ヤン・ウェンナーが別館理事会の会長を務めた[19]。開業した夜の祝宴で、軽率にも彼は「そもそも我々がそれ(殿堂博物館)をニューヨークにしなかったことが小さな悲しい出来事の1つです」と記者に語ってしまい、物議を醸してしまった[19]。これは誤解されてしまったのだと語るウェンナーは、後に自分の発言を悔やんでいると吐露して「ロックンロールの殿堂博物館がクリーブランドにあることを私は間違いなく喜んでいます」と明言した[19]。
別館は2010年1月3日に閉鎖され、報道によるとその急な終了は2007-2008年の世界金融危機とその後の都市観光業低迷が原因とされている[20]。 1997年以来、ロックンロールの殿堂は数多くの期間限定展示を開催しており、それは博物館の最上階2フロアを占める大掛かりな展示から下階の主要展示ホールに設置されることが多い小さな展示まで、規模は様々である。 1997年5月10日に開催された同博物館最初の大掛かりな展示は "I Want to Take You Higher:The Psychedelic Era,1965-1969(貴方を更なる高みへ連れていきたい:サイケデリックの時代、1965-1969年)"と称するものだった。これには、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ジョン・セバスチャン
展示の歴史
この展示に続くのが、1998年8月8日から1999年9月5日まで開催されたElvis is in the Building(エルヴィスはまだ建物にいる)[注釈 2]である。この1年に及ぶ称賛展示は、1986年に初回殿堂入りを果たした「キング・オブ・ロックンロール」ことエルヴィス・プレスリーに捧げられた初めての展示だった。グレイスランドは、エルヴィスの生涯と伝説的な経歴にわたるこの特別な称賛展示のため、厳選した重要な代表的作品を提供した[23]。その次に、博物館はRoots, Rhymes and Rage: The Hip-Hop Storyを展示公開した[24]。これはヒップホップに焦点を当てた初めての大規模な展示で、1999年11月11日から2000年8月6日まで開催された。その後、ロックンロールとファッションに焦点を当てた展示"Rock Style"が行われた。これはバディ・ホリーからアリス・クーパーまで、レイ・チャールズからデビッド・ボウイまで、スモーキー・ロビンソンからスライ・ストーンまでの衣装を特集したものだった。クリーブランドでの展示終了後に"Rock Style"は米国内にある他の博物館でも興行が行われた。
その他の期間限定展示には、2000年10月20日から2003年1月1日まで開催されたLennon:His Life and Workなどがある。2016年にクリーブランドで開催された、共和党の全国大会中に開催された大規模展示はLouder than Words: Rock, Power, Politics(言葉よりも騒々しいもの:ロック、権力、政治活動)だった[25] [26]。
他にも大規模な期間限定展示として、ザ・クラッシュ、ドアーズ、ザ・フー、ブルース・スプリングスティーンに焦点を当てたものがあった。ロックンロールにおける女性の役割に焦点を当てた、テーマ限定の展示(Women Who Rock: Vision, Passion, Power)もあった。これらの展示の多くはクリーブランドで終了した後、他の博物館に移って展示が行われている。直近の2017年における同博物館の主な期間限定展示は『ローリングストーン』誌の歴史に関するものとなっている[27]。
ロックンロールの殿堂はまた、小さな期間限定展示も多く開催している。長年にわたるこちらの展示は、ヴァンズ・ワープド・ツアー、バングラデシュ難民救済コンサート[注釈 3]、ウッドストックの40周年および50周年、オースティン・シティ・リミッツ、モントレー・ポップ・フェスティバル、ロイ・オービソン、モータウンの50周年、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、マーティ・スチュアート、ポール・サイモン、グラハム・ナッシュ、ジョン・メレンキャンプ、ゲディー・リーなどに焦点を当てている[要出典]。
同博物館はロックンロールに関連する写真やアート作品の展示も行っている。この殿堂で作品が紹介された写真家の中にはジョージ・カリンスキーやリン・ゴールドスミス、リンダ・マッカートニーなどがいる。またこの博物館はフィリップ・バークのアート作品をある期間限定展示で特集し、後の展示ではハーブ・リッツを特集した[28]。 ロックンロールの殿堂博物館は、コンサート、インタビュー、講演、映画上映、その他ロックンロールの物語を伝えるイベントなど、数多くの公開プログラムを制作している。毎年2月、この博物館はアフリカ系アメリカ人がロックンロールの歴史で果たした重要な役割を伝えるコンサートや、映画上映、講演会を開催することで黒人歴史月間を祝っている[29]。1996年にこのプログラムが始まって以来、ロバート・ロックウッド・ジュニア、ザ・テンプテーションズ、チャールズ・ブラウン、ルース・ブラウン、オハイオ・プレイヤーズ、ロイド・プライス、リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズ
公開プログラム
別のプログラムには殿堂シリーズがある。このシリーズは1996年4月に始まり、殿堂入り達成者に対する滅多にない親密な環境でのインタビューを目玉としており、ほとんどの場合は同博物館のフォスター劇場で行われる。通常はインタビューに続いて聴衆との質疑応答が行われ、殿堂入り達成者による演奏パフォーマンスが行われることも多い。このシリーズに参加した殿堂入り達成者は、ダリル・マクダニエルズ、ロイド・プライス、マーサ・リーヴス、マーキー・ラモーン、シーモア・スタイン、レイ・マンザレク、メアリー・ウィルソン、ロニー・スペクター、ブーツィー・コリンズ、アン・ウィルソンとナンシー・ウィルソン、デニス・エドワーズ、ヨーマ・カウコネンなどである。