打ち合わせの際も、マリに関するより詳しいディレクションは監督の鶴巻に任せている[20]


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