ワンダーウーマン
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マーストンは自身とエリザベス、オリーヴのフェミニスト的理想を繋ぎ合わせ、女の子と男の子が尊敬できるスーパーヒーローキャラクターを作り出した[29]

1940年10月25日に行われた雑誌『ファミリーサークル』のインタビューで、ウィリアム・モールトン・マーストンはコミックブック媒体の可能性が十分に発揮されていないと論じた[30]。この記事はコミック出版業者マックス・ゲインズの関心を引き、彼はマーストンをナショナル・ペリオディカルズやオールアメリカン出版社の教育コンサルタントとして雇った。これらはDCコミックスの前身となった会社のうちの二社である[31]。その当時、マーストンは新しいスーパーヒーローを作り出したいと思っており、妻のエリザベスはそれは女性であるべきだと提案した[32].mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}すでにポリグラフの発明で有名である心理学者ウィリアム・モールトン・マーストンは、こぶしや火器でなく愛で打ち勝つ、新しいスーパーヒーローのアイデアを思いついた。「いいと思うけど」とエリザベスは言った。「でも彼女を女性にして」。

マーストンはこのアイデアをゲインズに紹介し、企画を進めていいという正式な指示を受けて『ワンダーウーマン』を生み出した。マーストンはヒロインがこの時代のしきたりにとらわれない、自由な女性のモデルになると信じていた。マーストンはさらに、夫妻とポリアモリーな関係を築き一緒に暮らしていたオリーヴ・バーンが身に付けていたものからインスピレーションを得て、ワンダーウーマンにブレスレットを付けさせた[33]。ワンダーウーマンはマーストンの脚本による『オールスターコミックス』8号(1941年12月?1942年1月号。1941年10月出版[34])でデビューした。

マーストンは収縮期血圧の測定装置の創案者である。この装置はポリグラフ嘘発見器)の発展に重要な役割を果たした。マーストンはポリグラフ検査を通じて、女性は特定の場面で男性より誠実であり、効率的に働くことが出来るという確信を抱いた[35]

マーストンはワンダーウーマンを、理想の愛のリーダーという、社会を動かすべき(と自らが信じる)女性像の寓意として構想した。マーストンは「率直に言ってワンダーウーマンとは心理学的プロパガンダであって、私の信念においてこの世界の支配者となるべきだと思われる、新しい女性像を広めるものである。」と書いた[7]。1943年に『アメリカンスカラー』の記事で、マーストンは女の子のために「スーパーマンの力を持ち、善良で美しい女性の魅力を持つキャラクター[36]」を作りたかったと述べている。

マーストンはBDSMにおける支配と服従を「尊敬すべき高貴な習わし」と明言する。マーストンは「アプロディーテの法律」と名付けた架空の規定を作った。この規定により、男性が「服従のブレスレット」を鎖でつなぎあわせるとアマゾン族のスーパーパワーを奪うことができる[37][38][39] 。しかし、どの一作でもこのマーストンの設定の全体像は明瞭に説明されておらず、作家たちやファンの間で何年もの間混乱を招いた。
ゴールデンエイジ

初登場時のワンダーウーマンは、スティーヴ・トレバー(アメリカ合衆国諜報部員で、飛行機がアマゾンの孤島の祖国に墜落した)を「男の世界」へ帰し、犯罪とナチスの悪と戦う権利を勝ち取ったアマゾン族の戦士であった[40]

この時代ワンダーウーマンは、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカにチームの秘書として参加した[41][42]
シルバーエイジ

シルバーエイジの間、作家のロバート・カニアーの下で他のキャラクターと共にワンダーウーマンの誕生が改訂された[43]。新しい誕生の話ではヘレニズム的かつ神話的ルーツが強化されており、ダイアナはベビーベッドに寝ている間に神々から天恵を受け、「アプロディーテーのように美しく、アテーナーのように賢く、ヘーラクレースのように強く、ヘルメースのように素早くなる宿命にある[44]」とされた。

1960年代の終わりごろ、マイク・セコースキーの構想により、ワンダーウーマンは別の次元へ移住するアマゾン族の仲間に同行せず男の世界に留まることを選び、そのために自らのスーパーパワーを放棄した。ワンダーウーマンは別名のダイアナ・プリンスを使い始め、モッズのブティックを開いた。彼女はアイ・チング という中国人の師と出会い、武道と武器のスキルを学んだ。これらの戦闘能力をスーパーパワーの代わりに使うことで、ダイアナはスパイ行為から神話的なものまで、さまざまなジャンルにわたる冒険に加わった[45][46]。この時期のストーリーは英国のスパイ・スリラー『おしゃれ(秘)探偵』とダイアナ・リグによるエマ・ピールの演技から直接的な影響を受けていた[47]
ブロンズエイジ

1970年代始め、ワンダーウーマンはジャスティス・リーグ・オブ・アメリカに再加入してスーパーヒーローとしてのルーツに戻った。タイトルロールをつとめる『ワンダーウーマン』シリーズではこの時期に第二次世界大戦の時代が描かれた[48]。しかしこれは結局、第二次世界大戦時代を舞台にした当時のテレビシリーズ『ワンダーウーマン』の人気のせいであり、ひとたびテレビ番組が1970年代に戻ると、コミックの時間軸も同じく70年代に戻された。

1980年代の到来とともに、DCの社長ジェネット・カーンはワンダーウーマンの容姿を改革するよう指示を出した。


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