死菌ワクチンとも呼ばれる。狭義の不活化ワクチンは化学処理などにより死んだウイルス、細菌、リケッチアを使用。取り扱いや効果において同様である抗原部分のみを培養したものを含めて不活化ワクチンと称されることもあり、以下その定義に含められるものを挙げる。生ワクチンより副反応が少なく安全性が高いが、液性免疫しか獲得できずその分免疫の続く期間が短いことがあり、このため複数回接種が必要なものが多い[26](代表例は三種混合ワクチンやインフルエンザワクチン)。免疫不全症の場合でも投与は可能である[23]。
2歳未満の乳幼児では、蛋白成分を含まない抗原(ハプテン)部分だけでは免疫を惹起できない。このため、肺炎球菌ワクチンなど蛋白ではない抗原を用いるワクチンでは、乳幼児に接種するに際しては別の蛋白と抗原を結合させるなどの工夫がされている。
また、インフルエンザワクチンについては、1971年以前の全粒子ワクチン使用による副反応の(死亡あるいは脳に重篤な障害を残す)危険性が大きかったことや、それとは異なる現行の安全性の高いワクチンでも100%発症を抑えることはできないことから、接種を避けるべきとの意見も依然として存在する。
しかしながら、ハイリスク群(高齢者や慢性疾患を持つ人など)の人がインフルエンザに罹患した場合に、肺炎等の重篤な合併症の出現や、入院、死亡などの危険性を軽減する効果が世界的にも広く認められている。これが、国際連合の世界保健機関(WHO)や世界各国が、特にハイリスク群に対するインフルエンザワクチン接種を積極的に薦めている理由である[27]。
インフルエンザワクチン
肺炎球菌ワクチン
Hibワクチン(インフルエンザ桿菌b型ワクチンの略称)
狂犬病ワクチン
コレラワクチン
二種混合ワクチン(DTワクチンジフテリア・破傷風混合。ジフテリア抗原のため10歳以上には1/5量投与。この量だと破傷風の有効量が不足しているため、最大限の効果を得るためには別途破傷風トキソイドをうつか、輸入TdまたはTdapにする必要がある)
三種混合ワクチン(DPTワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風混合)注意事項として上記の生ワクチンの新三種混合ワクチン(MMRワクチン、麻疹・風疹・流行性耳下腺炎混合)とは別種である。
水痘ワクチン(帯状疱疹)
不活化ポリオワクチン(IPV)
四種混合ワクチン(DPT-IPVワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ混合ワクチン)
日本脳炎ワクチン
百日咳ワクチン
肺炎球菌ワクチン(2歳以上、2歳未満の小児用との2種がある)
A型肝炎ウイルスワクチン
B型肝炎ウイルスワクチン(C型肝炎その他は開発中)