ロックンロール
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通常、白人のロカビリーに、黒人のロックンロールを加えたジャンル全体をロックンロールとしており、チャック・ベリーの『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』や『ジョニー・B.グッド』などが含まれる[注釈 2]
ロックンロールからロックへ

1950年代末から早くも、黒人音楽をルーツに持つロックンロールがラジオ、テレビで演奏される事を嫌悪した白人の日曜説教師や保守派政治家、キリスト教宣教師ビリー・グラハムによるロックンロール批判が巻き起こった[17]。同時にエルヴィス・プレスリーとトム・パーカー大佐の関係に見られるような「ロックンロールの商業化」とあわせ、主要ミュージシャンが徴兵・事故死・服役などで次々とシーンを去ったことから、ロックンロールは次第にその勢いを失っていった。以下はこの時期に起きた出来事である。

1957年末 - オーストラリア公演に向かっていたリトル・リチャードは、移動中の太平洋上で、炎上し始めたエンジンを窓から目撃し、願いがかなったら神職につくと、搭乗機の無事を祈った。無事シドニーに到着したリチャードは突如引退し、神学校に入学して牧師となった[18](後に復帰)。

1958年3月 - エルヴィス・プレスリーが陸軍に入隊する[19](1960年3月満期除隊)。

1958年5月 - イギリスツアーを予定していたジェリー・リー・ルイスの妻が13歳だった事が現地で問題化してツアーが中止となった。当時の米国では合法であったものの、前妻との離婚が未成立だった事が発覚し重婚罪として本国でも問題化、一時追放[19](後に復帰)。

1958年末 - それまで合法的な慣例とされていた「宣伝料を支払って放送してもらう」ペイオラが、突如不道徳・反倫理的として糾弾され翌年には非合法化、遡及的にアラン・フリードら人気DJが追放された。

1959年2月 - バディ・ホリーリッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーが飛行機墜落事故で死亡(音楽が死んだ日[20]

1959年12月 - 14歳の少女を不法に州境を越えて連れ回した疑いでチャック・ベリーが逮捕される(1962年から2年間服役)[18]

1960年4月 - イギリスツアー中だったエディ・コクランが移動中の自動車事故で死亡、同乗のジーン・ヴィンセントも重傷を負い後遺症が残る[18]

ペイオラ・スキャンダルで大物DJが大量にマイクの前から消える中、駆出しのDJとして関与していたディック・クラークらは当局やレコード会社との取引によって追放を免れ、これを機に大人からも容認される比較的健全な曲を掛ける方向に転向した[21]。日本でロックンロールと勘違いされることが多いポール・アンカニール・セダカデル・シャノンや、ジーン・ピットニーボビー・ヴィーらも含め、毒気の少ない歌手の音楽、白人・黒人のガール・グループ等、「健全」な音楽が放送され、ブリティッシュ・インヴェイジョンまで、一時的な停滞があったとする見方もある。

一方イギリスでは、これらのロックンロールやブルースR&Bに影響を受けたミュージシャンが登場し始めた[22][23]。ロックンロール/ロックの主要な舞台はイギリスに移り、ビートルズローリング・ストーンズザ・フーキンクスアニマルズなどに受け継がれていくこととなる[24][25][26]
主なアーティスト

チャック・ベリー

リトル・リチャード

エルヴィス・プレスリー

ジェリー・リー・ルイス

ビル・ヘイリー

ロイ・オービソン

ボ・ディドリー

ファッツ・ドミノ

バディ・ホリー

ジーン・ヴィンセント

エディ・コクラン

カール・パーキンス

ボビー・ヴィー

オーティス・ブラックウェル

リッチー・バレンス

フランキー・フォード

ソニー・バージェス

ダニー&ザ・ジュニアーズ

ジョーイ・ディー&ザ・スターライターズ

フレディ・キャノン

脚注/出典[脚注の使い方]
注釈^ ただしここでの「ロックンロール」は「ロック」の起源となるような音楽ではない。
^ チャック・ベリーの曲には他にも「スウィート・リトル・シックスティーン」などがある。

出典^ Jeffrey Peter Hart"When the Going Was Good: American Life in the Fifties"p.130, Crown Publishers, Incorporated, 1982.
^ Francesco Bonami, Raf Simons, Maria Luisa Frisa "The fourth sex: adolescent extremes"p.434, Charta, 2003.
^ 『キャロル・キング自伝』p.61
^ 北中,1985,p.13.
^ 北中,1985,p.47f.
^ a b 北中,1985,pp.113-115.
^ [1] - コトバンク(百科事典マイペディア)
^ 「『暴力教室』が口火を切ったロックンロールの大流行」『The Music』1978年8月号、小学館、129頁。 
^ S. Evans, "The development of the Blues" in A. F. Moore, ed., The Cambridge companion to blues and gospel music (Cambridge: Cambridge University Press, 2002), pp. 40?42.
^http://www.gretschguitars.com/features/eddie-cochran
^ “ ⇒ROCKABILLY Definition”. Shsu.edu. 2018年6月19日閲覧。
^ Craig Morrison (2013年11月21日). “ ⇒rockabilly (music) - Encyclopadia Britannica”. Britannica.com. 2018年6月19日閲覧。


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