ワンダーウーマン
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シルバーエイジの間、作家のロバート・カニアーの下で他のキャラクターと共にワンダーウーマンの誕生が改訂された[43]。新しい誕生の話ではヘレニズム的かつ神話的ルーツが強化されており、ダイアナはベビーベッドに寝ている間に神々から天恵を受け、「アプロディーテーのように美しく、アテーナーのように賢く、ヘーラクレースのように強く、ヘルメースのように素早くなる宿命にある[44]」とされた。

1960年代の終わりごろ、マイク・セコースキーの構想により、ワンダーウーマンは別の次元へ移住するアマゾン族の仲間に同行せず男の世界に留まることを選び、そのために自らのスーパーパワーを放棄した。ワンダーウーマンは別名のダイアナ・プリンスを使い始め、モッズのブティックを開いた。彼女はアイ・チング という中国人の師と出会い、武道と武器のスキルを学んだ。これらの戦闘能力をスーパーパワーの代わりに使うことで、ダイアナはスパイ行為から神話的なものまで、さまざまなジャンルにわたる冒険に加わった[45][46]。この時期のストーリーは英国のスパイ・スリラー『おしゃれ(秘)探偵』とダイアナ・リグによるエマ・ピールの演技から直接的な影響を受けていた[47]
ブロンズエイジ

1970年代始め、ワンダーウーマンはジャスティス・リーグ・オブ・アメリカに再加入してスーパーヒーローとしてのルーツに戻った。タイトルロールをつとめる『ワンダーウーマン』シリーズではこの時期に第二次世界大戦の時代が描かれた[48]。しかしこれは結局、第二次世界大戦時代を舞台にした当時のテレビシリーズ『ワンダーウーマン』の人気のせいであり、ひとたびテレビ番組が1970年代に戻ると、コミックの時間軸も同じく70年代に戻された。

1980年代の到来とともに、DCの社長ジェネット・カーンはワンダーウーマンの容姿を改革するよう指示を出した。DCが1977年に採用した「銃弾型」ロゴのデザイナーでもあるアーティストのミルトン・グレイサーは、「WW」の文字を図案化したエンブレムを制作した。そのデザインは、元のコスチュームのコルセットに付けられていた鷹の意匠を基にしたもので、1982年から鷹の代わりに用いられるようになった[49]。このエンブレムはまた、スタジオのレタラーであるトッド・クラインによって毎月のタイトルロゴに組み込まれ、グレイサーのスタジオの別のバージョンへと変わるまで、1年半にわたって用いられた[50]。このタイトルの売り上げは1985年までに下がり続け、未刊行に終わったものの、改革版を求める動きもあった。しかし同シリーズは打ち切られ、ゲリー・コンウェイの脚本によってスティーヴ・トレバーとワンダーウーマンの結婚が描かれた329号(1986年2月)が最終号となった。

1986年に行われた『クライシス・オン・インフィニット・アース』のクロスオーバーでは、これまでより緻密に設定された単一の世界にDCキャラクターの大半を集め、新たな時代に向けて再創造するという全体構想のもとで脚本が作られた。同作では、この時点までに描かれたワンダーウーマンとスティーヴ・トレバーはアース2と呼ばれる別次元の住人であったことが正式に設定され、2人が行った全ての事績とともに歴史から抹消された。これにより、その後に新しく作られるワンダーウーマンのキャラクターやストーリー、タイムラインが正史とみなせるようになった。
モダンエイジ

1985年の『クライシス・オン・インフィニット・アース』シリーズに続いて、ジョージ・ペレス、レン・ウェイン、グレッグ・ポッターが、ワンダーウーマンの誕生の物語を書き直した。その中でワンダーウーマンは、外の世界に平和をもたらす任務を任されたセミスキラからパトリアークス・ワールド(家父長制世界)への密使であり大使として描かれた。ペレスはギリシャ神話から様々な神やコンセプトをワンダーウーマンの物語や生まれに組み込んだ。彼はダイアナが粘土から生まれたという広く認められていた誕生を発展させ、この解釈が現代のワンダーウーマンの物語の基礎となった。この再創造は批評的かつ商業的に成功した[51]

2010年8月(600号)で、J・マイケル・ストラジンスキーがシリーズの執筆責任を追うようになり、ワンダーウーマンを神によって作られた別の時間軸に登場させた。この時間軸では、パラダイス島は破壊され、アマゾン族は世界中に散り散りになっており[52]、ダイアナ自身は孤児としてニューヨークで育った。世界中がワンダーウーマンの存在を忘れている中で、自身でもはっきりと覚えていない現実を取り戻そうするダイアナの試みがストーリーの中心となる。ザ・モリガンと呼ばれる三人組の女神たちがワンダーウーマンの主な敵を演じた[53][54]。このシリーズでワンダーウーマンはジム・リーによってデザインされた新たなコスチュームを身に付けた[55]。ストラジンスキーはワンダーウーマン605号までライターを務めた。後任ライターのフィル・ヘスターがストラジンスキーのプロットを引き継ぎ、ワンダーウーマン614号で完結させた[56]

2011年にDCコミックスは新たな世代の読者を引きつけるため、すべての出版シリーズを再スタートさせた。『ワンダーウーマン』のタイトルも第4巻に移行した。ブライアン・アザレロとクリフ・チアンがそれぞれ原作と作画の仕事に割り当てられ、キャラクターの歴史を大幅に改革した。このとき新しく設定された世界では、ワンダーウーマンはマーストンのオリジナルのコスチュームと似ているコスチュームを身に付け、剣と盾を使うようになり、全く新しい誕生物語を割り振られた。もはや神の魔法で命を吹き込まれた粘土の人形ではなく、その代わりに半神で、ヒッポリタとゼウスの間に生まれた娘とされた。アザレロとチアンのキャラクターの改革は批評で称賛されたが、キャラクターを長く支持してきたファンたちの間で大きな対立を生んだ[57][58][59][60]

『ハーレイの小さな黒い本』で描かれたサイドストーリーで、ワンダーウーマンはロンドンでハーレイ・クインに出会い、短期間チームを組んだ。その間に、ハーレイは何年もにわたってワンダーウーマンの大ファンであり、少々夢中になっていたことが明かされる。悪党との戦いの後、ワンダーウーマンとハーレイの2人は地元のバーに入る。そこでハーレイは英国のスーパーチームに加わろうと提案し、さらに魔法の投げ縄を盗んだが、これは他のお客と「真実か挑戦か」ゲームができるよう自分の体に巻き付けるのが目的なだけであった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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