ロボテック
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

2002年、当時DCコミックス子会社であった[26] ワイルドストーム(WildStorm)社の出版開始に伴い、ハーモニーゴールド USA 社は、「ロボテック」世界の後付け設定を公式に決定した。

同社はこれを「シリーズの再起動」と定義し、日本国の「ガンダムシリーズ」などにもみられる、21世紀のファンダムを含めた情況に合わせた設定の更新(アップデート)によって「公式設定そのものの書き換え」が行われた。

これによってたとえば、2002年の書換え以前は「Robotech Expeditional Force」(REF)という制式名称であった遠征艦隊軍が新たにその名称を「United-Earth Expeditionary Force」(UEEF)とされるなどの大幅な変更が加えられ、以下の作品が「二次的な連続性を持つ作品」へと左遷された。
二次的連続性作品の一覧

センチネル関連で作品化したものすべて(映像・漫画・小説)。

ロボテック:ザ・ムービー(厳密にはテレビシリーズの続編ではない)。

コミコ社、エターニティ社、アカデミー社、南極出版社(Comico, Eternity, Academy, Antarctic Press)社のすべての漫画。

パラディウム・ブックス(Palladium Books
)社のロールプレイングゲームテーブルトークRPG関連出版物のすべて。

ジャック・マッキーニ(Jack McKinney)の小説。End of the Circle (円環の終わり)が有名。

これらの作品は「ロボテック」本編との繋がりを残しているが、アニメシリーズ全85話の公式の出来事に従属するかたちとなる。特にジャック・マッキーニ両名による小説は、『センチネル』編の展開が進むにつれて、本筋から大きく外れ、神秘主義に傾いていった。
完成作
Robotech UN Public Service Announcement (2005)

2005年に製作された。

スコット・バーナード(Scott Bernard)およびアリエル(Ariel)の対話と、かつてインビッドからの地球解放を目指す「地球奪還降下作戦」や、衛星ティロル(Tirol)の解放作戦に使われた、強襲降下用装甲艇「ホリゾン(ト)-V」が、今度は、遠征艦隊軍国際連合暗喩する)の難民に対する国際救援物資の輸送(地球なのか、衛星 Tirol なのかは不明)に使われる場面を特色とする国連の60周年記念の60秒単位で揃い踏みされた公共サービス公報は、『シャドウ・クロニクル』のアニメーション製作作業の合間を縫って製作された。オリジナルの声優を使用せず、対話は公報フィルムの限界上、キャラクター性が多少不足していたが、それにもかかわらず長年にわたり未完成企画の連続であった「ロボテック」の米国独自新作アニメーション製作において、最初の完全に完了されたフィルム・フィート数として記録された[27]
Robotech: The Shadow Chronicles (2007)

2002年、トミー・ユン(Tommy Yune)が新作の展開を発表した。この作品は2004年に『ロボテック:シャドウ・フォース』(Robotech: Shadow Force)と名付けられた。タイトルはすぐに変更され、『ロボテック:シャドウ(シャダウ)・クロニクル』(Robotech: The Shadow Chronicles)となった。

ハーモニーゴールド USA 社の代表は、アメリカ、カナダ各地の、アニメコンベンションSFコンベンション会場に展示パネルを設け、プロダクション・アートやパイロット版のCGアニメを展示した。

2005年のアニメエキスポコミック・コンの会場において制作中の作品の予告編が上映され、これはウェブサイトでも観ることができる。

「ロボテック」20周年となる2005年の完成を目指したが、実際は遅れ、北米で2007年2月6日(オーストラリアは2007年3月7日)にDVDが発売された。

物語構成は、最初の30分が The New Generation(『機甲創世記モスピーダ』)の最終回のリメイク版とでもいうべき展開で、前述のように、その一話手前の24話で名前だけ登場したリック・ハンター(Rick Hunter、一条輝)提督が行方不明になるエピソードも加えられている。

その後の1時間は新展開となり、新たな敵でインビッド女王が「影の子供たち」あるいは「シャドウの子ら」(The children of shadow)と呼ぶハイドニット種族(Haydonites)の企みと、彼らとの遠征艦隊軍(EF)の戦いが描かれる。

旧シリーズからは

スコット・バーナード(Scott Bernard、スティック・バーナードに相当)

アリエル(発音上は「エリアル」 Ariel、アイシャに相当)

インビッド女王リージス(Regis, Regiss、レフレスに相当)

ギュンター・ラインハルト大将(General Gunther Reinhardt、無名の第三次地球奪還軍艦隊指揮官に相当)が登場。

新登場人物として、かつて Roy Fokker(ロイ・フォッカー)や Rick Hunter(一条輝)が務めたスカル飛行大隊のスカル・リーダー(Commander, Air Group:CAG)として

マイア・スターリング(Maia Sterling)中佐[注 8]

マーカス・ラッシュ(Marcus Rush)大尉[注 9]

が登場する。

登場人物は、従来どおりの手描き作画によるアニメーションである一方、メカは可変モータサイクル「サイクロンシリーズ」(VR-052F モスピーダ VR-057S シャドウモスピーダ)を除く、そのほとんどがCGを使用したものになっている。

ハイドニット(Haydonites)の戦闘ロボに人が襲われるシーンなども、人物は作画、メカはCGという表現を通しているが、唯一ベリテック(VERITECH)「サイクロン」(Cyclone、日本版でのアーマーバイク/ライドアーマー)に関しては、バイク形態からライドアーマーに至るまでCGを使わず、作画で描かれている。

ハーモニーゴールド USA 社との提携というかたちで、タツノコプロも製作に参加している。エンディング・クレジットによると企画はタツノコプロとなっており、その製作総指揮[注 10]として成嶋弘毅九里一平の氏名が明記されている。

製作相談役として、九里一平とともに 寺田憲史の名がある[注 11]

そのほかにタツノコプロ関連で名前が知られている人物では、企画相談役として岩田弘(『マクロス』『モスピーダ』の制作担当)の名前が記されている。天野喜孝荒牧伸志柿沼秀樹 の名前もオリジナルデザイン担当として明記されている。アニメーション作業部の実制作大韓民国DR MOVIEが担当。
日本語版

「ロボテック・シリーズ」に関する商標権利上の問題から米国のライセンス保持企業や、翻案元の各々の原作に関する日本の著作権利者や商標権利者側で認知した、公式の日本語により翻訳された商業「ロボテック・シリーズ」作品は 2017年 1月現在、存在しない。このため、権利関係の問題からDVD等の映像ソフトや漫画作品と同じく、日本国の領土内のドメイン名からは通信販売による購入の発送先に「日本国」を指定できず、また、「配信作品もダウンロード購入ができない措置が施されている[28]
Robotech: Love Live Alive

2011年10月17日のロサンゼルス郊外のハーモニーゴールド USA所有のプレビュー・ハウスにおけるカール・メイセックに関するドキュメンタリー映画公開[29] の席上で、ケヴィン・マッキーヴァ、およびトミー・ユンらの同社制作幹部は、2007年に「シャドウ・ライジング」として告知したアニメ新作について『機甲創世記モスピーダ』のイエロー・ベルモントのライブ構成のOVA『LOVE, LIVE, ALIVE』から借用したタイトルで、西暦2012年から2013年に掛けてのいずれかの日にDVDおよびBlu-rayで発売する前提で制作を続行中であることを告知し、その席上で制作中のフィルムの一部を公開した。発売は2012年のいずれか、発売元は同社の新規販売提携先(ディストリヴューター)である A+E ネットワーク・ホーム・エンターティメント(A+E Networks)を予定していたが、ライオンズゲート・ホーム・エンターティエンメント(Lionsgate Home Entertainment)社に変更され、2013年7月23日に米国本土で発売された[30][31]。 詳細は「:en:Robotech: Love Live Alive」を参照
未完成作
Robotech: The Movie

映画『ロボテック: ザ・ムービー』(Robotech: The Movie)、別名『ロボテック: 語られざる物語』(Robotech: The Untold Story)は、オリジナルテレビシリーズのあと、最初に作られた「ロボテック」映像企画である。

日本のOVA『メガゾーン23』(1作目)を基礎に『超時空騎団サザンクロス』から抜き出したいくつかの場面を継ぎ合わせたもので、テレビシリーズとの連続性は後付け的な番外編としての位置付けになる。詳細は「メガゾーン23#ロボテック版」を参照

メガゾーンの敵であるデザルグはロボテック・マスターズ率いるTirolian(ゾル人)に組み込まれ、サザンクロス軍およびメガゾーン23特別区防衛軍(この作品では同一の軍事組織の極東展開軍の名称とされる)の戦闘映像がそれぞれ併行して描かれる。例えば宇宙での戦闘は、最初メガゾーンのフィルムから始まり、後半サザンクロス宇宙軍のものに移行する。好敵手B.D.アンドリュース大佐(これも偽名で、のちのT.R. Edwards准将と同一人物とされ、小説版では日本人風に変装し、偽名で「安藤 誠一郎」を名乗る)が序盤の戦闘後、ゾル人の指揮官たちによって洗脳を受ける場面(『サザンクロス』の映像流用)が加わり、また内部に街を持つ巨大宇宙船メガゾーンは存在せず、単に地球上の舞台設定に変更されている。

このために、明確には語られないがナレーションで舞台設定を東京と暗示され、GarlandとHaganが戦闘中に宇宙に飛び出す場面は、宇宙戦闘訓練用シミュレーター室ということにされている。

なお、オリジナルの『メガゾーン23』は主人公の敗北で物語が完結しているが、本作のために、自治軍戦闘機とそれに内蔵された宇宙用ハーガンを奪い、飛行場での最終決戦を行うハッピーエンドの部分が日本人アニメーターにより制作されている。アカデミー社による漫画版では結末部分がさらに異なった展開となっており、Garlandが戦闘機ごと変形した強化型になってB.D.を倒したり、その後宇宙に上がりTirolian軍に最後の打撃を与えたりする。

この作品はテキサス州での試写に失敗し、姿を消した。監督のカール・メイセック(Carl Macek)がプロジェクトから手を引いたあと、ハーモニーゴールド USA社は『メガゾーン23』のライセンスを手放した。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:307 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef