ワクチン忌避
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様々な信条や、ワクチンの副反応のリスクと利益を比べて行う「接種しない」という意思決定は尊重されるべきだが、その判断は正確な情報を提供された上で行われなければならず[8][21][22][23]、接種しない場合にはワクチンで予防できる病気の症状や後遺症、死亡のリスクを受け入れることになる[24][25][26]。ワクチン接種には必ず副反応のリスクが伴い、効果は100%ではないが、リスクの評価を行う大原則は、選択肢それぞれのリスクを公平に調べて選ぶことである[24][25]。ワクチンのためらいは、200年以上前にジェンナーが種痘を開発したときから存在するが、メディアやSNSなどの発展で命に関わる危険なデマが広がりやすくなっている[27][28][29][30]

反ワクチン(英語: anti-vaccination)は、ワクチン接種に全面的に反対することを指し、反ワクチン主義者は、anti-vaxxers(アンチバクサー)またはanti-vaxとして知られている[31][32]。反ワクチン主義者は「ワクチン接種はヒトにとって有害である」という考えのもと、社会および個人に対してワクチンの危険性を訴え、他者にワクチン接種をためらわせる[33][34]。主張の内容は概ね「ワクチンを接種するよりも、自然感染したほうがよい」「ワクチン接種によって深刻な副反応(病気や死など)が引き起こされる」「ワクチン接種には効果がない」「政府や製薬会社、医師たちの利権により必要のないワクチンが打たされている」というものである[34][35]。反ワクチン主義者や非主流科学の医師により広められたデマ、陰謀論、誇張された情報は、ワクチンの安全性や有効性に不信感を抱かせ、ワクチンで防ぐことができる危険な病気のワクチン接種率を低下させている[1][36][37][38][39]。COVID-19のパンデミック時、SNSの広告収入などによる反ワクチン活動の収益化が進み、反ワクチンは個々の不安に付け込んだ、経済効果が年間約1250億円の国際的な情報ビジネスに成長した[40][41][16][42][43]
ワクチンの効果麻疹の発症率は、予防接種が導入されると急激に低下した[44]

ワクチンの効果に関する科学的証拠は十分に確立されている[45][46]。 ワクチンによって、世界中で毎年200万から300万の死亡が予防され、推奨されるすべてのワクチンを使用した場合、さらに毎年150万の死亡が予防できる[47]。 ワクチンは、かつてヨーロッパで7人に1人の子どもを殺した天然痘を根絶し [48]ポリオもほぼ根絶された[49]。 子どもの細菌性髄膜炎やその他の重篤な疾患の主な原因であるインフルエンザ菌(Hib)による感染症は、1988年にワクチンが導入されて以来、アメリカでは99%以上減少した[50]。 ある年に生まれたアメリカのすべての子どもに出生から思春期まで完全にワクチンを接種すると、3万3000人の命を救い、1400万の感染を防ぐと推定されている[51]

感染症の減少は、ワクチンではなく衛生環境の改善によるものであるとか、特定のワクチンが導入される前にこれらの病気はすでに減少していたと主張する反ワクチン文献があるが、これらの主張は科学的データに基づいていない[44][52][25]。ワクチンで予防できる病気の発生率は、特定のワクチンが導入されるまでは時間の経過とともに変動する傾向があり、ワクチンの導入と同時に発生率はほぼゼロに低下する[44][53]


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