ロールケージは公道でも使用することができるが、以下のような制限がある。
乗員保護のため、ロールケージには緩衝材(パッド)を巻かなければならない。最低でも乗員の頭部が接触しそうな箇所についてはパッドを巻く必要がある。これがないと車検に合格しない。
乗員の正常な着座姿勢を妨害するようなものであってはならない。運転手の搭乗に問題のあるロールケージは無いと考えて良いが、後部座席を考慮していない場合もあるので注意が必要である。そのような理由で(あるいはリアシートの取り外しが必須な場合などで)後部座席等を無くし、乗車定員に変更をきたす場合は、乗車定員変更の申請を行う必要がある。
日本自動車連盟は日本の自動車保安基準の変更に伴いロールケージの形状についてドアミラーに死角となって干渉する部分には車検証に特別公認を取得する必要があるとの公示を行っている[1]。
欠点
ロールケージの装着で必然的に車両重量が増加する。
フロント側のルーフを這わせるタイプのものは、純正のサンバイザーが干渉し、取り付け、又は使用できなくなる。
車内にパイプを這わせるため、搭乗口および車内空間が狭まり、乗降性および快適性が損なわれる場合がある。
車体に何らかの加工を施すことが多く[2]、後に取り外したとしても、中古車として売却する際、査定に影響することが多い。
農業用機械におけるロールバー農機でのロールバーの例
ヤンマー・AF220s
農機はかつて、いわばオープンカーのような状態のモノが多かった。そのため、横転時に乗っていたトラクターなどに潰されることによる死傷事故が発生していた。その対策として、安全上の理由からこのロールバーに近い安全フレーム(ROPS・ロプスとも呼ばれる)を備えているものが増えてきている。 総合車両製作所(J-TREC)製のステンレス製鉄道車両車体「sustina」において、構体の剛性向上と万が一の側面衝突事故発生時における乗客の安全性を確保するため、車両構体骨組みを長手方向にリング状に配置するとともに、車内に「内装ロールバー構造」を採用している。これは左右の側構体間を連結する補剛材に袖仕切板、スタンションポール(縦握り棒)、荷棚受けなどを連続的な曲面を描いたポール(補強棒)で結んだもので、万が一の衝突事故時の安全性向上と内装デザインとの調和を図っている。
鉄道車両における内装ロールバー
脚注[脚注の使い方]^ “ ⇒第2編ラリー車両規定 第2章安全規定 第4条ロールケージ 4.3)および4.4.3)8(○に8)に記載の手続きについて”. 日本自動車連盟 (2020年1月9日). 2020年3月27日閲覧。
^ ダッシュボードに穴を開け、そこを貫通させる形式のものもある。