ロドスのアポローニオス
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エラトステネスは少なくとも紀元前204年まで図書館長の地位にあった[3]
アレクサンドリアからロドス島への転居

『生涯』と『スーダ辞典』はそうだと書いている。それで「ロドスの」という添え名がついたのだと。しかし、アポローニオスがそこで死んだのか、または図書館長に就任するためにアレクサンドリアに戻ったかについては、はっきりしない。

2つの『生涯』だけがアポローニオスの死について書いている。しかし、それは一致していない。『生涯(1)』は、アポローニオスはロドス島で死んだと書き、『生涯(2)』はアレクサンドリアに戻った後に死んだと書いている。

結論として、
アポローニオスはアレクサンドリアもしくはナウクラティスの生まれである。

ロドス島に住んでいたことがある。

少なくとも紀元前246年まで、アレクサンドリア図書館長の地位にあった。

さらに、アポローニオスは紀元前3世紀の初期から中期にかけて生きていたという推測もできうる。それ以上のことは憶測でしかない。
センセーショナルな逸話

ギリシア詞華集』 (Greek Anthology) には、文法学者のアポローニオスの作とするエピグラム(警句)が収められている。それはカリマコスと、その代表的な詩『アイティア(縁起談)』を嘲ったものである[4]

「Καλλ?μαχο?, τ? κ?θαρμα, τ? πα?γνιον, ? ξυλιν?? νο??,
α?τιο?, ? γρ?ψα? Α?τια Καλλιμ?χου.」

カリマコス:脳の代わりにゴミ・まがい物・木。
aitios(罪):カリマコスの『アイティア』を書いた人。

さらに、複数の文献がカリマコスの詩Ibis (現存していない)はアポローニオスと確認できる敵に対する反論であると書いている[5]。二人の間にセンセーショナルな文学的確執があったことを彷彿とさせる。しかし、この話が本当がどうかは現代の学者たちの間でも賛否両論の議論が続いている。2つの『生涯』は二人の詩人の友情を強調していて、とくに『生涯(2)』は埋葬するほどだったとさえ書いている。『Ibis』をアポローニオスへの反論とする文献を疑う学者も何人かいる。いまだ合意は得られていないが、ヘレニズム文学の研究者のほとんどは、確執が何かあったにせよ、それが途方もなくセンセーショナルに扱われたのではないかと考えている[6]

アポローニオスのセンセーショナルな逸話がもう1つ、『生涯』の記述の中にある。アポローニオスは若い頃にアレクサンドリアで『アルゴナウティカ』を上演した。しかし嘲られ、恥ずかしくてロドス島に逃げた。ロドス島では歓迎を受け、市民権も与えられた。『生涯(2)』によると、その後、アポローニオスはアレクサンドリアに凱旋し、まもなくアレクサンドリア図書館長まで登り詰めたということである。どこまでが事実かはわからない。おそらく、「田舎少年の立身出世」や「前犬の英雄的凱旋」が混ざり合ったものだろう。こうしたおとぎ話的な要素は古代の伝記の特色であった。
『アルゴナウティカ』詳細は「アルゴナウティカ」を参照

アポローニオス作の叙事詩『アルゴナウティカ』に関する意見は時代とともに変わっている。古代の一部の批評家はこれを可もなく不可もない二流の作品だと考えていた[7]。一方、近年の批評家たちは詩に対する関心とその特性の認識のルネサンス(復興)と見ていた。多くの学術書が定期的に出版されていて、たとえばウェルギリウスのような後世の詩人たちへの影響も今では認められている。叙事詩の歴史を扱った、現代の著作のいくつかは、判で押したように、アポローニオスに相当の関心を払っている。
脚注^ ストラボン ⇒14.2.13.
^ Athenaeus Deipnosophistae 7.19; Aelian On the nature of animals 15.23.
^ 『スーダ辞典』の「エラトステネス」の項目には、エラトステネスはプトレマイオスの治世からプトレマイオス5世 (Ptolemy V Epiphanes) の治世まで図書館長の地位にあったと書いている ⇒Suda 2898 s.v. ?ρατοσθ?νη?.
^ Pal. Anth. 11.322. The translation given here is modelled on that of H.J. Rose.
^ たとえば、『スーダ辞典』の「カリマコス」の項目 ⇒Suda 227 s.v. Καλλ?μαχο?.
^ Thus D.P. Nelis 1999, review of P. Green 1997, Apollonius: the Argonautica (Berkeley), in Journal of Hellenic Studies 119: 187. For a recent summary of contrasting views, see e.g. A. Cameron 1995, Callimachus and his Critics (Princeton).
^ 偽ロンギヌス(偽ロンギノス、en:Longinus (literature))『On the sublime』 33.4; クインティリアヌス『弁論家の教育』 ⇒10.1.54.

参考文献

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