紀元前713年、ローマ国王ヌマ・ポンピリウスによって改暦が行われ、現在の1月にあたるJ?nu?rius、2月にあたるFebru?riusがつけ加えられた。このときヌマは、日数が30日だった月の日数をすべて29日に変えた。平年の1年の長さは355日になる。2年に1度、2月の日数を23日に減じ、2月23日の翌日に Mercedinus(メルケディヌス)という名の27日間または28日間の閏月を挿入した。この時期はまだ年始は3月1日であった。この暦法は、布告した王の名をとりヌマ暦と呼ばれる。ほとんどの月の日数を29日と31日にしたのと、1年の長さを月の運行に合わせた354日にしなかったのは、ヌマの信仰が偶数を嫌ったからだとされている。
ヌマ暦の月No.ラテン語月名読み平年の日数閏年の日数由来現在該当する月
(日本語)月名
(英語)月名
(フランス語)
1Martiusマルティウス31日軍神マルスの月3月March
この時期にこの1年の給金の支払いがあったことから(閏2月)
ロムルス暦とヌマ暦で決められた月名は、後に改名されたQu?nt?lisとSext?lis、および後のユリウス暦では必要のなくなったMercedinusを除き、語形変化を被りつつも、ほぼそのまま英語等の現代語にまで受け継がれている。 この後も数度、改暦が行われた。最も大きな改暦は紀元前153年1月1日に行われた。この年から[要出典]、年の始まりが3月1日(MartiusのKalendae)ではなく、1月1日(J?nu?riusのKalendae) に移った。このとき、月の順序と月名との間にずれが生じた。 ローマ暦では今のように「1月5日」というような日付の呼び方はしなかった。各月に3つずつ、特別な日があって、それぞれ、 と呼ばれた。ただし、ローマ暦の1ヶ月は、太陰暦と違い、月の運行とはずれているため、ノーナエ、イードゥースは実際には本当の半月、新月とはならない。この3つの基準日を元に、それぞれの日の名前が決まる。 小の月のノーナエは第5日、イードゥースは第13日だった。具体的には1月、2月、4月、6月、8月、9月、11月、12月。 大の月のノーナエは第7日、イードゥースは第15日だった。具体的には、3月、5月、7月、10月。 9月1日は、9月のカレンダエ、9月5日は9月のノーナエと呼ばれた。 その他の日付の呼び方も現代とは異なる。ローマ暦は基本的に逆算式だった。具体的には、9月2日は「9月のカレンダエの翌日」や「9月2日」とは呼ばれず、「9月のノーナエの4日前」と呼ばれた。9月の例を1日から30日までを次に列挙する。 ローマ人は基準日を1(1オリジン)として日数を数えたので、「10月のカレンダエの3日前」は直訳すると「10月のカレンダエの4日前」になる。基準日の前日は、今の「クリスマス」における「イブ」のような特別な名前 (pr?di?) で呼んだ。したがって「1日前 ante diem secundum」という表現がない。このようにローマ暦が逆算式だったのは、各月のカレンダエ、ノーナエ、イードゥースの日に市が立ったり祭事その他の催しがあったりしたので、「次の基準日まで何日」という数え方のほうが使いやすかったからである。前日が特別な呼ばれ方をしたのは、祭事の準備などを行う特別な日だったからと考えられる。 紀元前46年まで使われていた最終期のローマ暦は、1年は12か月、355日だった。年始は1月1日であった。1月から順にそれぞれの月の日数は次のとおり。 平年の1年の長さは355日で、2年に1度、2月23日と2月24日の間に22日間または23日間の閏日を挿入した。閏年の1年の長さは377日または378日になる。閏日が2月23日の翌日におかれるのは、初期のローマ暦が閏年の2月の日数を23日に減じたことに由来する。なお、最終期のこの暦法もヌマ暦と呼ばれている。 閏日の挿入は最高神祇官の職責であったが、この官職の職務は軽視されがちであり[注 2]、規則どおり閏日を入れないことがしばしばあった。政治的な理由で、1年の長さを恣意的に操作するため、閏日を挿入したりしなかったりすることもあった。そのため、暦の上の日付と季節がまったく合致しなくなった。末期には、1月(Ianuarius)が秋に来る異常事態となった。このため、当時の執政官ガイウス・ユリウス・カエサルは抜本的な改暦を決意し、紀元前46年の暦に、閏月を都合3回合計90日挿入した[注 3]上で、翌紀元前45年のIanuariusのKalendae[注 4]より1年を365.25日とする太陽暦に移行させ、閏月挿入に伴う暦法上の混乱を収束させた。これがユリウス暦である。記録に残る限り、最も1年の日数が長い年はこのローマ暦紀元前46年である。カエサルはこの年をultimus annus confusionis(最後の混乱の年)と呼んで自らの功績を誇ったが、ローマ人達は単にannus confusionis(混乱の年)と呼んで皮肉ったという。 ヌンディナエ 曜日の名と由来曜日ラテン語表記読み由来同一視される惑星
紀元前153年の改暦
ローマ暦の日付の数え方
Kalendae (カレンダエ):月の最初の日。その月の N?nae がいつであるかを宣言する日であり、「宣言する」という意味のラテン語の動詞 cal?re/kal?re に由来する。また、暦をカレンダーというのは、これに由来する。
N?nae (ノーナエ):月の第5日または第7日。?d?s から数えて(後述するように ?d?s も含めて)9日前であり、「第9の」を意味するラテン語の序数詞 n?nus の語尾変化形そのものである。
?d?s (イードゥース):月の第13日または第15日。この語の由来ははっきりしないが、N?nae の8日後であり、「第8の」を意味するエトルリア語に由来するとの説がある。
ローマ暦での9月各日の名称
9月1日:9月のカレンダエ Kalend?s Septembribus
9月2日:9月のノーナエの3日前 ante diem qu?rtum N?n?s Septembr?s/-?s
9月3日:9月のノーナエの2日前 ante diem tertium N?n?s Septembr?s/-?s
9月4日:9月のノーナエの前日 pr?di? N?n?s Septembr?s/-?s
9月5日:9月のノーナエ N?n?s Septembribus
9月6日:9月のイードゥースの7日前 ante diem oct?vum ?d?s Septembr?s/-?s
9月7日:9月のイードゥースの6日前 ante diem septimum ?d?s Septembr?s/-?s
9月8日:9月のイードゥースの5日前 ante diem sextum ?d?s Septembr?s/-?s
9月9日:9月のイードゥースの4日前 ante diem qu?ntum ?d?s Septembr?s/-?s
9月10日:9月のイードゥースの3日前 ante diem qu?rtum ?d?s Septembr?s/-?s
9月11日:9月のイードゥースの2日前 ante diem tertium ?d?s Septembr?s/-?s
9月12日:9月のイードゥースの前日 pr?di? ?d?s Septembr?s/-?s
9月13日:9月のイードゥース ?dibus Septembribus
9月14日:10月のカレンダエの17日前 ante diem duod?v?c?simum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月15日:10月のカレンダエの16日前 ante diem septimum decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月16日:10月のカレンダエの15日前 ante diem sextum decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月17日:10月のカレンダエの14日前 ante diem qu?ntum decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月18日:10月のカレンダエの13日前 ante diem qu?rtum decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月19日:10月のカレンダエの12日前 ante diem tertium decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月20日:10月のカレンダエの11日前 ante diem duodecimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月21日:10月のカレンダエの10日前 ante diem ?ndecimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月22日:10月のカレンダエの9日前 ante diem decimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月23日:10月のカレンダエの 8日前 ante diem n?num Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月24日:10月のカレンダエの 7日前 ante diem oct?vum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月25日:10月のカレンダエの 6日前 ante diem septimum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月26日:10月のカレンダエの 5日前 ante diem sextum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月27日:10月のカレンダエの 4日前 ante diem qu?ntum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月28日:10月のカレンダエの 3日前 ante diem qu?rtum Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月29日:10月のカレンダエの 2日前 ante diem tertium Kalend?s Oct?br?s/-?s
9月30日:10月のカレンダエの 前日 pr?di? Kalend?s Oct?br?s/-?s
10月1日:10月のカレンダエ Kalend?s Oct?bribus
末期のローマ暦
29,28,31,29,31,29,31,29,31,29,29,29
曜日の名
日曜日Di?s S?lisディエース・ソーリス太陽の日[注 5]
月曜日Di?s Lunaeディエース・ルナエ月の日[注 5]
火曜日Di?s Martisディエース・マルティスマルスの日火星
水曜日Di?s Mercuri?ディエース・メルクリイーメルクリウスの日水星
木曜日Di?s Iovisディエース・イオウィスユピテルの日木星