ロックンロールの殿堂はまた、小さな期間限定展示も多く開催している。長年にわたるこちらの展示は、ヴァンズ・ワープド・ツアー、バングラデシュ難民救済コンサート[注釈 3]、ウッドストックの40周年および50周年、オースティン・シティ・リミッツ、モントレー・ポップ・フェスティバル、ロイ・オービソン、モータウンの50周年、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、マーティ・スチュアート、ポール・サイモン、グラハム・ナッシュ、ジョン・メレンキャンプ、ゲディー・リーなどに焦点を当てている[要出典]。
同博物館はロックンロールに関連する写真やアート作品の展示も行っている。この殿堂で作品が紹介された写真家の中にはジョージ・カリンスキーやリン・ゴールドスミス、リンダ・マッカートニーなどがいる。またこの博物館はフィリップ・バークのアート作品をある期間限定展示で特集し、後の展示ではハーブ・リッツを特集した[28]。 ロックンロールの殿堂博物館は、コンサート、インタビュー、講演、映画上映、その他ロックンロールの物語を伝えるイベントなど、数多くの公開プログラムを制作している。毎年2月、この博物館はアフリカ系アメリカ人がロックンロールの歴史で果たした重要な役割を伝えるコンサートや、映画上映、講演会を開催することで黒人歴史月間を祝っている[29]。1996年にこのプログラムが始まって以来、ロバート・ロックウッド・ジュニア、ザ・テンプテーションズ、チャールズ・ブラウン、ルース・ブラウン、オハイオ・プレイヤーズ、ロイド・プライス、リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズ
公開プログラム
別のプログラムには殿堂シリーズがある。このシリーズは1996年4月に始まり、殿堂入り達成者に対する滅多にない親密な環境でのインタビューを目玉としており、ほとんどの場合は同博物館のフォスター劇場で行われる。通常はインタビューに続いて聴衆との質疑応答が行われ、殿堂入り達成者による演奏パフォーマンスが行われることも多い。このシリーズに参加した殿堂入り達成者は、ダリル・マクダニエルズ、ロイド・プライス、マーサ・リーヴス、マーキー・ラモーン、シーモア・スタイン、レイ・マンザレク、メアリー・ウィルソン、ロニー・スペクター、ブーツィー・コリンズ、アン・ウィルソンとナンシー・ウィルソン、デニス・エドワーズ、ヨーマ・カウコネンなどである。
類似のプログラムに伝説シリーズがある。このプログラムと殿堂シリーズの唯一実際の違いは、殿堂入りしていないアーティストを特集していることにある。ジョイ・ディビジョンのピーター・フック、ソルト・ン・ペパーのスピンデレラ、トミー・ジェームス、シャイ・ライツなどが、伝説シリーズに参加したアーティスト達の一部である。
ロックンロールの殿堂博物館で最も評価の高いプログラムは、毎年恒例のアメリカ音楽マスターズ・シリーズである。同博物館は毎年、インタビュー、映画上映、そして多くの場合は特別展示を含めた1週間にわたる一連のプログラムで、殿堂入り達成者の1人をお祝いする。この祝典はクリーブランドの劇場で開催されるオールスター・コンサートで締めくくられる。このコンサートには殿堂入り達成者から直近のミュージシャンまで多彩なアーティストが混ざって参加する。アメリカ音楽マスターズ・シリーズは1996年に始まった。それ以来、このプログラムは以下の殿堂入り達成者を称えている。ジミー・ロジャーズ(1997)、ロバート・ジョンソン(1998)、ルイ・ジョーダン(1999)、マディ・ウォーターズ(2000)、ベッシー・スミス(2001)、ハンク・ウィリアムズ(2002)、バディ・ホリー(2003)、レッドベリー(2004)、サム・クック(2005)、ロイ・オービソン(2006)、ジェリー・リー・ルイス(2007)、レス・ポール(2008)[30]、ジャニス・ジョプリン(2009)[31]、 ファッツ・ドミノと デイヴ・バーソロミュー(2010)、アレサ・フランクリン(2011)[32]、チャック・ベリー(2012)[33]。エヴァリー・ブラザース(2014)、そしてジョニー・キャッシュ(2017)[34]。2019年にコンサートシリーズの様式が一新されて、同イベントは「ロックホールの名誉者(Rock Hall Honors)」へと改名された[34]。2019年9月、初回のロックホール名誉者コンサートにはメイヴィス・ステイプルズが登場し、クリーブランドで演奏が披露された[35]。 殿堂博物館キュレーターのジェームズ・ヘンケは「博物館のキュレーター職員、多数のロック評論家、音楽の専門家」と共に順不同の「ロックンロールを形作った500曲」をリスト作成した[36]。このリストは同博物館の常設展示の一部で、1995年の開館から博物館の一部として想定されたものだった[37]。そこには1920年代から1990年代にかけて録音された楽曲が含まれている。このリストで最も古い楽曲は、1882年頃に書かれた「ウォーバッシュ・キャノンボール」[注釈 4]で、J・A・ロフの作とされている。しかし、それ以降160曲が追加されて、現在このリストは単に「ロックンロールを形作った楽曲」を指すものとなった。同リストの最新楽曲は、2006年にリリースされたナールズ・バークレイの「クレイジー」とマイ・ケミカル・ロマンスの「ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード」である[38]。 ビートルズとローリングストーンズは、660曲の楽曲リストでそれぞれ8曲と最も多く選ばれている。
ロックンロールを形作った楽曲
リスト入り4曲以上のアーティスト
8 ビートルズ
8 ローリング・ストーンズ
7 エルヴィス・プレスリー