ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
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6800万円(IMAX版)[3]
前作ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
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『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(ロード・オブ・ザ・リング おうのきかん、原題:The Lord of the Rings: The Return of the King)は、2003年ニュージーランド映画ファンタジー映画。『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』三部作の第3作目(最終章)にあたる。

また、劇場公開版に未公開シーン約50分を追加した『スペシャル・エクステンデッド・エディション(SEE)』を映像ソフトで発表しており、日本では劇場公開も行われた。
あらすじ
再会

昼なお暗いモルドールの山。フロドが眠る隣でゴラムは、自身が“愛しいしと”と呼ぶ“一つの指輪”を初めて手に入れたときのことを思い出していた。彼はホビットの支族であるストゥア族の一員で、スメアゴルと呼ばれていた。ある日、いっしょに川で魚を釣っていた友人デアゴルが川に落ち、川底で偶然見つけた金の指輪を拾う。スメアゴルはその指輪を見た瞬間に魅せられ、それを奪おうとしてデアゴルを殺してしまった。そのために村を追放された彼は、指輪だけを友に長い年月を過ごすうちに指輪の魔力に蝕まれ、徐々に心身ともに変貌し現在の姿になったのだ。眠りから目覚めたサムはゴラムの邪心を疑うが、フロドはそんなサムをいさめる。

森の中、裂け谷のエルフ王エルロンドの娘アルウェンは、アラゴルンを愛しながらも父の言葉に従い、エルフたちとともに西方に船出する港に向っていた。が、彼女はひとりの幼い少年が、彼女の前を走っていきアラゴルンに抱きかかえられる幻を見て、裂け谷に引き返す。彼女は父に、自分が見たのは自分の息子であり、未来に希望はあると語り、アラゴルンの祖先イシルドゥアの折れた剣を鍛え直すよう訴える。だが、サウロンの力が増すとともにエルフの力は弱まり、アルウェンも次第に衰弱していくのだった。

一方、アラゴルンたちはサルマンの砦アイゼンガルドに向かい、そこでメリーとピピンに再会してお互いの無事を喜び合う[4]。ピピンがサルマンの使っていた遠くを見る石=パランティーアを発見。ガンダルフが保持するが、好奇心の強いピピンはガンダルフが寝ているすきに石を覗いてしまう。だが、冥王サウロンも別のパランティーアを覗いているため、それを覗く者はサウロンからも見つかり彼の邪悪な力を及ぼされるのだ。ピピンもサウロンに見られて苦しめられるが ガンダルフに救われる。ガンダルフはピピンがパランティーアで見た光景から、サウロン勢がゴンドールへ進軍していることを知り、一行と別れ、ピピンを連れてゴンドールの首都ミナス・ティリスに向かう。

ゴンドールで彼らを迎えたのは、愛する息子ボロミアの死を知って絶望する執政デネソールだった。ピピンは自分とメリーを救って死んだボロミアの恩に報いるために、デネソールに仕えることを申し出て、城の衛兵に任じられる。ガンダルフはデネソールにサウロンの攻撃に備えてローハンに援助を仰ぐよう勧めるが、彼はローハン軍と共にゴンドールの王の末裔アラゴルンが来て、執政家が統治してきた国を奪われるのではないかと恐れて拒絶する。そこでガンダルフはピピンを使い、ローハンに援助を求めるのろしに点火する。のろしを見たローハンのセオデン王はゴンドールを援護することを決意する。
疑念

ゴンドール執政デネソールの息子ファラミアは、オスギリアスの砦でオークの軍に敗れ、都ミナス・ティリスに撤退する。が、父デネソールは彼に戻って砦を奪回するように命じ、ファラミアが「ボロミアではなく、弟の自分が死んだほうがよかったと思っているのでは」と問うと、「そうだ」と返答する。ファラミアは父への愛を示すため、死を覚悟して戦場に戻っていく。

滅びの山を目指すフロドとサムの間にも事件が起きていた。ゴラムがサムを陥れようと、二人が寝ている間に唯一の食料であるエルフの焼き菓子レンバスを、サムがひとりで食べたように偽装したのだ。フロドはゴラムの策略にのせられてサムを疑う。疑惑に苛まれるフロドはサムが指輪を運ぶことを申し出ると、彼が指輪を狙っていると誤解して「帰れ」と命じ、悲嘆にくれるサムを置き去りにしてしまう。

ローハンのハロウ砦(ダンハロウ)ではアラゴルンが焦る心を抑えていた。セオデンはこの地に各地の兵士たちを召集していたが、今ある戦力ではサウロン軍に勝てないのは明白だった。そこに裂け谷のエルフ王エルロンドがやって来る。彼はアラゴルンに鍛え直した王の剣「アンドゥリル」を与えて助言する。「死者の道」と呼ばれる場所に、かつて人間の王イシルドゥアに忠誠を誓いながらも誓約を果たさなかったため、その罰として永遠に成仏できずにいる、死者の王とその軍勢が封印されており、アラゴルンがイシルドゥアの末裔として王の証となる剣「アンドゥリル」を持って勇気を示し、死者の王に認めさせることができるならば彼らは戦いに加わるかもしれぬと。そこでアラゴルンは「死者の道」に向かうことを決意する。するとレゴラスとギムリも「友はつねに行動を共にするものだ」と、アラゴルンが止めるのも聞かずに同行する。

彼らを見送ったローハン軍は、いよいよゴンドール王国を襲うサウロン軍との戦いに向かう。ローハンの騎士となったメリーは戦闘に参加したいと申し出るが、セオデン王も勇敢な騎士である彼の甥エオメルも、メリーの誠心は信じているが身体の大きさが足りないからと城に残るよう勧める。が、メリーの不満は、女性だからといつも留守居役を命じられているエオメルの妹エオウィン姫の不満でもあった。彼女は「友のために戦うことは、誰にも止められない」と密かに男装し、メリーを連れて兵士として出陣していく。
使命

ゴンドールの都ミナス・ティリスはオークの軍勢に取り巻かれていた。執政デネソールは息子ファラミアが瀕死の重傷を負い意識不明で戻ったのを見て死んだと思い込み、「執政の血筋は絶えた」と精神錯乱に陥る。そこでガンダルフがデネソールに代わってゴンドール軍の指揮を執り、自らも戦闘に加わっていく。デネソールはピピンの説得にも耳を貸さず、ファラミアを道連れに焼身自殺しようとする。ピピンと駆けつけたガンダルフはファラミアを救うが、自ら放った火が着衣に燃え移ったデネソールは、乱心のまま塔から身を投げて果てる。

同じ頃、ローハン軍はゴンドールのペレンノール野に達し、死を合言葉に突撃を始め、闇の軍勢を背後から攻撃する。サウロンの勢力に参加しているのはゴスモグ が指揮するオーク軍だけではない。近接戦では無類の強さを誇る武装したトロルの上位種「オログ=ハイ 」、南方人ハラドリムたちが乗る巨大な獣「オリファント(ムマキル)」、空には“おぞましい獣”フェルビーストに乗って勢力を統率する「ナズグル」もいる。その上、黒船船団のウンバールの海賊たちまでもが参戦せんと、戦場に向かって来ているという。激しい戦乱の中、ナズグルの首領「アングマールの魔王」が、ローハンのセオデン王に襲いかかる。倒れた王を守ろうと魔王に相まみえたエオウィンは、「人間の男に我を殺すことは不可能」とせせら笑う魔王の猛攻に圧倒される。その時、人間ではないホビットであるメリーが魔王の脚に刃を突き立てた。エオウィンは戦士の兜を脱ぎ、長い金髪をなびかせて「私は“男”ではない!」と言い放ち、剣で魔王の顔面を突き刺して倒す。その後、セオデン王は彼女に微笑み、「これで恥じることなく父祖の仲間入りができる」と息を引き取るのだった。

魔王を討っても闇の勢力の勢いはなお衰えず、ペレンノール野でもミナス・ティリスでも人間勢の苦戦は変わらず続き、もはや敗北は目前かと思われた時、ペレンノールの港に黒き船団が着く。オークたちは味方の海賊たちがやってきたと思って喜ぶが、船から現れたのはアラゴルンと彼が率いる死者の軍勢だった。永き呪縛からの解放を約束に、騎士としての誇りを取り戻すため、一度だけの条件でアラゴルンの召集に応じたのだ。アラゴルン、レゴラス、ギムリら三人と死者の軍勢は瞬く間に攻め上がり、それを機に軍は息を吹き返し形勢逆転、戦いはゴンドールとローハン連合軍の勝利に終わる。

だがその頃、フロドは危機に陥っていた。ゴラムの策略で大蜘蛛シェロブの棲処に導かれ その毒針に倒れたのだ。フロドの後を追ってきたサムがシェロブを撃退。フロドを連れ去ったオークをも倒してフロドを救出するが、フロドは指輪の魔力による衰弱のあまり歩けなくなる。するとサムは「あなたの重荷は担えませんが、あなたを背負うことならできます」と、フロドを背負って歩き出す。

アラゴルンら旅の仲間とゴンドールとローハンの連合軍は、フロドが滅びの山に辿り着き、“一つの指輪”を破壊する使命を成し遂げるまではサウロンの目をそらし続けるため、敵の本拠地モルドールに公然と最終決戦を挑むことを決意する。


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