ロボコップ
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配給収入 9億1000万円[2]
次作ロボコップ2
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『ロボコップ』(RoboCop)は、1987年に公開されたアメリカ映画およびこの映画に登場するサイボーグの名称。殉職した警官の遺体を利用したサイボーグ警官「ロボコップ」が活躍するバイオレンスSFアクション映画である。公開当時、これまでのヒーロー作品に無かった残虐描写が話題となった。主人公は人体と機械を合わせたサイボーグではあるが、物語上、開発した会社の思惑によりロボという言葉が冠せられている。

同じオライオン・ピクチャーズ配給の映画『ターミネーター[3]と同様に、低予算で作られながらも興行収入5300万ドルを超える1980年代を代表するヒット作。本作の人気により、続編の『ロボコップ2』や『ロボコップ3』が製作され、後にテレビシリーズやアニメアメコミなども製作された。また、1987年版のリメイクとして『ロボコップ』(2014年版)も製作された。
あらすじ

凶悪犯罪都市となった近未来[4][5]デトロイト。巨大コングロマリット企業「オムニ・コンシューマ・プロダクツ」(OCP、通称オムニ社)によって民営化されたデトロイト市警察では、現場の警察官が過酷な勤務を強いられ、ストライキを起こそうとの機運すら高まっていた。オムニ社は未来都市「デルタシティ」建設に向け、犯罪を取り締まるロボット警官の開発を進めていたが、ジョーンズ副社長の主導で開発された「ED-209(英語版)」(エド・ツーオーナイン)はプレゼン中に暴走事故を起こし、死者を出してしまう。別チームのロボット開発計画を主導していたモートンはオールドマン会長に売り込みをかけ、計画の主導権を握る。

モートンが計画するロボット警官には、新鮮で優秀な「警官の遺体」が必要であり、モートンは「候補者」となる優秀な刑事を最も過酷なデトロイト市警西分署へと異動させていた。その内の一人で、転属してきたばかりのアレックス・マーフィ巡査は、バディに指名されたアン・ルイス巡査と共に、大勢の警官殺しで指名手配中のマフィア「クラレンス一味」を追った。2人は一味の隠れ家に潜入したものの、一味に捉えられたマーフィは至近距離から斉射を浴び、瀕死の重傷を負う。マーフィは薄れゆく意識の中で、自分がどこかの手術室に搬送されていくのを悟る。

まもなくモートンが率いる開発チームが「ロボコップ」を発表し、西分署に着任させる。周囲の警察官が呆気に取られる中、ロボコップがマーフィと同じガンスピンを披露する様子を見たルイスは、その正体に疑念を抱く。実はこのロボコップは、殉職したマーフィの生体部分を部品として利用して完成させたものであった。街に出動したロボコップは次々に犯罪を解決していき、モートンは副社長に出世するが、面子を潰されたジョーンズは彼に宣戦布告する。

ロボコップには感情も記憶もなく、プログラムに基づいてのみ行動をするはずだったが、休息中に生前の記憶が断片的に過ると混乱を起こし、開発チームの命令を無視して出動していく。ルイスに「貴方はマーフィなの?」と問いかけられた事や、出動先で取り締まったクラレンス一味のエミールから「俺たちが殺したはずだ」と言い放たれた事で、自分の正体に疑問を持ったロボコップは、エミールの情報を元にデータベースを調べ、自分がクラレンス一味に殺されたマーフィであるという真実を知る。そして生前家族と暮らし、現在は売家になっている家を訪れ、記憶を取り戻すのであった。その頃、ジョーンズと繋がっていたクラレンスによってモートンが殺害される。

ロボコップはクラレンス一味の取引現場である麻薬工場に乗り込み、クラレンスを逮捕するが、その際に一味を支援する黒幕がジョーンズである事を知る。ロボコップはオムニ社へ乗り込み、ジョーンズを逮捕しようとするが、極秘に仕込まれていた「オムニ社の役員には危害を加えない」という指令プログラムによって行動を封じられてしまう。ジョーンズがけしかけたED-209を振り切ったロボコップは、「オフィスを襲撃した」との通報で駆けつけた警官隊に攻撃されるが、ルイスの助けを借りて脱出する。

警察がストライキに突入し、街が無法地帯と化す中、ジョーンズは釈放させたクラレンス一味に重火器を与え、証拠隠滅のためにロボコップ抹殺を指示する。一方クラレンスも、デルタシティ完成後の犯罪利権(麻薬・売春・賭博)を条件に、一味を引き連れロボコップが身を隠す製鉄工場へ向かう。奇襲を受けたロボコップとルイスは力を合わせ、ルイスが重傷を負うもこれの迎撃に成功。再びオムニ社へ向かったロボコップは警備のED-209を一蹴し、役員会議に乗り込む。一同の前で殺人の黒幕である証拠を公開されたジョーンズは、オールドマン会長を人質に取って逃走を図るが、オールドマンが「お前はクビだ!」と宣告したことで「オムニ社の役員の保護」指令の対象外となり、ロボコップに銃撃されて建物から転落する。オールドマンに名前を問われたロボコップは「マーフィ」と答え、笑みを浮かべながら会議室を後にするのだった。
登場人物
主要人物
アレックス・マーフィ /
ロボコップ(Alex Murphy / RoboCop)
演:ピーター・ウェラー主人公。デトロイトの警察に赴任した警察官。階級は巡査。治安が悪すぎて殉職率が極めて高いデトロイト地区での事件の検挙率が高いなど有能な警官であったが、凶悪犯のクラレンス一味を追いかけた事件で反撃に遭い、殉職してしまう。しかしオムニ社によりロボコップとして蘇る。生前は妻子がおり、息子が好きだった特撮ドラマの影響から西部劇のように銃を回す癖があり、その癖はロボコップとなってからも失われなかった。凶悪事件を次々と解決していく中で、徐々に自身の自我と記憶が蘇り、自分がマーフィだと自覚するようになる。
アン・ルイス(Anne Lewis)
演:ナンシー・アレンヒロイン。マーフィの相棒。女性だが腕っぷしが強い。コンビを組んですぐにマーフィが殉職したため付き合いが短かったが、理解者であり、ロボコップがマーフィーと同じ癖を見せた事から、マーフィと同一人物であることに気付く。ジョーンズの陰謀によりロボコップが四面楚歌に陥っても献身的に接した。クラレンス一味との最終戦では重傷を負って意識が朦朧としながらもレオンを狙撃してロボコップを助けた。最後は自分はもう助からないとロボコップに告げるが、続編で生存していたことが明らかとなる[6]
OCP(オムニ社)
オールドマン会長(Old Man)
演:
ダン・オハーリーオムニ社の会長。デルタシティー建設に向け、犯罪撲滅の切り札となる治安維持ロボットの開発を指示。当初ジョーンズにこのプロジェクトを託していたが、開発されたED-209がプレゼンの場で暴走した事により、代わりにモートンが売り込んだロボコップ・プロジェクトを採用する。終盤で悪事が明るみに出たジョーンズに人質にされてしまうが解雇を宣告したことでロボコップの指令4が無効となり、ジョーンズを肘打ちで怯ませ、ロボコップに射撃をさせる機会を作った。
リチャード "ディック" ・ジョーンズ(Richard "Dick" Jones)
演:ロニー・コックスOCPの保安担当で副社長。表面上は紳士的に振舞っているが、犯罪組織であるクラレンス一味と繋がりがあり、自身の障害となる人物を殺害することに一切の躊躇を見せない極悪人。デルタシティー計画に伴い自身が企画した治安維持ロボットED-209によるデトロイトの治安回復を目論むもプレゼンの場でED-209が暴走[7]し、その件をモートンに侮辱された事からクラレンスを使って彼を抹殺し、ロボコップをも破壊しようとする。最後はプレゼンの場に乗り込んで来たロボコップに自身の悪事を暴露され追い詰められた事で会長を人質に逃亡を図ろうとするが、激怒した会長に解雇を告げられた事で指令4が無効化され、ロボコップに発砲され高層階から転落死する。
ロバート"ボブ" ・モートン(Robert "Bob" Morton)
演:ミゲル・フェラーOCPの役員で後に副社長に昇進。ロボコップのアイデアを売り込んだ張本人。素体となる殉職者を出すために多くの警官を治安の悪いデトロイトに送り込んだ点では間接的にマーフィーを死に追いやった人物でもある。出世の為なら手段を選ばない野心家としての一面を持っている。ED-209の暴走事故を起こしたジョーンズを侮辱したため、殺害対象と見做されてしまう。後に自宅で呼び寄せた女性モデルとドラッグパーティーを楽しんでいたところをジョーンズの命を受けたクラレンスに殺害される。
ドナルド・ジョンソン(Donald Johnson)
演:フェルトン・ペリーOCPの役員でモートンの同志。次作では副社長に昇格する。
キニー(Kinney)
演:ケヴィン・ペイジOCPの役員。ED-209の暴走により死亡。
ビル・ウォーカー(Bill Walker)
演:リック・リーバーマンOCPの重役。社内のトイレでモートンと共にジョーンズの侮辱を行った。
ルーズベルト(Roosevelt)
演:スティーヴン・ベリアーOCPの科学者。ロボコップ計画に関わっている。
タイラー(Tyler)
演:セイジ・パーカーOCPの女性科学者。ロボコップ計画に関わっている。
犯罪者
クラレンス一味
クラレンス・ボディッカー(Clarence J. Boddicker)
演:
カートウッド・スミス犯罪組織であるクラレンス一味のリーダー。今やデトロイトの裏社会のビジネスを取り仕切る大物で、警官殺しを含む多くの罪で指名手配されている。冷酷で残忍な性格で会話に悪趣味な冗談やユーモアを取り入れることを好んでいる。一味そろってマーフィを銃撃でいたぶり、最後にとどめをさした。ジョーンズとも繋がりがあり、彼からの命令で動くこともある。麻薬工場でロボコップに大怪我を負わされ逮捕された事を機にジョーンズと縁を切り手を引こうとするが、再開発される地域の麻薬、売春婦、カジノ等の裏経済を任せ支配させる事と強力な武器を用意する事を条件に、ロボコップとの戦いに挑む。最終戦となる廃工場の戦いではレオンの援護を利用してロボコップを一時的に行動不能にしたが、ロボコップが外部コンピューターとの接続に使う爪で首を刺されてしまい、傷から血を噴き出しながら死亡する。
レオン・ナッシュ(Leon C. Nash)
演:レイ・ワイズクラレンス一味のメンバー。実質的に一味の副リーダーのポジションにいる。ナイトクラブで遊んでいたところを逮捕されるが他のメンバー同様に、ジョーンズの手回しで釈放された。廃工場の戦いではロボコップがクラレンスに一点集中している隙をついてクレーンを使い鋼材の嵐を浴びせて一矢報いることに成功したものの、喜んでいたところを自分たちが使っていたコブラ・アサルト・キャノンを奪ったルイスにより榴弾を撃ち込まれて爆死する。
エミール・アントノウスキー(Emil Antonowsky)
演:ポール・マクレーンクラレンス一味のメンバー。主にバンの運転を担当する。ガソリンスタンドで強盗を働き、そこに駆け付けたロボコップの「Dead or alive you're coming with me(生死を問わず連行する)」という、かつて惨殺したマーフィと同じ発言でマーフィだと確信し、「お前は…死んだはずだ。殺したのに!」と叫び(このことがロボコップの記憶を取り戻す一因となる)、銃を乱射する。その後、太刀打ちできないとバイクで逃げたが、車輪を撃たれてコントロールを失い車にぶつかったことで吹っ飛んでしまい逮捕される。その後はジョーンズの手回しで釈放され、廃工場の戦いでも運転を担当し、車をぶつけてロボコップを倒そうとするが、ロボコップの射撃に怯み、不運にも強酸性の有毒廃液の貯蔵タンクに激突してしまい、液を浴びてしまったエミールの体は崩れてしまう。しばらくは苦悶しながら周囲をさまよっていたが、これも運悪く車を運転していたクラレンスに偶然轢かれてしまい、肉体を四散させながら死亡する。
ジョー・コックス(Joe P. Cox)
演:ジェシー・D・ゴインズクラレンス一味のメンバー。陽気でお調子者、軽い口調で話すメンバーでは唯一の黒人。麻薬工場で取り引きの場ではスティーブと共にクラレンスに同行。


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