カイロプラクティック大学のほとんどは科学的エビデンスに沿った方法でワクチン接種に関する教育を行おうとしているが、いくつかの大学では否定的な見解を強調している教授陣がいる[345]。1999 - 2000年のカナディアン・メモリアル・カイロプラクティック・カレッジ(CMCC)の学生に対して行った横断的調査では、公式には反ワクチンの観点からの教育はされていないものの、4年生は1年生よりも強くワクチン接種に反対しており、4年生の29.4%が予防接種に反対していると報告された[347]。2011 - 2012年の同校の学生に対する追跡調査では、ワクチン接種賛成派が優勢であり、学生の支持率は84 - 90%と報告された[348]。研究の著者の1人は、この態度の変化は「当時カレッジに在籍していた、ワクチン接種への反対を唱えるパーマーの主張を支持する一部のカリスマ的学生集団」の影響が失われたためであると指摘する[348]。 アメリカカイロプラクティック協会 代替医療の推進者には、ワクチンの誤情報を流して政府や科学への不信感をあおり、金銭的利益のために健康政策の決定に影響を与える人がいる[78]。彼らは、ワクチンによって引き起こされた「損傷」を治すことができるとして「効果がなく高価な薬品、サプリメント、キレーション療法や高気圧酸素治療などの処置」を販売して利益を得ている[352]。特にホメオパス(ホメオパシーの療法家)は、彼らが「自然な」ワクチン的効果をもつと主張する水薬注射や「ノソード」を売り出すことで利益を得ている[353]。 ワクチンが「安全でない」ことを宣伝することで既得権を得ている別の集団としては、ワクチン供給者に対する集団訴訟を組織する弁護士や法律集団などがある[1][110][314]。 ワクチンデマを広め自分たちのサイトに誘導してアクセス数稼ぎや情報商材を買わせようとする人や[15]、政治的・国際的な戦略から他国のワクチンの評判を下げるために偽情報を流す国がある[354]。世界保健機関(WHO)は、ワクチンの誤報を5つのトピック「病気の脅威(ワクチンで予防できる病気は無害)」「信頼(ワクチンを投与する医療機関の信頼性を疑う)」「代替法(ワクチン接種に代わる代替医療など)」「効果(ワクチンは効かない)」「安全(ワクチンには利点よりもリスクが多い)」に分類している[355]。 NGO「デジタルヘイト対抗センター(CCDH)」によると、12人の主要な反ワクチンインフルエンサーがネットで共有されている誤情報の65%を拡散しており、それによる12人の合計収益は少なくとも年間3600万ドル(約41億円)に及ぶ[15][356][204]。SNS等全体では広告収入などで最大11億ドル(約1250億円)の経済価値があり、反ワクチンは個々の不安に付け込んだ国際的な情報ビジネスとして成長産業になっている[15][16][357]。
政治的立場
金銭的動機
不正確、誇張された情報の拡散
反ワクチンデマを広める12人のインフルエンサー
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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