2028年。デトロイトに本拠を置く巨大企業オムニコープ社は軍事用ロボットを中東の戦場に投入して莫大な利益を得ていたが、海外事業での好調ぶりとは対照的にアメリカ本国では販路拡大を阻まれ、苦戦を強いられていた。
原因は、ヒューバート・ドレイファス議員が発案した、ロボット配備を規制するドレイファス法と、それを支持する多くの議員。何より、心を持たず命の尊さを解さない機械(ロボット)に人間の生殺を任せることに、世論の根強い反発があるためであった。国内にも販路を拡げたいオムニコープは、パット・ノヴァック司会のTV番組等を利用して世論誘導に努めるが、なかなか上手くいかない。
この状況を打破すべく、CEOのレイモンド・セラーズはサイボーグ技術の権威であるデネット・ノートン博士に協力を求め、ロボコップ計画を立ち上げる。機械と人間を融合させたロボコップを造り出し、警官として活躍させることで、心無きゆえに嫌われてきたロボットを「人々に愛される」製品に変えようというのであった。
被験者として選ばれたのは、アレックス・マーフィ刑事。彼は相棒のジャック・ルイス刑事と共に武器の密輸組織の内偵を進めていたが、汚職刑事のタレ込みから組織の仕掛けた爆弾によって瀕死の重傷を負っていた。彼の妻クララの同意を得たノートン博士は、アレックスの脳・心臓・肺以外を機械に改造し、ロボコップとして蘇らせる。
当初は変わり果てた自分の姿に絶望し死を望むアレックスだったが、妻と息子のために生きろというノートン博士の説得を受け、ロボコップとしての活動に同意するのだった。しかし、性能テストを開始して早々にロボコップは問題を露呈。情報経路が複雑な上に感情ゆえの迷いを持つロボコップは、通常のロボットより遥かに判断が遅く、オムニコープの求める性能を満たせない。そのうえ、過去の犯罪データベースをインストールされた際に自身の殺害未遂事件の幻覚を見てしまい、システムエラーを引き起こしてしまう。
ノートン博士ら技術陣は、火器管制プログラムを強化しドーパミンの分泌を制御するなどして性能アップに努めるが、その結果アレックスは感情を抑制され、妻や子供、ルイスを見ても機械的な対応しか出来ない文字通りのロボットと化してしまう。
完成したロボコップは、期待通りの性能を発揮。お披露目の場で顔認証を駆使して指名手配犯を即座に逮捕したのを皮切りに、次々と凶悪犯を捕らえて市民から熱烈な支持を得ていく。世論は徐々にドレイファス法の撤廃へと傾き、事態はセラーズの思惑通りに推移するように見えた。
しかし、捜査の最中にアレックスがクララと再会した事から変化が起こり始める。アレックスの脳内でドーパミンが復活し、抑えられていた感情が蘇る。自らの意思でプログラムを書き換えたアレックスは独自の捜査を推し進め、かつて自分を殺そうとした武器密輸組織を駆逐、遂には警察内部の汚職をも暴き出すに至った。
ロボコップが人々の喝采を浴びる状況とは裏腹に、オムニコープの重役たちは頭を抱えた。反ドレイファス法の広告塔に過ぎないロボコップは、ロボットの販売が自由化された後に不要の存在となり、プログラムの制御を離れ、オムニコープに都合の悪い汚職まで暴きかねなくなったアレックスは危険な存在となっていた。セラーズはアレックスを停止させ、その抹殺を図る。
間一髪、ノートンの助けでラボを脱出したアレックスは、家族を守るためオムニコープに乗り込み、オムニコープのロボットと戦闘を始める。アレックスは数で圧倒するロボット相手に劣勢に立たされるが、ノートンの通報を受けて現場に駆け付けたルイスに助けられ、脱出を図るセラーズを殺人未遂で逮捕しようとするが、制御プログラムによってセラーズを逮捕できずにいた。
セラーズはクララを人質にしてアレックスを撃とうとするが、制御プログラムを感情で乗り越えたアレックスがセラーズに向けて発砲し、二人は相打ちとなる。
その後ノートンはアレックスを直し、彼は無事に妻子との再会を果たすのであった。 ※括弧内は日本語吹き替え
キャスト
アレクサンダー・“アレックス”・マーフィ / ロボコップ - ジョエル・キナマン(中尾一貴)
デネット・ノートン博士 - ゲイリー・オールドマン(安原義人)
レイモンド・“レイ”・セラーズ - マイケル・キートン(牛山茂)
パトリック・“パット”・ノヴァック - サミュエル・L・ジャクソン(玄田哲章)
クララ・マーフィ - アビー・コーニッシュ(たなか久美)
リック・マトックス - ジャッキー・アール・ヘイリー(竹田雅則)
ジャック・ルイス - マイケル・K・ウィリアムズ(板取政明)
リズ・クライン - ジェニファー・イーリー(竹内絢子)
トーマス・“トム”・ポープ - ジェイ・バルチェル(玉木雅士)