現生種は、主に魚類・甲殻類・貝類といった水棲生物や、水場に現れた爬虫類・哺乳類などを捕食する(上述のように絶滅種まで含めると、非常に多様性に富んだ分類群で、この食性に当てはまらない種も相当数ある)。
非常に高い咬合力(いわゆる“噛む力”)をもち、牛の大腿骨すら、いとも簡単に噛み砕いてしまう力がある。以下に咬合力の比較を示す。
アメリカワニ - 最大で2,125 lbf (9.45 kN)[8]
イリエワニ ‐3,700psi[9]。3,689 lbf (16.41 kN)[8]
ナイルワニ ‐5,000psiで、BBC Science Focusでは現存する生物で一番噛む力が強いとしている[9]。
絶滅したデイノスクスは23,000 lbf (100 kN)と推定された[10]。
この強靭な顎で獲物を咥え、体ごと回転させるデスロールといわれる仕留め方がある。噛み千切った後は、咀嚼せずに丸のみにする。胃の中には食物をすり潰して消化の助けとする胃石がある[11]。この胃石は、「石を食べる」習性によって体に取り込まれ砂嚢の中に蓄えられる。この石は水中で浮力を調整する機能ももつ[12]。
ちなみに、絶滅した種の中には、雑食であったり、完全に草食だったワニもいる[13]。
消化できない骨などは、口からペリットとして吐き出される[14][15]。
また代謝率が低いため、長期間餌が無くても脂肪を代謝しながら長期間生きられる[16]。
大型のナイルワニやイリエワニは頂点捕食者であり、成体となれば殆ど天敵はいないが、小型のオーストラリアワニやメガネカイマンは他の大型肉食動物(ジャガーやニシキヘビ)に襲われることがある[17]。
陸上で日光浴をしているときは、体温調節のために口を大きく開けていることが多い。ヒトが捕まえる場合、後ろ側から近づき背中の上に跨いで口にロープを掛ければ、閉じる力は大きいが開く力はそれほどでもないので無力化することが出来る。
臓器ワニの心臓の概略図.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}X線撮影検査によるアメリカアリゲーターの呼吸の様子。
循環器
心臓は複雑な形状となっており、潜水時には肺動脈・肺静脈への弁が閉じられ全身への血管が開けられ、空気が吸える状態では肺動脈・肺静脈への弁が開けられ全身への血管が開けられる。また、右心室と左心室から出る動脈はパニッツァ孔(英語版
陸上では鈍重なイメージがあるが、短距離ならばヒトを凌ぐ18 km/h (11 mph)程度で走る事もできる[25]。その走り方はギャロップ走法(英語版)で、これは現生だと哺乳類にしか見られないが、非常に効率的な走法である。これが可能なのは、ワニの脊椎が横方向だけでなく、縦方向にも非常に柔軟であることが関係しており、今は絶滅した陸棲主竜類(エリスロスクスなど)の運動能力を探る手がかりの一つである[26]。 水中移動
水中での行動
岸辺に近づく動物を待ち構えていることが多い。大型の動物を捕獲した時には獲物をデスロールと呼ばれる体の芯を中心とする回転運動を行いながら、拘束して水中に引きずり込み溺死させる[28][29]。
イリエワニは最速で29km/hで水中移動するが、そこまでの速度を出すのは珍しい[30]。アメリカワニは32 km/h (20 mph)で泳ぐことが可能である[11]。 目の瞳孔は縦に細長い、輝板が備わっており、暗所でも目視が可能である。眼瞼(まぶた)も持つが、水中では瞬膜という薄い瞼が閉じて、目を保護すると同時に水中で物を見やすくする[31][32]。目が乾燥すると、涙が分泌され乾燥から保護する(俗にいう、ワニの涙である)。 目の後ろ側には、わかりにくいが耳がある[33]。筋肉で動かすことができるフラップ状に発達した耳殻(耳介)があり、水中では耳殻を閉じて耳道に水が浸入しないようになっている[34]。可聴域は、100-6000hzであるが、水中では聴覚より頭蓋への振動で音を感知している[34]。聴覚による音源の特定能力があり、両耳の間の管によって両耳の音を感知するズレから音源を特定しているとされる[34]。また、内耳には優れた平衡感覚をつかさどる器官があるほか、磁場も感知している可能性が示唆されている[34]。 嗅覚は、鋤鼻器がほとんど失われており、鼻腔以外で匂いは感知できないが、100m先の死骸やフェロモンは敏感に察知できる[35]。 繁殖期のオスはメスを誘うために大きな鳴き声を挙げ、幼体は危険を感じると独特の鳴き声でメスを呼ぶなど、個体間のコミュニケーションが発達しており、爬虫類の中で最も社会性があると言われている。メスは産卵のために巣を作り、卵が孵化するまで保護したり、孵化直後の幼体を保護したりする種類もある。こうした子育ての習性は、ワニ類が度重なる気候変動を生き延びた要因の一つになっている[36]。また、トカゲやヘビのような有鱗目の交尾に用いられる雄性生殖器が1対の半陰茎であるのに対し、ワニでは対を成さない1本の陰茎である。 様々な爬虫類で見られるように、ワニでも胚の発生時の環境温度によって性別が分化し、特定の温度帯以外では片方の性に偏ってしまうという性決定様式を持っている。そのため地球温暖化の影響で性別のバランスが崩れることが懸念されている。 例として、ミシシッピーワニは、33-34℃前後で孵化すると全て雄に、30℃や35℃付近ではほとんど雌となり、その決定は温度センサータンパク質TRPV4
感覚器
繁殖