ワニ
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この石は水中で浮力を調整する機能ももつ[12]

ちなみに、絶滅した種の中には、雑食であったり、完全に草食だったワニもいる[13]

消化できない骨などは、口からペリットとして吐き出される[14][15]

また代謝率が低いため、長期間餌が無くても脂肪を代謝しながら長期間生きられる[16]

大型のナイルワニイリエワニ頂点捕食者であり、成体となれば殆ど天敵はいないが、小型のオーストラリアワニメガネカイマンは他の大型肉食動物(ジャガーニシキヘビ)に襲われることがある[17]

陸上で日光浴をしているときは、体温調節のために口を大きく開けていることが多い。ヒトが捕まえる場合、後ろ側から近づき背中の上に跨いで口にロープを掛ければ、閉じる力は大きいが開く力はそれほどでもないので無力化することが出来る。
臓器ワニの心臓の概略図.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}X線撮影検査によるアメリカアリゲーターの呼吸の様子。
循環器
心臓は複雑な形状となっており、潜水時には肺動脈・肺静脈への弁が閉じられ全身への血管が開けられ、空気が吸える状態では肺動脈・肺静脈への弁が開けられ全身への血管が開けられる。また、右心室と左心室から出る動脈はパニッツァ孔
(英語版)と呼ばれるバイパスでつながれている[18]。筋肉は空気を貯めておくミオグロビンがほとんどないため、体内の酸素はすべてヘモグロビンで賄うことになる。ワニのヘモグロビンは、水素イオンとともに炭酸水素イオンが結合する部分も持ち合わせており、動脈血二酸化炭素(PaCO2)が増えて炭酸水素イオンが増加すると、ヘモグロビンの酸素親和性が大幅に低下し、ヘモグロビンから多くの酸素が乖離してワニの全身へ供給できるようになっている[19][20]。また、水中では心拍数が低下する(潜水反射(英語版))。
呼吸器
水中では、喉の奥の velum palati と gular fold が閉じることで水の誤飲を防ぐ[21]。水中では鼻孔も閉じるようになっている[22][21]。鳥のような一方方向への空気の流れを使う気嚢に似たシステムをワニも持つ[23]
身体能力お腹を地面につけずに闊歩するワニオーストラリア北部ダーウィン近郊のアデレード川(英語版)で餌を吊り下げてイリエワニを水面からジャンプさせた様子[24]

陸上では鈍重なイメージがあるが、短距離ならばヒトを凌ぐ18 km/h (11 mph)程度で走る事もできる[25]。その走り方はギャロップ走法(英語版)で、これは現生だと哺乳類にしか見られないが、非常に効率的な走法である。これが可能なのは、ワニの脊椎が横方向だけでなく、縦方向にも非常に柔軟であることが関係しており、今は絶滅した陸棲主竜類(エリスロスクスなど)の運動能力を探る手がかりの一つである[26]
水中での行動

水中移動(英語版)を行うことが可能で、推進力として尾を左右に振り、水の抵抗となる手足を体に密着させて移動する[27]。水面近くで、目を水上に上げて周囲を見渡し、静かに移動する[28]。水中に潜れる時間は最長で1時間ほどである[28]。尾の力を利用して水面上に垂直に後ろ足を水面に出すまで飛び上がることもできる。

岸辺に近づく動物を待ち構えていることが多い。大型の動物を捕獲した時には獲物をデスロールと呼ばれる体の芯を中心とする回転運動を行いながら、拘束して水中に引きずり込み溺死させる[28][29]

イリエワニは最速で29km/hで水中移動するが、そこまでの速度を出すのは珍しい[30]。アメリカワニは32 km/h (20 mph)で泳ぐことが可能である[11]
感覚器

目の瞳孔は縦に細長い、輝板が備わっており、暗所でも目視が可能である。眼瞼(まぶた)も持つが、水中では瞬膜という薄い瞼が閉じて、目を保護すると同時に水中で物を見やすくする[31][32]。目が乾燥すると、が分泌され乾燥から保護する(俗にいう、ワニの涙である)。

目の後ろ側には、わかりにくいが耳がある[33]。筋肉で動かすことができるフラップ状に発達した耳殻(耳介)があり、水中では耳殻を閉じて耳道に水が浸入しないようになっている[34]。可聴域は、100-6000hzであるが、水中では聴覚より頭蓋への振動で音を感知している[34]。聴覚による音源の特定能力があり、両耳の間の管によって両耳の音を感知するズレから音源を特定しているとされる[34]。また、内耳には優れた平衡感覚をつかさどる器官があるほか、磁場も感知している可能性が示唆されている[34]

嗅覚は、鋤鼻器がほとんど失われており、鼻腔以外で匂いは感知できないが、100m先の死骸やフェロモンは敏感に察知できる[35]
繁殖

繁殖期のオスメスを誘うために大きな鳴き声を挙げ、幼体は危険を感じると独特の鳴き声でメスを呼ぶなど、個体間のコミュニケーションが発達しており、爬虫類の中で最も社会性があると言われている。メスは産卵のために巣を作り、卵が孵化するまで保護したり、孵化直後の幼体を保護したりする種類もある。こうした子育ての習性は、ワニ類が度重なる気候変動を生き延びた要因の一つになっている[36]。また、トカゲヘビのような有鱗目交尾に用いられる雄性生殖器が1対の半陰茎であるのに対し、ワニでは対を成さない1本の陰茎である。

様々な爬虫類で見られるように、ワニでもの発生時の環境温度によって性別が分化し、特定の温度帯以外では片方の性に偏ってしまうという性決定様式を持っている。そのため地球温暖化の影響で性別のバランスが崩れることが懸念されている。

例として、ミシシッピーワニは、33-34℃前後で孵化すると全て雄に、30℃や35℃付近ではほとんど雌となり、その決定は温度センサータンパク質TRPV4(英語版)のイオンチャネルが関与する[37]
知能

一般的に哺乳類や鳥類よりも愚鈍なイメージを持たれがちだが、実際には遥かに高い知能を備えている。例えば取り逃がしやすい鳥類を狙うために、材となりうるを、さながら疑似餌のように使って誘い込む行動が報告されている[38]
生息地ワニの生息域

現生種は熱帯から亜熱帯にかけて23が分布し、淡水域(河川湖沼)および一部の海域(海岸を主とする)に棲息する。水場からあまり離れることはないが、必要に迫られれば多くの種のワニが陸上を高速で移動できるギャロップ走法(英語版)やバウンド走行を行う[25]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}多くは今もなお三畳紀の頃の先祖を思わせる敏捷性を備えている[疑問点ノート]。

イリエワニとアメリカワニは海を移動可能で、浸透圧を調整できる塩類腺を持つものの、長時間の海での活動に適しておらず海性ではない[39]。絶滅した種には、一生を海で過ごす海生ワニも存在した[40]。海生ワニとされるのは、イカノガビアル(英語版)、マキモサウルスダコサウルスなど複数確認される。

また、絶滅しているが水中活動に適さない陸生ワニとしてメコスクスなどがおり、陸上で恐竜が繁栄するにつれて陸生ワニが水辺で活動するように活動範囲を移動させ、水中適応する進化を遂げたと考えられている[41]


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