ローマ数字
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1960=1000 × 1+(?100 + 1000)+50+10+(1 × 0)
 =M+CM+L+X
 =MCMLX

3999=1000 × 3+(?100 + 1000)+(?10 + 100)+(?1 + 10)
 =MMM+CM+XC+IX
 =MMMCMXCIX

なお、手書きでは、大文字のローマ数字は上下のセリフをつなげて書くことが多い。「V」は上部のセリフをつなぎ、逆三角形(▽)のようになる。小文字ではセリフを書かない。
時計の文字盤での表記

時計の文字盤は伝統的に4時を「IIII」と表記することが多い。その由来には下記のように様々な説が唱えられているが定説はない。なお、9時は通常表記の「IX」の場合が多い。また、4時を通常表記の「IV」と表記している時計も存在しており、この表記方法は絶対的な物ではない(同様に、9時を「VIIII」と表記している時計も存在する)。

ローマ神話の最高神・ユピテル (IVPITER) の最初の2文字と重なるのを避けるため。

4を「IV」と書くと「VI」と見分けにくいため。

「IIII」ならば「I」という刻印を4回押せば文字盤の文字が作れるが、「IV」だと専用の型が必要になる。

専用の文字を使うのは、ちょうど間が4時間おきになる V と X だけのほうがいい。

「IIII」にすれば左側の「VIII」と文字数が釣り合い、見栄えがよい。

特定の有力なローマの時計製造者が「IIII」と書いた時計を作ったため、他の製造者もそれに倣った。

ルイ14世が、文字盤に「IV」を用いることを禁じた。

シャルル4世が、「IV」を用いることを禁じた。

異表記古代ローマのセミスコイン。.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄2を表す S の文字が刻印されている。

減算の文字を複数並べる。(例)8 = IIX,80 = XXC

500 に「D」を使わない。(例)1611 = MCCCCCCXI

減算を行わない。(例)1495 = MCCCCLXXXXV

任意の自然数 n に対し、10n を表す文字の前に、5m10n ? 2 (m = 0, 1) 以下を表す文字を使う。(例)490 = -10 + 500 = XD

簡略表記。Microsoft Excel の ROMAN 関数で「書式4」を使用。(例)999 = IM

ローマ数字はもともと厳密な規則が定義されたものではなく、特に減算則に関しては様々な異表記が見られる。当初は減算則が存在しなかったため、4 を「IIII」、9 を「VIIII」と書いていた。「The Forme of Cury」(14世紀の著名な英語の料理解説書)は 4 = IIII、9 = IXと表記している一方で「IV」と表記した箇所もある。

ほかに、80 = R、2000 = Zとする異表記もある。また、1⁄2 = S、1⁄12 = ? などとする分数の記号もあった。
4000以上の大きな数字

前述の通り、4000以上の数値の表記は、パターンに従った通常の方法では不可能であり、1 から 3999 の数値までしか表記できない。現代ではあまり使用されないが、4000以上の表記は下記の方法によって行う。
重ね表記

1000 を表すのに「M」ではなく「ↀ」または「CIↃ」を用いる場合もある。5000 を「ↁ」または「IↃↃ」、10000 を「ↂ」または「CCIↃↃ」で表した例もある。同様にして 50000 は「ↇ」または「IↃↃↃ」、100000 は「ↈ」または「CCCIↃↃↃ」となる。

基本数字C|? (M) = 1,000CC|?? = 10,000CCC|??? = 100,000
+ |? (D) = 00500C|?|? (MD) = 1,500CC|??|? = 10,500CCC|???|? = 100,500
+ |?? = 05,000-CC|??|?? = 15,000CCC|???|?? = 105,000
+ |??? = 50,000--CCC|???|??? = 150,000

つなぎ表記
この項目では
上線を扱っています。閲覧環境によっては、適切に表示されていない場合があります。通常のローマ数字に上線を付加することで、1,000 倍を表現する。また二重上線では 1,000,000 倍となる。すなわちn重の上線は 1,000n (1,000のn)倍を表す。

4,000 = IV = MV

5,300 = VCCC

6,723 = VIDCCXXIII = VMDCCXXIII

9,999 = IXCMXCIX = MXCMXCIX

51,200 = LICC

99,999 = XCIXCMXCIX

500,000 = DI

921,600 = CIXXIDC

3,000,000 = III

9,125,334 = IXCCXXVCCCXXXIV

91,200,937 = XCICCCMXXXVII

235,002,011 = CCXXXVIIXI
前後に縦線を付加することで、さらに 100 倍(都合 100,000 倍)を表す。

800,000 = |VIII|

1,040,000 = |X|XL (= 10 × 1,000 × 100 + (-10 + 50) × 1,000) = IXL (= 1 × 1,000,000 + (-10 + 50) × 1,000)

用途東京競馬場ターフビジョン

現在、ローマ数字は序数、章番号、ページ番号、文章の脚注番号などに使うことが多いが、酸化銅(II)など一部例外がある[2]

英語圏では、ローマ教皇国王の名前に使用される。

イギリスでは、大学の学年表記の他、英国放送協会(BBC)が番組の製作年を表すのにローマ数字を使っており、エンドクレジットの最後で下部分に「MMXIII (2013)」などと表示される。

1980年代ごろまでは映画の著作権表示の制作年にローマ数字が使われることが多かった。例えば、1983年に発売されたタイトーの業務用ゲーム『エレベーターアクション』の著作権表記は「© TAITO CORP. MCMLXXXIII」となっている。

音楽理論では、音階の中での音の位置を表すのにローマ数字を用いる。最もよく用いられるのは和音調の中での位置を表す時である。大文字と小文字は場合によって様々な意味で使い分けられる。手書きでは「i」の点を打たないのが普通である(それはしかも逆感嘆符である「!」と見分けにくいという欠点もある)。

日本の公営競技確定板でも、着順の表示に用いられている。

競馬の「GIレース」など、グレードを示す際にも利用される(グレード制)。

高等学校数学の科目名や大学入試類型など、教育部門で使用されている面が見られる。

ドラゴンクエストII 悪霊の神々』や『ファイナルファンタジーIII』など、コンピュータゲームの続編ではローマ数字を使用したものがある。

陸上自衛隊第14旅団第15旅団などは部隊章にローマ数字を使用している。

ローマ数字の歴史

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出典検索?: "ローマ数字" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年12月)

古代ローマ人は元々農耕民族だった。の数を数えるのにに刻み目を入れた。から1匹ずつヤギが出て行くたびに刻み目を1つずつ増やしていった。3匹目のヤギが出て行くと「III」と表し、4匹目のヤギが出て行くと3本の刻み目の横にもう1本刻み目を増やして「IIII」とした。5匹目のヤギが出て行くと、4本目の刻み目の右にこのときだけ「V」と刻んだ(∧と刻んだ羊飼いもいた)。このときの棒についた刻み目は「IIIIV」となる。6匹目のヤギが出て行くと、刻み目の模様は「IIIIVI」、7匹目が出て行くと「IIIIVII」となる。9匹目の次のヤギが出て行くと「IIIIVIIII」の右に「X」という印を刻んだ。棒の模様は「IIIIVIIIIX」となる。31匹のヤギは「IIIIVIIIIXIIIIVIIIIXIIIIVIIIIXI」と表す。このように刻んだのは、夕方にヤギが1匹ずつ戻ってきたときに記号の1つ1つがヤギ1匹ずつに対応していたほうが便利だったためである。ヤギが戻ると、記号を指で端から1個1個たどっていった。最後のヤギが戻るときに指先が最後の記号にふれていれば、ヤギは全部無事に戻ったことになる。50匹目のヤギはN、+または⊥で表した。100匹目は*で表した。これらの記号はローマのそばのエトルリア人も使った。エトルリアのほうが文明が栄えていたので、そちらからローマに伝わった可能性もある。1000は○の中に十を入れた記号で表した。

よく言われる「X」は「V」を2つ重ねて書いたもの、あるいは「V」は「X」の上半分という説は、誤りとは言い切れないが確たる根拠もないようである。

やがて時代が下り、羊以外のものも数えるようになると、31は単に「XXXI」と書くようになった。5はしばらく「V」と「∧」が混在して使われた。50は当初NИKΨ、などと書き、しばらく「⊥」かそれに似た模様を使ったが、アルファベットが伝わると混同して「L」となった。100は*だけでなくЖHなどと書いたが、*がしだいに離れて「>|<」や「⊃|⊂」になり、よく使う数なので簡略になり、「C」や「⊃」と書きそのまま残った(ラテン語の"centum=100"が起源という説もある)。500は最初、1000を表す「⊂|⊃」から左の⊂を外し、「|⊃」と書いた。やがて2つの記号がくっつき、「D」となった。「D」の真ん中に横棒がついて「D」や「D」とも書いた。1000は○に十の記号が省略されて「⊂|⊃」となった。「∞」と書いた例もある。これが全部くっついたのが「Φ」に似た記号である。これが別の変形をし上だけがくっついて「m」に似た形になり、アルファベットが伝わると自然と「M」と書かれるようにもなった(ラテン語の"mille=1000"からも考慮されている)。そのため、1000は今でも2つの表記法が混在している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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