ロード・オブ・ウォー
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次作Lords of War
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『ロード・オブ・ウォー』(Lord of War)は、いわゆる「死の商人」をテーマとした2005年アメリカ映画。複数の武器商人への取材を元に作られた、ノンフィクションに基づくフィクション映画である。副題は「史上最強の武器商人と呼ばれた男」。

映倫によるレーティングはR-15。内容の細部がやや異なる小説版も出版されている。
ストーリー

本作は、主人公ユーリ・オルロフが自分の過去を人に語る形で進行する。

ユーリ・オルロフは、ウクライナからユダヤ人を装ってアメリカに移民してきた4人家族の長男である。家族と共にリトル・オデッサ(ニューヨークブルックリン区のブライトン・ビーチBrighton Beachの通称)に住みレストランを開いていた。しかし、客の入りは悪く、父親は見せかけだったユダヤ教を熱心に信仰するようになり、カトリックの母親と信仰を巡って対立していた。そんな中、ユーリは、メニューの偵察に出かけた向いのレストランでロシアン・マフィアの銃撃戦に遭遇する。その光景に衝撃を受けたユーリーは、武器商人の道を歩むことを決意し、弟のヴィタリーを相棒に商売を始める。

ベルリンの兵器見本市では、関係を持とうとした著名な武器商人シメオン・ワイズから門前払いを受けてしまう。しかし、1984年レバノンベイルートで、以後も関係を持つことになるアメリカ海兵隊将校オリバー・サザンを賄賂で抱き込み、米軍が残していった山積みのM16を売却する。それを皮切りに、素質のあったユーリはヴィタリーと世界中さまざまな相手に銃器を売り捌いていくが、ある時、密輸航行中にインターポールの捜査官ジャック・バレンタインに臨検を受けてしまう。その場は偽装工作とヴィタリーの機転で切り抜けるが、それ以来、ユーリはジャックに目を付けられてしまう。

その後、ヴィタリーは南米で代金として受け取ったコカインを兄と共に使用したのがきっかけで、薬物依存症になり施設に入所する。一方、ユーリは、元ミス・アメリカのエヴァと交際し結婚し、息子をもうける。しかし、彼女の心をつなぎ止めたいがために派手な生活を送るようになり、破産寸前に追い込まれる。

そんなユーリに転機が訪れる。東西冷戦が終結し、祖国ウクライナを支配していたソビエト連邦が崩壊したのだ。彼は、早速ウクライナで基地司令官をしている叔父のデミトリー・ヴォルコフ少将の元に向かい、兵器庫にあったAK-47T-72[2]Mi-8ヘリなどを外国に売買する。バレンタイン捜査官がユーリを取り締まりに来るが、その追及をかわす。その2日後、ワイズの申し出を断った叔父は、ユーリの目の前で、自分がプレゼントした車に仕掛けられた爆弾で死亡する。以後、ユーリは紛争が続くアフリカ諸国を中心に活動する。そして1995年のある日、商用でリベリアモンロビアに立ち寄った際、ユーリは同国の大統領アンドレイ・バプティストから呼び出しを受ける。大統領は、商魂逞しいユーリを一目で気に入り、以降ユーリはもっぱら彼と取引するようになる。やがて、彼の資産は膨れ上がり、数年で妻に教えていた嘘の年収を越える。

だがある日、ユーリの家を訪れたジャック捜査官がエヴァに夫の本当の仕事を暴露してしまう。両親を強盗に銃で殺された過去を持つエヴァは、ユーリに離婚を迫る。妻を愛していたユーリは、武器取引から手を引くことを決める。それ以来、合法なビジネスのみを扱うようになったユーリだが、そんな彼の元にバプティスト大統領が現れ、武器の取引を持ちかける。悩みながらも、合法的なビジネスの儲けのなさから武器取引を再開することにしたユーリは、躊躇うヴィタリーを説得し、再び商売に赴く。

アフリカを訪れたユーリ達は、バプティスト大統領に紹介された客にトラック2台分の武器を運び、商談を始める。ユーリが代金について客と話し合う間、周囲を見て回っていたヴィタリーは、自分達が運んだ武器が虐殺のために使われることに気づく。ユーリに売買を中止するよう話すが、自分達には関係のない事だと言って聞き入れない。そこでヴィタリーは、隙を突いてトラックに積まれた武器を手榴弾で爆破する。もう一台のトラックにも手榴弾を投げ込もうとするが、客の護衛に付いていた兵士がヴィタリーを射殺する。ユーリは当初の半分の代金を受け取り、帰国の途につく。

弟の遺体と共に帰国したユーリだが、ヴィタリーの体内に残っていた銃弾が金属探知機に引っ掛かってしまう。病で急死したという内容で偽造した診断書を咎められ、留置場に送られる。そこにバレンタイン捜査官が現れると、ユーリの妻エヴァを尾行して、ユーリがアメリカに隠していた武器を見つけたことを告げる。

だがユーリは、落ち着き払った様子で、これからバレンタインが経験するであろう出来事を言い当ててみせる。大手柄を挙げたバレンタインは昇進を知らされるが、同時にユーリが解放されることも聞かされる。最大の武器商人とは国家であり、国家が表立って武器を売れない場合にユーリのような武器商人が駆り出されるのだから、便利な手駒を捨てることはできない、と話す。

物事はその予測通りに動き、ユーリは解放される。そして実の弟を失い、妻と子供にも出て行かれ、親にも絶縁されたユーリは、またしても戦地へと赴くのだった。
ユーリの掟

ユーリは、武器商人としての4つの掟を定めている。
自分の商品では撃たれないこと。


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