ロング・グッドバイ
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村上春樹は『カラマーゾフの兄弟』と『グレート・ギャツビー』と本作を、もっとも影響を受けた作品3作として挙げており、『羊をめぐる冒険』の物語も本作の影響をよく指摘される。長らく日本では清水俊二訳によるものが出版されていたが、2007年には村上春樹、2022年には田口俊樹、翌2023年には市川亮平による翻訳版も出版された。
日本語訳

同じ出版社から刊行されている清水俊二訳の『長いお別れ』と村上春樹の新訳『ロング・グッドバイ』は両方とも流通している。

出版年タイトル出版社文庫名等訳者巻末ページ数ISBNコードカバーデザイン備考
1958年10月長いお別れ早川書房世界探偵小説全集
ハヤカワ・ポケット・ミステリ)260清水俊二370
1972年6月レイモンド・チャンドラー早川書房世界ミステリ全集5清水俊二748清水俊二訳の
『さらば愛しき女よ』
『長いお別れ』
『プレイバック』収録
1976年
4月1日長いお別れ早川書房ハヤカワ・ミステリ文庫HM 7-1清水俊二清水俊二 「あとがきに代えて」545978-4150704513カバーフォーマット:辰巳四郎
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン ほか
2007年
3月8日ロング・グッドバイ早川書房(ハードカバー単行本)村上春樹訳者あとがき584978-4152088000チップ・キッド
2009年
3月6日ロング・グッドバイ早川書房Raymond Chandler Collection
(軽装版)村上春樹訳者あとがき
準古典小説としての『ロング・グッドバイ』711978-4152090102装画 浅野隆広、
カバーデザイン 坂川栄治+田中久子
(坂川事務所)
2010年
9月9日ロング・グッドバイ早川書房ハヤカワ・ミステリ文庫HM 7-11村上春樹訳者あとがき
準古典小説としての『ロング・グッドバイ』645978-4150704612坂川栄治+田中久子
(坂川事務所)
2022年
4月28日長い別れ東京創元社創元推理文庫M-チ-1-7田口俊樹訳者あとがき
解説 杉江松恋599978-4-488-13107-4カバー装画=Edward Hopper Nighthawks(部分)
(C)Alamy/PPS通信社
カバーデザイン=岡本洋平(岡本デザイン室)
2023年
5月30日ザ・ロング・グッドバイ小鳥遊書房(四六判)市川亮平訳者あとがき460978-4-867-80018-8装幀 鳴田小夜子
(KOGUMA OFFICE)ロスアンジェルスの地図、
邸宅の見取り図等挿絵数点収録

映画

ロング・グッドバイ
The Long Goodbye
監督
ロバート・アルトマン
脚本リイ・ブラケット
原作レイモンド・チャンドラー
『長いお別れ』より
製作ジェリー・ビック
製作総指揮エリオット・カストナー
出演者エリオット・グールド
音楽ジョン・ウィリアムズ
撮影ヴィルモス・スィグモンド
編集ルー・ロンバード
配給ユナイテッド・アーティスツ
公開 1973年3月7日
1974年2月23日
上映時間112分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
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1973年に監督ロバート・アルトマン、主演エリオット・グールドにより映画化された。邦題は『ロング・グッドバイ』(原題は The Long Goodbye )。

内容は1970代風にアレンジされており、エリオット・グールドが演じる探偵フィリップ・マーロウが友人テリー・レノックスの謎の死をきっかけにある事件に巻き込まれていく。
キャスト

役名俳優日本語吹替
TBS
フィリップ・マーロウエリオット・グールド森川公也
アイリーン・ウェイドニーナ・ヴァン・パラント(デンマーク語版)小谷野美智子
ロジャー・ウェイドスターリング・ヘイドン宮川洋一
マーティ・オーガスティンマーク・ライデル青野武
ドクター・ヴェリンジャーヘンリー・ギブソン千葉耕市
ハリーデヴィッド・アーキン(英語版) 
テリー・レノックスジム・バウトン
モーガンウォーレン・バーリンジャー(英語版)
ルターニャ・スウィートルターニャ・アルダ
デイヴ(ソクラテス)デビッド・キャラダイン
チンピラアーノルド・シュワルツェネッガー
不明
その他日高晤郎
宮下勝
藩恵子
蟹江栄司
仲木隆司
峰恵研
広瀬正志
平林尚三
山岡葉子
葵京子
加川三起
峰あつ子

演出蕨南勝之
翻訳入江敦子
効果遠藤堯雄
桜井俊哉
調整
制作東北新社
解説荻昌弘
初回放送1978年11月13日
月曜ロードショー

※日本語吹替は2015年10月7日発売の『吹替の名盤』シリーズ 〈テレビ吹替音声収録〉HDリマスター版DVDに収録)
スタッフ(映画)

監督:
ロバート・アルトマン

製作:ジェリー・ビック

製作総指揮:エリオット・カストナー

脚本:リイ・ブラケット

原作:レイモンド・チャンドラー(『長いお別れ』より)

撮影:ヴィルモス・スィグモンド

音楽:ジョン・ウィリアムズ

備考(映画)

松田優作がこの映画にインスパイアされ、TVでは『探偵物語』、映画では『ヨコハマBJブルース』を生み出したことで知られている[1]

映画評論家の町山智浩は『ビッグ・リボウスキ』『インヒアレント・ヴァイス』『アンダー・ザ・シルバーレイク』『グッドフェローズ』『アホーマンス』なども、この映画の影響をうけているとしている[2]

アニメ監督の渡辺信一郎は、『映画秘宝』のインタビュー本で自身のベスト10として本作『ロング・グッドバイ』を入れている[3]

映画美術家の種田陽平は本作を、1999年に行われたキネマ旬報のオールタイムベスト企画で、自身のベスト10の一つに挙げて、コメント欄で「『ガルシアの首』や『ロング・グッドバイ』に匹敵する熱いアメリカ映画はもう見られないのか。『ファーゴ』を演出したコーエン兄弟にはその可能性があると思います」と、サム・ペキンパー『ガルシアの首』と共に本作を特別な映画と言えるコメントを出した [4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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