ワクチン忌避
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これはチメロサールが小児用ワクチンから除去された後も自閉症の発生率が増加し続けていることからも明らかである[32][109]。2000年以降、アメリカの親たちはチメロサールが子どもの自閉症を引き起こしたと主張して、連邦基金からの法的補償を求める訴訟を行ってきたが、2004年のアメリカ医学研究所 (IOM) の委員会は、チメロサール含有ワクチンと自閉症との間にいかなる因果関係も認められないと結論している[110][111][100]
MMRワクチン詳細は「アンドリュー・ウェイクフィールド」を参照

1998年にイギリスの医師アンドリュー・ウェイクフィールドが、MMRワクチン(麻疹、おたふく風邪、風疹の3種混合ワクチン)が原因で自閉症になるという捏造された論文を『ランセット』に発表した[92][112][113]。これをきっかけに反ワクチン運動が活発化し、MMRワクチン接種を拒否する親が急増した[113][97][71]。この論文を受けて、多くの研究グループが検証を行ったが、複数の大規模調査研究メタアナリシスでも、自閉症とMMRワクチンとの間に関連はないことが確かめられた[114][115][116]

その後の調査により、ウェイクフィールドの開示されていない利益相反(薬害訴訟を計画する弁護士から依頼されていた[1][102][117][118]、麻疹単独ワクチンの特許を出願していた等[119][120])や証拠の捏造改ざんなどの複数の不正行為が判明した[121][97][119][121]。2010年、ランセットは調査に基づき論文を撤回し、英国の医事委員会(GMC)はウェイクフィールドの医師免許を剥奪した[122][88][123]。2011年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の付随論説では、ウェイクフィールドの論文は「ワクチン接種率を低下させ、数十万人の子どもを危険にさらし、自閉症の真の原因に関する研究からエネルギーと資金をそらす『手の込んだ詐欺』である」と記述している[124]。その後ウェイクフィールドはアメリカで反ワクチン運動の活動家になり、「医学と政府に立ち向かい圧力に潰された殉教者」として、英雄視されている[1][119]。2016年、ウェイクフィールドはMMRワクチンと自閉症を関連付ける映画を制作し、この映画が上映された国でワクチンの接種率が大きく低下した[120][76]

2009年2月12日、全米ワクチン被害補償プログラム (National Vaccine Injury Compensation Program) に基づく請求を審査するためにアメリカで招集された特別法廷は「チメロサールを含むワクチンが免疫機能障害の原因になること、あるいはMMRワクチンが自閉症もしくは胃腸機能障害の原因になることを証明できなかった」とし、自閉症の子どもの親は、特定のワクチンが彼らの子どもに自閉症を引き起こしたという主張において補償を受ける権利がないとの裁定を下した[125][126]
アルミニウム

ワクチンに含まれるアルミニウムは、アジュバント(補助剤)として免疫反応を増強するために用いられている[127][128][129]。場合によっては、これらの化合物は発赤、痒み、微熱を伴うことがあるが[128]、重篤な有害事象とは関係がない[127][130]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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