ワンダーウーマン
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この規定により、男性が「服従のブレスレット」を鎖でつなぎあわせるとアマゾン族のスーパーパワーを奪うことができる[37][38][39] 。しかし、どの一作でもこのマーストンの設定の全体像は明瞭に説明されておらず、作家たちやファンの間で何年もの間混乱を招いた。
ゴールデンエイジ

初登場時のワンダーウーマンは、スティーヴ・トレバー(アメリカ合衆国諜報部員で、飛行機がアマゾンの孤島の祖国に墜落した)を「男の世界」へ帰し、犯罪とナチスの悪と戦う権利を勝ち取ったアマゾン族の戦士であった[40]

この時代ワンダーウーマンは、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカにチームの秘書として参加した[41][42]
シルバーエイジ

シルバーエイジの間、作家のロバート・カニアーの下で他のキャラクターと共にワンダーウーマンの誕生が改訂された[43]。新しい誕生の話ではヘレニズム的かつ神話的ルーツが強化されており、ダイアナはベビーベッドに寝ている間に神々から天恵を受け、「アプロディーテーのように美しく、アテーナーのように賢く、ヘーラクレースのように強く、ヘルメースのように素早くなる宿命にある[44]」とされた。

1960年代の終わりごろ、マイク・セコースキーの構想により、ワンダーウーマンは別の次元へ移住するアマゾン族の仲間に同行せず男の世界に留まることを選び、そのために自らのスーパーパワーを放棄した。ワンダーウーマンは別名のダイアナ・プリンスを使い始め、モッズのブティックを開いた。彼女はアイ・チング という中国人の師と出会い、武道と武器のスキルを学んだ。これらの戦闘能力をスーパーパワーの代わりに使うことで、ダイアナはスパイ行為から神話的なものまで、さまざまなジャンルにわたる冒険に加わった[45][46]。この時期のストーリーは英国のスパイ・スリラー『おしゃれ(秘)探偵』とダイアナ・リグによるエマ・ピールの演技から直接的な影響を受けていた[47]
ブロンズエイジ

1970年代始め、ワンダーウーマンはジャスティス・リーグ・オブ・アメリカに再加入してスーパーヒーローとしてのルーツに戻った。タイトルロールをつとめる『ワンダーウーマン』シリーズではこの時期に第二次世界大戦の時代が描かれた[48]。しかしこれは結局、第二次世界大戦時代を舞台にした当時のテレビシリーズ『ワンダーウーマン』の人気のせいであり、ひとたびテレビ番組が1970年代に戻ると、コミックの時間軸も同じく70年代に戻された。

1980年代の到来とともに、DCの社長ジェネット・カーンはワンダーウーマンの容姿を改革するよう指示を出した。DCが1977年に採用した「銃弾型」ロゴのデザイナーでもあるアーティストのミルトン・グレイサーは、「WW」の文字を図案化したエンブレムを制作した。そのデザインは、元のコスチュームのコルセットに付けられていた鷹の意匠を基にしたもので、1982年から鷹の代わりに用いられるようになった[49]。このエンブレムはまた、スタジオのレタラーであるトッド・クラインによって毎月のタイトルロゴに組み込まれ、グレイサーのスタジオの別のバージョンへと変わるまで、1年半にわたって用いられた[50]。このタイトルの売り上げは1985年までに下がり続け、未刊行に終わったものの、改革版を求める動きもあった。しかし同シリーズは打ち切られ、ゲリー・コンウェイの脚本によってスティーヴ・トレバーとワンダーウーマンの結婚が描かれた329号(1986年2月)が最終号となった。

1986年に行われた『クライシス・オン・インフィニット・アース』のクロスオーバーでは、これまでより緻密に設定された単一の世界にDCキャラクターの大半を集め、新たな時代に向けて再創造するという全体構想のもとで脚本が作られた。同作では、この時点までに描かれたワンダーウーマンとスティーヴ・トレバーはアース2と呼ばれる別次元の住人であったことが正式に設定され、2人が行った全ての事績とともに歴史から抹消された。これにより、その後に新しく作られるワンダーウーマンのキャラクターやストーリー、タイムラインが正史とみなせるようになった。
モダンエイジ

1985年の『クライシス・オン・インフィニット・アース』シリーズに続いて、ジョージ・ペレス、レン・ウェイン、グレッグ・ポッターが、ワンダーウーマンの誕生の物語を書き直した。その中でワンダーウーマンは、外の世界に平和をもたらす任務を任されたセミスキラからパトリアークス・ワールド(家父長制世界)への密使であり大使として描かれた。ペレスはギリシャ神話から様々な神やコンセプトをワンダーウーマンの物語や生まれに組み込んだ。彼はダイアナが粘土から生まれたという広く認められていた誕生を発展させ、この解釈が現代のワンダーウーマンの物語の基礎となった。この再創造は批評的かつ商業的に成功した[51]

2010年8月(600号)で、J・マイケル・ストラジンスキーがシリーズの執筆責任を追うようになり、ワンダーウーマンを神によって作られた別の時間軸に登場させた。この時間軸では、パラダイス島は破壊され、アマゾン族は世界中に散り散りになっており[52]、ダイアナ自身は孤児としてニューヨークで育った。世界中がワンダーウーマンの存在を忘れている中で、自身でもはっきりと覚えていない現実を取り戻そうするダイアナの試みがストーリーの中心となる。ザ・モリガンと呼ばれる三人組の女神たちがワンダーウーマンの主な敵を演じた[53][54]。このシリーズでワンダーウーマンはジム・リーによってデザインされた新たなコスチュームを身に付けた[55]。ストラジンスキーはワンダーウーマン605号までライターを務めた。後任ライターのフィル・ヘスターがストラジンスキーのプロットを引き継ぎ、ワンダーウーマン614号で完結させた[56]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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