ロードレース世界選手権
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かつてはイルモアWCMといったプライベーターがオリジナルマシンで参戦していたほか、カワサキワークス・チームを送り込んでいたが、2021年現在出場しているのはヤマハホンダスズキドゥカティアプリリアKTMの6メーカーと、ワークスマシンの貸与等を受けられるサテライトチームとなっている。

使用されるシャシーおよびエンジンはプロトタイプ(レース専用)が原則であるが、2012年より実施されたクレーミング・ルール・チーム(CRT)では市販車ベースの車両が認められた。なおタイヤは、2009年から2015年までブリヂストンのワンメイクであったが[6]2016年よりミシュランのワンメイクになっている。[7]

なお、レギュレーションは年とともに変化しており、細部については次項の「レギュレーションの変遷」を参照
レギュレーションの変遷
2002年 - 2006年 : 990cc時代

2001年まで存在していた500ccクラスは、2ストローク・4ストローク共に排気量500ccが上限で、1970年代半ば以降は事実上2ストロークのみという状況になっていた。そこで環境問題対策へのアピールや商業上の理由(2ストローク大排気量車が市場と直結していない)によって、2002年より4ストロークが主体となるMotoGPクラスが誕生した。

2002年には「4ストロークエンジンの排気量あたりの出力効率は2ストロークエンジンの半分」とする係数計算から制定された新レギュレーションが導入され、2006年まで適用された。エンジンは2ストローク500cc以下、4ストローク990cc以下のレース専用車両という規定で、気筒数やピストン形状による最低重量制限が課せられていた。排気量は4ストロークが優遇された一方で、燃料タンク容量は2ストロークが32L、4ストロークが24L(2004年には22L)と、4ストロークの燃料タンク容量は大きく制限された。

2002年のMotoGPレギュレーション[8]4ストロークエンジン2ストロークエンジン
排気量990cc以下350?500cc
気筒数・
最低重量3気筒以下135kg1・2気筒101kg
4・5気筒145kg3気筒116kg
6気筒155kg4気筒131kg
楕円ピストン1ランク上の重量
カテゴリーを適用制限無し
燃料タンク容量24L以下規制無し
音量走行前115ホン走行前110ホン
走行後120ホン走行後113ホン

しかし、2002年シーズンが開幕すると4ストローク車両が圧倒的に有利なことが明らかとなったため、2ストローク車両でのMotoGP参戦は2003年シーズン終了までに次第になくなり、カワサキ(2002年シーズン第13戦もてぎGPから)やドゥカティ(2003年シーズンから)など4ストロークを得意とするメーカーの新規参入を呼び込むこととなった。

2ストロークから4ストローク大排気量へと変わった事でバックトルク(エンジンブレーキ)が強大になったため、初期の頃はコーナー手前のシフトダウンを伴う減速時に後輪側が激しく暴れるといったシーンがよく見られた。バックトルクの弱い2ストロークに馴染んだライダーやメーカーは対策に頭を悩まされることとなったが、エンジンの電子制御やスリッパー・クラッチ等の開発が進むにつれ問題は解消され、当時はまだ2ストロークだった250ccクラス等からのステップアップも困難ではなくなっていった。

2ストロークエンジンはその構造上電子制御を取り入れにくかったが、4ストロークへの移行に伴いハイテク化が一気に進んだ。燃料噴射装置は機械式から電子制御式に移行し、エンジン特性そのものの電子制御化、トラクションコントロール、シフターの最適化等、操縦を支援する装置が数多く搭載されるようになり、これらの電子装置の性能が車両性能を大きく左右するようになった。2ストローク時代と比べ、単に絶対速度が上がっただけでなく遥かに扱いやすいマシンとなり、ライダー達のタイムが拮抗するようになったという意見がある。
2007年 - 2011年 : 800cc時代

990cc時代の最高峰クラスは、直線での加速力や最高速では4輪のF1をも凌ぎ、ブレーキングポイントが明らかに手前でコーナー脱出速度が遅いにもかかわらず、鈴鹿サーキットをはじめ、各サーキットにおける最高速レコードを叩き出していた。そのため、最高速度の急激な上昇を抑えるといった安全上の理由等によりレギュレーションが改正され、2007年から最大排気量が800ccへと引き下げられた。エンジンの気筒数によって最低重量が定められ、燃料タンクは21Lに制限された。

2007年のMotoGPレギュレーション[8]4ストロークエンジン
排気量800cc以下
気筒数・
最低重量2気筒135kg以上
3気筒142.5kg
4気筒150kg
5気筒157.5kg
6気筒165kg
楕円ピストン禁止
燃料タンク容量21L以下

800ccになっても下位クラスよりも大柄でトルクも強大で、最大エンジン出力は200馬力以上、最高時速はダニ・ペドロサが349km/h以上を記録した。また990cc時代はライダーにマシンの有り余るパワーを制御する事が求められたが、800ccへの変更後は電子制御技術が一層進化し、250ccクラス等からのステップアップがスムーズになったことにより以前に比べて新人ライダーが活躍する事が多くなり、スーパーバイク世界選手権(市販車改造1000cc)出身ライダーは、ライディングスタイルを変更しないと活躍出来ない傾向になっていた。
2009年 : コスト削減策の適用

高騰し続ける参戦費用を抑えるため、2009年よりMotoGPの主催者であるDORNAIRTAなどで構成されるグランプリ委員会によってレギュレーション改正が行われた。

タイヤサプライヤーを一社に限定し、2009年から2011年まで3年契約でブリヂストンが供給[9]第11戦チェコGP以降は使用できるエンジン数が最大5基までに制限された。また、ブレーキの材料として、セラミック複合材料によるディスクとパッドの使用は禁止となった。エンジンオイルは潤滑油としてのみ使用可能であり、油圧制御システムへの使用は禁止される。電子制御サスペンションの使用も禁止された。EGR(排気ガス再循環装置)の使用も禁止[10]。さらにこの年からルーキーライダーはサテライトチームからしかエントリーできなくなった(スズキのみサテライトチームを持たない為このルールの適応外となっている)。
2010年 : コスト削減策の適用

エンジン個数は、年間シーズンを通して、各ライダーは最大6基のエンジンを使用できる。カーボン製フロントディスクブレーキの直径は最大320mmとなる[11]。MMC(金属基複合材料)とFRM(繊維強化金属)の使用は禁止となる。タイヤ温度センサーの使用も禁止される。ホイールのリム幅も制限され、ホイール直径は16.5インチのみとなる。可変排気システムの使用も禁止。可変バルブタイミングシステムと可変バルブ開閉システムでは、電子制御と油圧制御を使用するシステムは禁止される。コンロッドは、中空構造は禁止だが、オイル循環用の穴は直径2mmまで許可される。ツインクラッチシステムの使用は禁止。トランスミッションは、オートマチックは禁止されるが、マニュアルでは若干のパワーアシストが許可される。無段変速トランスミッションの使用は禁止。GPSの搭載は、DORNAがテレビ放送などを目的としたもののみ許可され、マシンの電子制御系システムとして使用することはできない。ステアリングダンパーの電子制御は禁止[10]
2012年以降 : 1000cc時代.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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