ワイドスクリーン
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同様に16:9ワイドサイズの画面にシネマスコープサイズ[注釈 5](2.35:1)の映像を挿入したものもレターボックスと呼ばれる。双方を特に区別する場合は前者(4:3サイズ画面に16:9映像を挿入したもの)を4:3レターボックス(レターボックス表示の4:3サイズフォーマット映像)、後者(16:9ワイドサイズ画面にシネマスコープ映像を挿入したもの)を16:9レターボックス(レターボックス表示の16:9サイズフォーマット映像)と呼び分ける。後者のみを唐突に表現した場合などは、前者と混同してしまう可能性もあり、紛らわしいので注意が必要である。

また、シネマスコープサイズの映像を4:3サイズに挿入したもの(右画像の例)も同様にレターボックスとして分類される。この場合、特に2007年現在で確立された呼称などは確認できていないが、便宜上で「シネマスコープレターボックス」や「レターボックス(シネマスコープサイズ)」などの説明記述が見られる[注釈 6]。技術理論的には「16:9レターボックスを4:3画面サイズに挿入した4:3レターボックス」ということになる。

4:3レターボックスでは、16:9映像の信号を受けてテレビ側が黒枠を付けている場合と最初から映像がレターボックスとして作られている(信号としては4:3映像)場合がある。後者ではワイド画面サイズテレビの機種によってはズーム機能によって16:9に拡大するものもある。
DVD-Videoの画面サイズ

DVD-Videoの場合もテレビと同様にノーマル、ワイド、レターボックスの3種類の画面サイズで映像が収録されており[注釈 7]、ほぼテレビの画面サイズ規格に準拠している。映像信号の出力先テレビがノーマル(4:3画面比率)かワイド(16:9画面比率)かによって出力情報を変化させている。

16:9の映像はテレビと同様に映像信号の伝達路規格が4:3サイズを基準にしているため、記録方式もレターボックス方式かスクイーズ方式で行なわれる場合がほとんどである。なおスクイーズ信号はRCAケーブルS映像ケーブルを使用しないと出力されないためワイドテレビにDVDプレイヤーをつなぎスクイーズ記録されたDVDを視聴する場合はこれらの対応ケーブルの使用が条件になる。
ノーマル

横縦比は4:3。テレビの場合と同様のNTSCの標準画面サイズである。DVDソフトでは【4:3】の表示がついている。4:3テレビの場合そのまま表示され、ワイドテレビの場合はテレビ側の設定によって「ノーマル」(左右を黒枠として中央に4:3画像を映す)、「フル」(4:3画面全体を均等な割合で左右に引き延ばし画面いっぱいに表示する)、「ジャスト」(画面を左右に引き延ばすときに中央部の伸張を少なくし、左右端部の伸縮を多くすることで引き伸ばしによる不自然感が少ない画像に見せる)などが選択できる。

DVDやデジタル放送でのSDTVのアスペクト比の説明に見られる720×480や704×480などの数値はそれのみを見ると4:3(4:3=640×480)にはなっていないが、これはテレビ・PC・DVD記録などで画面全体を構成する一つ一つの点(画素を参照)の縦横比(アスペクト比のピクセルアスペクトを参照)が異なることによる[注釈 8]

例:NTSC-J準拠のSDTVのピクセルアスペクトは横:縦=10:11なので、704×10÷11=640となる。この様にピクセルアスペクト比が10:11で作成された映像データファイル(DVDに記録された映像データなど)をピクセルアスペクト比が1:1のPCなどで再生する場合は、通常のテレビで見る場合より若干横長になる[注釈 9]。ただし、DVDビデオ再生やテレビ放送視聴用のソフトウェアなどはそれらの映像データをDVDビデオや放送映像信号としてみる上ではピクセルアスペクト比の補正機能があるために通常のテレビで視聴する場合と同様に正しい画面比率で見られる。
ワイド

横縦比は16:9。テレビの場合と同様、ビスタサイズとほぼ同じ比率でHDTVの標準画面サイズである。DVDソフトでは通常【16:9】の表示がついている。DVDプレイヤーの出力先をノーマルテレビに設定すると、上下に黒枠が付いた状態(レターボックス)で出力する。出力先をワイドテレビに設定すると左右に圧縮した画像にスクイーズ信号を付与して出力する。ワイドテレビはスクイーズ信号を検出すると画像を横方向に引き延ばし、フルモードで表示する。そのため、ノーマルテレビでの表示に留意して【16:9 LB】(ワイドテレビ出力時が16:9、ノーマルテレビ出力時がレターボックス)と2つの表示を並べて表示しているDVDソフトもある[注釈 10]
レターボックス

テレビの場合と同様に、16:9サイズの映像を4:3サイズの画面内に納まる形で記録したもの。DVDソフトでは【LB】あるいは【16:9 LB】の表示がついている。出力先がノーマルテレビの場合は、そのまま上下に黒枠が付いた状態で出力される。出力先がワイドテレビの場合はレターボックス信号を付与して出力される。ワイドテレビがレターボックス信号を検知すると、左右幅が全表示になる程度にアスペクト比を変えずに全体を一律に「ズーム」表示する(黒枠をカットするわけではなく、あくまで一律にズームする機能であることに注意。従って、ビスタサイズ収録画面の場合は左右に加えて上下も全画面表示になるがスコープサイズ(シネスコサイズ)収録の場合はズーム率はビスタサイズと同様なので、結果的には上下の黒枠が幾分残ることになる)。

S端子の場合はS1端子はレターボックス信号に対応していないため、S2端子を使用する必要がある。

DVDに収録した映像を16:9画面サイズの画面に表示させる方法にはレターボックスとスクイーズの2通りがあり、前者は上下に黒枠を付けることで16:9画面を収録するのに対して、後者は16:9画面を左右に圧縮して収録している。ノーマルテレビで観た場合の画質は両方式とも全く同じであるが、ワイドテレビで観た場合は後者の方が高画質となる。従って、16:9表示を前提にした映像ソフトの多くはスクイーズ方式で作製される。両方式ともそれぞれ再生機側がレターボックス信号やスクイーズ信号を送出することで受信側の画面制御を行なうが、レターボックス記録でレターボックス信号無しの場合は16:9表示ではソースの状態に起因する額縁状態になる(ワイド画面対応の番組を家電DVDレコーダーやHDDレコーダーなどで録画したものは、このレターボックス信号が出ないケースに該当する)。

DVD-Videoの画面アスペクト比は4:3か16:9の2つのみなので、さらに横長のスコープサイズの映像は16:9画面の上下にさらに黒枠を付けた状態でオーサリングされるものが多い(【16:9 LB】の表示がついているDVDソフトがこれに当たる)[注釈 11]

HBO MaxParamount+などの有料動画配信サービスで放送されるドラマでは、2010年代後半から解像度が3Kから8Kのデジタルシネマカメラによる撮影が主流となり、画質をほとんど落とさずにトリミングや合成などの加工が迅速に行える上、画面アスペクト比を既成のテレビカメラと受像機に合わせる制約も取り払われた。そうした流れから『チェルノブイリ』や『グッド・ファイト』などはビスタ(あるいはハイビジョン)とスコープサイズの中間にあたる2:1画面で製作された。テレビ放送とソフト化も16:9のワイド画面より上下に若干狭い比率を変えずに行われている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本における商標登録番号は第4428908号。
^ スーパー35で撮影し上下をカットしてスコープ公開された『トップガン』や『ブラック・レイン』の初期のビデオリリースは、露光範囲を殆ど捨てずスタンダード{{{1}}}TVサイズで行われた。
^ 1990年代までに作られたTVドラマがリマスターされる際、製作当時トリミングにより画面に映らなかった要素が不注意から映り込む例がある。


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