以下は現実世界におけるロボットの研究・開発状況について解説する。
ロボットは長い間フィクションの中だけに登場する存在であったが、主に工場などの生産ラインで腕力の必要な作業や、高温など危険な環境下での機械関係の点検・保守作業などで、自律的に人間の代行ができる機械が産業用ロボットと呼ばれ活躍している(自動車組み立てロボットなど)。「産業用ロボット」も参照
すでに一部では、自動的に建物内を巡回・警備するロボットのレンタル事業が開始されており、病院内の物資運搬におけるロボットカートの採用、また自動車の自動運転という意味のロボットカーなど、非人間型ロボットを中心に、移動する自動機械が人間社会の中で実際に活動を始めている。
福島第一原子力発電所事故の発災後に日本製の原発ロボット(調査ロボット)の投入が遅れたことや、その後、投入されたものの目覚しい活躍を示していない現状[18][19]や、掃除用ロボットなどの分野で日本企業が主役から外れていることなどを背景に、実用性の高いロボットの研究開発の重要性が指摘されている。 用途別と構造別による分類が行える[20]。 1980年代後半以降、ASIMO(本田技研工業)・HRP-2/HRP-3(川田工業・産業技術総合研究所・川崎重工業)・SDR-4X
分類
用途別による分類[21][20]
産業用ロボット分野
産業用ロボット
製造業
溶接ロボット、塗装や組み立て・搬送ロボットなど
3品産業
食品、化粧品、医薬品 に関わるロボット
サービスロボット分野
サービスロボット
家庭用ロボット、医療用ロボット、介護ロボット、宅配ロボット、パワードスーツ、エンタテインメントロボット(娯楽・家庭向けと展示用を含む)、警備ロボット、掃除用ロボット
特殊環境用ロボット
探査ロボット、宇宙ロボット、レスキューロボット、軍事用ロボット
構造による分類
マスタースレーブ型ロボット
マニピュレーター装置付き小室
プログラム制御型ロボット
直交ロボット、円筒・極座標型、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボットなど
移動型ロボット
二足歩行ロボット、多脚、車輪、クローラ、飛行など
ヒューマノイド
人体装着型ロボット(パワードスーツ)
マイクロロボット
人型二足歩行型「トヨタ・パートナーロボット」詳細は「二足歩行ロボット」を参照
いずれもこれら人の形をした(もしくは目指した)ロボット開発は、古くからのSF作品で描かれた「人間社会に溶け込み、人間との共同作業や共に生活するロボット」というイメージに沿ったものでもあり、日本においては『鉄腕アトム』の影響が少なからず二足歩行ロボット開発者の発言に示されている一方、若い世代では一連の巨大ロボットもののアニメーション(→ロボットアニメ)が言及される。