これらの指揮のもと、捜査員は下記のような活動指揮部署(OCU)に編成されて活動する。これらのOCUは、適宜に編成と解体を繰り返しており、また部署番号にも重複や移行が見られ、複雑である。2016年3月現在で活動しているOCUは下記の通りである[20][21]。 専門業務部 (Specialist Operations
SCO1 - 殺人・重大犯罪対策指令部 (Homicide and Serious Crime Command)
SCO4 - 科学捜査サービス (Forensic Services)
SCO7 - 重大・組織犯罪対策指令部 (Serious and Organised Crime Command)
SCO8 - トライデント広域犯罪対策部 (Trident and Area Crime)
SCO12 - 総監補秘書室(AC Private Office & Business Support)
SCO17 - 性犯罪・性的搾取・児童虐待部(Sexual Offences, Exploitation and Child Abuse)
SCO19 - 銃器専門指令部 (Specialist Firearms Command)
SCO20 - 機動隊 (Territorial Support Group)
SCO22 - 公秩序・資材部 (Public Order and Resources)
SCO35 - 機密情報部(Covert Intelligence)
SCO36 - 警視庁情報部(Met Intelligence)
SCO37 - 警視庁通信指令部(Met Communications Command)
SCO39 - 密行管理・公安監察部(Covert Governance and Intelligence Compliance)
専門業務部
上級国家統括官(Senior National Coordinator; 副総監補)
保安・警護管理官(Security & Protection; 副総監補)
テロ対策指令部(Counter Terrorism Command, SO15)
警護指令部(Protection Command; 警視監)
議会・外交的保護部(Parliamentary and Diplomatic Protection, PaDP)
王室・要人警護部(Royalty and Specialist Protection, RaSP)
保安指令部(Security Command; 警視監)
SO18 - 空港警察部(Aviation Policing)[22]
SO20 - テロ対策保安警護部(Counter Terrorism Protective Security Command)
このうち、RaSPは2015年に王室警護指令部(Royalty Protection Command, SO14)と警護専門指令部(Specialist Protection Command, SO1)が統合されて設置された部署である[23]。SO14は以前は王室警護群(Royalty Protection Group)と称されており[24]、王室警護群には英陸軍特殊部隊(SAS)で訓練を受けた185人の警護官が所属し、グロック17のほか、無線機、救急用具を装備していた[25]。 地域部(Territorial Policing)は外勤・交通警察部門である。 ロンドン警視庁の管轄する区域は首都警察管区
地方組織
北部方面管区
南部方面管区
東部方面管区
西部方面管区
刑事司法・交通警察隊(Criminal Justice & Roads Policing)
地域活動隊(Community Engagement)
一般警察活動の基本単位として、自治区ごとに自治区活動指揮部署(BOCU)が設置されている。またこの他、2015年には、路線バスやタクシーなどの公共交通機関を担当する道路・輸送機関警察指令部(RTPC)が設置された[28]。
なお、ロンドン中枢部のシティは、歴史的な独立性や特殊性を考慮して、専任の市警察が設置されていることから、警視庁の管轄からは外されている。また国防省施設(国防省警察(英語版))や鉄道施設(鉄道警察)についても、それぞれ専任の特別警察が設置されている。グレーター・ロンドン内の王立公園の警察業務を管轄していた王立公園警察は、2004年4月1日にロンドン警視庁に吸収合併された[29]。キュー王立植物園の警備にあたるキュー警察など、数少ないながらも条例により公園警察を残しているバラ(特別区)も幾つか存在するが、それらの公園警察は警察法により定められた警察官を有しないため、公園内で万一の凶悪犯罪や重大な事件が発生した場合は、ロンドン警視庁がそれらの事件に対処する。 ニュー・スコットランドヤード本部に加えて、ロンドン市内には140の警察署が置かれている[30]。これらの警察署は、24時間警察官が常駐する大規模警察署から、一般的な勤務時間の間あるいは一週間のうち決まった曜日のみ応対する小規模警察署まで様々である。多くの警察署の前には伝統的な青い街灯が設置されている。この写真はボウ・ストリート警察署のもの。 ほとんどの警察署は入口前に設置された一つまたは複数の青い街灯によって簡単に見分けることができる。この街灯は1861年に導入された。 1881年にボウ・ストリートに設置された最も歴史のある警察署は1992年に閉署し、2006年7月14日に最後の訴訟を処理したボウ・ストリート治安判事裁判所の隣接地に移転した。[31]現在まで運用を続けている最古の警察署はワッピングにあり、1908年に開署した。テムズ川の警備を司るロンドン警視庁海上保安部(旧・テムズ局)の本部もここに置かれている。また、霊安室やテムズ川警察博物館も併設している。 パディントン・グリーン警察署は地下にテロ容疑者の収容施設をもつことで世間から多くの注目を集める警察署である。ワッピングに本部を置くロンドン警視庁海上保安部 ロンドン警視庁の警察署は様々な役割を担っており、そこには多くの警察職員の階級が存在する。 ほとんどの警察署には逮捕者を一時的に勾留するための独房がある。 2004年には公共政策研究所から、警察権力とより広いコミュニティの間の関係を改善する助けとなる、より想像力に富んだ警察署の構想が提示された。[32] (2011年10月末現在)
警察署
制服警察官および特別巡査は緊急通報を受理する責任を持つ。
近隣防犯チーム(SNTs)を構成する制服警察官および特別巡査は特定の地域を保安する。
地域住民警察支援担当官は地域全般に駐在する責務を負い、保安義務を補佐する。
ロンドン警視庁に雇用される交通監視員は人々に駐車規制を遵守させることを職務とする。
非警察職員の警察署の受付職員または地域住民警察支援担当官は総合管理部門に従って警察署の受付に入ってくる人々に接する責務を負う。
非警察職員の指紋および身分証明に関わる職員は犯罪の身分証明アーカイブのメンテナンスを責務とする。
警察官候補生は警察官と地域住民警察支援担当官、また他の警察職員を補佐する。
犯罪捜査局の刑事は犯罪捜査に関係する。
人員・装備
所属警察官
常勤警察官:31,478人[33]
地域住民警察支援担当官(PCSO; 補助警察官):3,832人[33]
特別巡査(MSC):5,479人[33]
騎馬隊:騎手140人超および騎馬120頭[34]
その他警察職員:13,351人[33]
警察官人員数の変遷
2010年 - 33,260人(非常勤労働の3,125人の特別巡査を除く)[35]
2009年 - 32,543人(非常勤労働の2,622人の特別巡査を除く)[36]
2004年 - 約31,000人[37]