ロリータ_(1997年の映画)
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ナボコフ研究者からは、複数の次元を合わせ持つ複雑な小説である原作をハンバートの単調なメロドラマに縮小してしまった、という批判を受けた[2]
ストーリー

イギリス人でフランス文学教授であるハンバートは、アメリカに職を得てニューハンプシャー州にやってきた。ハンバートはシャルロットという未亡人の家に下宿することにするが、シャルロットの娘である14歳のロリータに心を奪われてしまう。ハンバートは少年時代に恋人を亡くしており、ロリータはまさに彼女の再来であったのだ。

ハンバートはロリータと一緒に過ごすために、シャルロットと結婚し、彼女の義理の父親となる。彼はロリータに遠まわしに言い寄り、2人の仲は縮まっていくが、ある日ハンバートがロリータへの想いを綴った日記を見たシャルロットは逆上し、道路に飛び出して不慮の事故死を遂げてしまう。

ハンバートはキャンプ帰りのロリータを連れ出し、二人きりのアメリカ放浪の旅に出かけるのだった。そのうちロリータは興味本位から、ポルノ製作に関わるキルティという男と知り合う。ハンバートはロリータの異変に気づき、どんどん過保護になっていくが、それとは裏腹にロリータはハンバートから離れて行く。

ある日、体調不良を訴えて病院に一晩泊まることになったロリータは、隙をみて脱走してしまい、それっきり消息を絶ってしまう。数年後、彼女のもとから一通の手紙が届く。ロリータは結婚、妊娠しており、お金が足りなくて困っているという内容だった。ハンバートは彼女のもとへ向かうが、あの頃の魅力はすっかり衰え、青年と粗末な生活をしていた。ロリータからキルティのことを聞かされたハンバートは怒りに震え、キルティに復讐を遂げようと彼のもとへ向かうのだった。
キャスト

※括弧内は日本語吹替

ハンバート・ハンバート -
ジェレミー・アイアンズ佐古正人

ドロレス・“ロリータ”・ヘイズ - ドミニク・スウェイン小林さやか

シャルロット・ヘイズ - メラニー・グリフィス鈴木弘子

クレア・キルティ - フランク・ランジェラ壤晴彦

プラット校長 - スザンヌ・シェパード(英語版)(沢田敏子

リガー牧師 - キース・レディン(英語版)(喜多川拓郎

モナ - エリン・J・ディーン(英語版)(深水由美

ミス・ラボーン - ジョアン・グローヴァー(片岡富枝

プロダクション

制作されたのは1997年だが、アメリカでは小児性愛的な場面があるとして公開が見送られ、1998年になってから一部の映画館で上映された。オーストラリアでは1999年まで公開されず、公開時にはR18指定となった。

脚本は何度か書き直しされたが監督が気に入らず、最終的に映画脚本を初めて手掛けるジャーナリストのステファン・シフが担当した[3]。制作中にアメリカの児童ポルノ禁止法が制定されたこともあり、アメリカより先にヨーロッパなどで公開されたが、児童の性犯罪事件が問題化していたイギリス、ドイツ、ベルギーでは上映反対運動が起こった[3]

撮影はノースカロライナ州ルイジアナ州テキサス州カリフォルニア州、南フランスで行なわれた[2]。ロリータを演じたスウェインは当時17歳で原作より年上だったが、おさげ髪やショートパンツ、歯列矯正、飴玉などで幼さが強調された[3]
脚注^ a b “Lolita (1998)”. Box Office Mojo. 2009年11月13日閲覧。
^ a bHumbert Humbert とNorman Rockwell―映画Lolita(1997)の功罪を再考する中田晶子、南山短期大学紀要32巻、2004年
^ a b c映画Lolita とアメリカ中田晶子、南山短期大学紀要 27号、1999年

関連事項

ロリータ (1962年の映画) - スタンリー・キューブリックによる映画化作品

外部リンク

ロリータ
- allcinema

ロリータ - KINENOTE

Lolita - オールムービー(英語)

Lolita - IMDb(英語)










ウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』(1955年)
映画

ロリータ』(1962年)

『ロリータ』(1997年)

関連項目

魅惑者

ローの日記

ロリータ・コンプレックス




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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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