ロバート・ボッシュ_(企業)
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当時、ベンディックス社と独ボッシュ社が競合関係にあったため、技術情報の流出を警戒したボッシュ側の要請により、1955年にヂーゼル機器のブレーキ部門が分離独立し「自動車機器」となった。

その後、1999年に日本エービーエス(独ボッシュ社とナブコ(現・ナブテスコ)の合弁会社、1984年設立)、ナブコ乗用車ブレーキ関連事業、自動車機器の3社をボッシュ・グループがまとめる形でボッシュブレーキシステムとなり、さらに2002年、ボッシュオートモーティブシステムに吸収される。主要製品はアンチロック・ブレーキ・システム横滑り防止機構などのブレーキ制御システム。
旧アスコ(電子制御機器事業)

ゼクセルと独ボッシュ社との電子機器製造の合弁会社である「アスコ」(AIRBAG SYSTEM CORPORATIONの頭文字。1992年設立)に始まる。社名に示す通り、エアバッグユニットの製作を行っていた。2000年、ボッシュエレクトロニクスに社名変更、その後2002年にボッシュオートモーティブシステムに吸収された。歴史は旧ゼクセルとほぼ共有している。主要製品はECUやセンサ類などの自動車用電子制御機器及びトランスミッション関連部品。
旧ボッシュKK(電動工具事業およびオートモーティブ・アフターマーケット事業)

独ボッシュ社の日本における事業を取りまとめる形で設立された独ボッシュ社の完全子会社、ボッシュKKに始まる。ボッシュ製品の輸入・販売を行う商社である。メーカーではないため、他の事業に比べて規模は小さいが、ホームセンターや自動車用品店で一般消費者が目にするボッシュ・ブランドの商品は、この会社が手がけたものである。主要製品は電動工具(ドライバ、ドリル、グラインダ、マルチツールなど)、自動車用アフターパーツ(バッテリ、スパークプラグ、ランプ、ワイパーブレードなど)。

かつて電動工具はハンマードリルなどプロ・建設業向け製品が主で、海外高級電動工具ブランドといった感があったが、近年[いつ?]ではそのブランドイメージを利用しDIY向け商品を開発・販売している。プロ向け商品はボディーが青色ベース、DIY向け商品は緑色ベースと差別化されている。
社名について

2005年の合併(ボッシュオートモーティブシステム+ボッシュKK)においては、ボッシュオートモーティブシステムが吸収する形になっているが、ボッシュKKの中には電動工具などの非自動車分野の事業もあり、合併によって新会社全体の事業の幅としても自動車分野以外に拡大したため、吸収される側のボッシュKKの社名であったボッシュ株式会社を新社名としている。
独ボッシュ社との関係

社名に「ボッシュ」を冠していることもあり、「独ボッシュ社の日本における現地法人」と認識されたり、マスコミにもそのように書かれることもある。

しかし、実際には完全子会社化以前の独ボッシュ社の持ち株比率は過半数程度で、この会社自身も上場企業であったこともあり、母体となった各社も多くはもともと独立した企業として長い歴史を有しているため、現在は会社法上の子会社であることには違いはないものの、最初から完全子会社だった旧ボッシュKKの事業を除いては、「親会社が主導して外国に拠点として設けられた完全子会社(またはそれに近い会社)」といった「現地法人」の一般的なイメージとは異なる。

他方、ボッシュ・グループは親会社の統制が強い経営方針・文化であり、ボッシュ・グループの一員としての立場と、自身の上場企業としての独立性や他の株主への配慮とのバランスをいかに取るか難しい課題を抱えていたが、独ボッシュ社が2008年に友好的なTOBによる完全子会社化を実施したためこれらの課題も現在は解消され、日本のボッシュ・グループ各社をとりまとめる役割も果たしている。

独ボッシュ社による友好的TOBは2008年4月24日から6月19日まで実施。その結果、独ボッシュ社は既保有分を含めて97.55%の株式を取得した。ボッシュ株式会社は10月20日に上場廃止となり、独ボッシュ社の完全子会社となっている。
主要拠点

本社(
東京都渋谷区

東松山工場(埼玉県東松山市)ディーゼルエンジン用燃料噴射装置など

寄居工場(埼玉県大里郡寄居町)燃料噴射ノズル、インジェクターなど

太田工場(群馬県太田市)ディーゼルエンジン用燃料噴射装置など

栃木工場(栃木県那須塩原市)ブレーキ用ハイドロリックユニットなど

むさし工場(埼玉県比企郡滑川町)ブレーキ用部品など

横浜事務所(神奈川県横浜市都筑区)ガソリンシステム開発など

旧ゼクセルのトルセンや燃料噴射ノズルなどの製造拠点であった狭山工場(埼玉県狭山市)は2003年8月末にトルセン事業を豊田工機(現・ジェイテクト)に売却した際、その拠点として譲渡された。

旧自動車機器の本社・中心的な工場であり、長らくブレーキ用部品の製造拠点であった東松山第二工場(埼玉県東松山市)は、機能がむさし工場に移管され、2008年に廃止された。それに伴い、東松山第一工場は東松山工場に改名された。女満別空港の旧滑走路はブレーキの試験場となっている。

旧アスコの中心的な工場で、電子機器部品などの製造拠点であった富岡工場(群馬県富岡市)は、機能が海外のボッシュグループ関係会社や国内の他事業所に移管された後、2014年完全閉鎖され、AED製造の日本光電工業グループに売却された。

自動車関連事業のアフターサービスについては、全国各地の自動車整備業オルタネータースターターなどの電装品や、噴射ポンプなどの機械類の分解整備の専門や、それを得意とする企業が多い)が、ボッシュ(株)と代理店契約を結びサービスを行っている。これらボッシュ代理店の中でも古くから事業を行っている企業については、旧・ヂーゼル機器を祖とする企業や、同社より事業を引き継いだ企業の代理店でもあることが多い。以下はその一例。

旧・ゼクセルからカーエアコン事業を引き継いだ ヴァレオ・サーマルシステムズ

旧・自動車機器などと設立した合弁会社を基とする、クノールブレムゼ商用車システムジャパン など。

さらには「ヂーゼル機器」「ゼクセル」の名を冠する代理店もある。

2022年2月24日、横浜市都筑区で整備を進めている研究開発施設に本社機能を集約し、研究開発の促進や業務効率化を図るべく、2024年12月までの移転完了を目指すと発表した[4]
食器洗い機・乾燥機の不具合について

かつてボッシュKKが独ボッシュ社製電化製品の輸入販売を手がけていたことがあり、そのうち1984年から1992年までに輸入販売した食器洗い機と乾燥機について、不具合による発煙・発火事故が数度発生している。無償点検・修理を行う旨をユーザーに呼びかけているが、周知が進んでおらず、2007年2月に経済産業省から対策を急ぐよう指示を受けている[5][6]
脚注[脚注の使い方]^ “ ⇒Robert Bosch GmbH Company Profile”. Yahoo! Finance. 2020年12月3日閲覧。
^ “Bosch Today 2018”. Bosch Global (2018年5月22日). 2018年5月22日閲覧。
^ a b c d e ボッシュ株式会社 第116期決算公告
^ “ボッシュ株式会社 新たな研究開発施設および都筑区民文化センター(仮称)に関して”. 日本のボッシュ・グループ (2022年2月24日). 2022年2月25日閲覧。
^ 『ボッシュ(株)が輸入・販売した電気衣類乾燥機、電気食器洗い機のリコールにかかる再社告について』(プレスリリース)経済産業省、2007年2月16日。 ⇒オリジナルの2007年2月20日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20070220064226/http://www.meti.go.jp/press/20070216012/20070216012.html。2013年12月2日閲覧。 
^ 『【重要なお知らせ】食器洗い機と乾燥機: お詫びと無料点検・修理』(PDF)(プレスリリース)ボッシュ株式会社。 ⇒オリジナルの2007年9月28日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20070928020322/http://www.bosch.co.jp/jp/rbjp/contact/dishwasher_n_drier.pdf。2013年12月2日閲覧。 

関連項目

ボッシュ(旧・ボッシュ・オートモーティブ・システム〔BAS, 旧ヂーゼル機器→ゼクセル〕+ボッシュ・ブレーキ・システム〔BBS, 旧自動車機器〕)

曙ブレーキ工業

ユニシアジェックス(現・日立ユニシアオートモーティブ)

コンチネンタル

ZF

ヴァレオ

市光工業(元日産系)


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