ロボテック
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「Robotech Art 3」でのカール・メイセック監督の説明によると、円高と制作パートナーである玩具会社、マテル社のミニカー・ブランド、マッチボックス(Matchbox)社の撤退(同社はのちに倒産)により、このシリーズは打ち切られた。このシリーズを完成させようとする努力はどこかへ行ったが、パイロット版はロボテックテーブルトークRPG出版社パラディウム(Palladium)社からVHSビデオテープの媒体で発売された(現在、ADVフィルム / ADV Films社が販売する「ロボテック」のDVDの一部として入手できる)。その後はジャック・マッキニー(Jack McKinney)の小説と、ジェイソンとジョンのウォルトリップ兄弟(Jason Waltrip, John Waltrip)による漫画版で続きが描かれた。
Robotech: The Odyssey

プロデューサーのカール・メイセック(Carl Macek)は、ほかにも『ロボテック:オデッセイ』(Robotech: The Odyssey)というシリーズを企画していた。SDF-3 パイオニア(Pioneer)の乗組員たちがタイムパラドックスによって太古の異星人とされていたプロトカルチャーの始祖となり、オリジナルのテレビシリーズの「ASS-1 マクロス」落下に至る展開を予測させる場面を結末とする円環・輪廻的な物語を、平日放送で1年間かけて完結させようと試みた全260話の大作である。しかし「センチネルズ・シリーズ」の映像作品としての企画失敗のあと、「オデッセイ・シリーズ」の製作が始まることはなかった。

しかし、その構想は共同ペンネーム、ジャック・マッキーニ(Jack McKinney)両名による小説版の著書の一冊、 The End of the Circle に活かされた。
Robotech 3000

カール・メイセック(Carl Macek)は、新たな続編として『ロボテック3000』(Robotech 3000)を作ろうとした。パイロット版デジタル・データ上映時のライセンス元である ハーモニーゴールド USA 社の幹部スタッフの反応と、のちの FanimeCon 2000 [32] でのファンの反応が悪かったので、製作は中止された。「ロボテック」公式サイトで予告編が見られるのみである。

なお、CG製作は、『バビロン5』のCGI(シージーアイ) 特殊効果で名を馳せた、ジェイソン・ネッター(Jason Netter)[33] が設立したネッター・デジタル・エンターテイメント(Netter Digital Entertainment / NDE)。
Robotech: Shadow Rising

2007年2月27日の「ニューヨーク・コミック・コンベンション」(Comic-Con 2007)の席上で『ロボテック:シャドウ(シャダウ)・クロニクル』(Robotech: The Shadow Chronicles)の監督、トミー・ユン(Tommy Yune)は、同作の続編となる劇場公開作品の製作を発表した。

公開は2年後の2009年を予定し、前作と同様DVD発売に加え、次世代光ディスク(Blu-ray Disc , HD DVD)版の発売も念頭にあるとスタッフにより説明されたあとで、監督は「『ロボテック:シャドウ・クロニクル』は小売で成功しており、我々は現在続編を製作中です。」と付け加えた。

同日のあとの時間に、続編が長編映画(Feature-movie)であり、続編のタイトルは『ロボテック:シャドウ・ライジング』(Robotech: Shadow Rising)であることが明らかにされ、フィルムは最速で発表から2年内に公開されることが期待されると述べた。

詳細なプロットは作品の営業上の事情から伏せられているが、製作発表時のハーモニーゴールド USA社の言によると「重要な登場人物の死、新規キャラクター間における(恋愛)感情の進展、敵ハイドニット側の新展開」が予定されている。

その後、2008年中ごろのハーモニーゴールド USA社による追加発表により、フィルム・デジタルデータ作成の進展がみられず、ワーナーブラザース資本の実写映画の開発期間までの「当分の間」アニメーション版の製作は無期限に延期されたと断言した。

あとになって、当初の発表の「2年間」の見積りが誤解であることが、ファン[誰?]によって明らかにされた。2年の期日は、トミー・ユン(Tommy Yune)によって可能性としてありうると述べられたに過ぎず、それが実際の公開日であることを決して意図していなかった。しかしファンは、この2年の期間のあとが実際の公開予定日であるとその意味を誤解した。

このことは、「ロボテック」ファン層のなかで大きな混乱を引き起こした。さらに同社の別の従業員が「アニメーションは中断した」と発言したために、ファンはいっそう混乱した。この発言が真実に照らし合わされていないにもかかわらず、多くのファンが次回作のアニメーション映画の公開が延期されたという意味に受け取った。

ハーモニーゴールド USA 社はあとになって、「ロボテック」専門番組 『宇宙ステーション「リバティ」トーク・ショウ・コールイン・ライブ・ポッドキャスト』(Space Station Liberty, a TalkShow Call In Live Pod Cast)[34] に幹部みずから登場し、訂正発言をしてこの誤解を正した。

ハーモニー・ゴールド USA 社の幹部は「見積もられた公開日」に関する誤りについて説明し、製作過程の他の部分が「それ」(完成分の絵コンテ)に追いついたが「中断」という用語が「アニメーション製作が保留される」という意味の「映画業界用語」である旨を説明した。

この場合、脚本声優のための台本、ストーリー・ボード(日本語でいう絵コンテ)、製作過程の他の部分は、アニメーション製作自体が保留されていても継続する。しかし、アニメーション実制作作業が生産の残余部分を追い越したとき、アニメーターには、ハーモニーゴールド USA 社の脚本家から物語の次の1カット分の絵コンテを手に入れるまで、何もするべき仕事がなく手空きになることを意味した。

この時点で、確定した公開日時は与えられなかったが『ロボテック:シャドウ・ライジング』(Robotech:Shadow Rising)は、当初見積もられた公開日時よりは製作進行していることが報告された。

「アニメ・エキスメB2009」(AnimeExpo 2009)の会場で、ケビン・マッキーバー(Kevin McKeever)と、トミー・ユン(Tommy Yune)は『ロボテック:シャドウ・ライジング』(Robotech:Shadow Rising)が、ワーナー・ブラザース社の実写映画の製作発表以来、無期限に延期されているのを確認した。

関連企業である映画製作会社ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures)は現在、活発に膨大な予算を注ぎ込んで「ロボテックの実写長編映画」(Robotech Live-action Feature Film)第一作目となる『マクロス・サーガ』(Macross Saga)を製作中で、このために脚本家、台本家、CG製作や、俳優・女優の演技撮影部分とCG等の合成に伴うSFX準備や、撮影後の作業であるVFX作業をも視野に入れたアニメーション製作スタッフの引き抜きにより、アニメーション版の続編の製作作業は事実上停滞している。

2011年7月2日(アメリカ太平洋標準時 (UTC-8) 太平洋夏時間)、ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催された「アニメ・エキスポ」のパネル・ディスカッションにおいて、ケヴィン・マッキーヴァ、トミー・ユンをはじめとするハーモニーゴールド USA社の幹部は、実写映画の進展状況には言及せず、ランサー・ベルモント(イエロー・ベルモント)、インビッド人間体の「シ・ラ」(ソルジー)らを主役に据えた映像作品の制作が進行中であることを明らかにし、2012年から2013年に掛けて、日本を除く全世界に公開する予定であることを明らかにした。

なお、アニメーション映像新作の題名『シャドウ・ライジング』は制作途上の企画段階での仮称であり、作品が完成し公開される際に変更もありうる。
Robotech Academy

2014年7月5日(米国西部標準時)、ハーモニーゴールド USA社は、Kickstarter方式により、『超時空騎団サザンクロス』を下敷きとした(再編集ではない)完全新規作画の映像作品『ロボテック:アカデミー』(: Robotech: Academy) のパイロットフィルム の制作資金を募り、将来的にはミニシリーズを制作することを目指したプロジェクトを発表した[35]。これらの企画は元来、カール・メイセックが生前に構想していた企画を発展させたものである。その概要は同社 Kickstarter ウェブサイトで紹介された。

ハーモニーゴールド USA社は、Kickstarter の成立要件となる資金調達計画の達成目標額を 500,000 米国ドル とし、この資金を以って新しい24分間のパイロット版の単独エピソードを制作し、Kickstarter の出資者の購入希望者のほか、「ロボテック・シリーズ」のファン向けの販売利益に加え、世間の関心を集めることにより、次の目標であるミニシリーズ制作のための資金獲得の礎とすることを意図した。

しかし、このクラウドファンディング(crowd funding)は、2014年8月9日の募集締切日 [36] を待たず、同社の自主的な判断により同年8月2日に出資募集を中止(キャンセル)された。

ハーモニーゴールド USA社 はその理由として、中断までに出資が目標額の 39% にあたる、194,574 米国ドル しか集まらなかったことを理由に挙げており、同社は、プロジェクトを実現する資金調達を実現するための他の選択肢を探ることを発表した[37]
ビデオ・DVD

ファミリー・ホーム・エンタテインメント(Family Home Entertainment / FHE
)社は最初、各巻に1話収録したビデオを販売したが、初期の数話を販売しただけでこの手法をやめた。その次に、『マクロス・サーガ』全36話を編集のうえ、導入部や展開の遅いシーンを削除し、『マスターズ』(『サザンクロス』)や『ニュー・ジェネレーション』(『モスピーダ』)に関する部分は無視して、6本のビデオにまとめたものを販売した。その後の3度目のビデオ化で、全シリーズの未編集版を各巻に2話収録した全42巻を販売し、ついに成功した。

パラディウム・ブックス(Palladium Books)社は「ロボテック」のロールプレイングゲームを出版したが、その他にシリーズの一部と『ロボテック II: センチネル』のビデオの通信販売も行った。

『ロボテック』終了後にカール F. メイセック(Carl F. Macek)が設立したストリームライン・ピクチャーズ(Streamline Pictures)社は、未完の Perfect Collection シリーズのビデオを発売した。このシリーズは、『ロボテック』に対応する話を日本版の『マクロス』、『サザンクロス』、『モスピーダ』から2話ずつ抜き出した。ノーカットだが、不正確な字幕付き [38]で収録し、英語圏の視聴者が多数の改変部分を見ることを可能にした。


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