ロシア
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複数政党制や選挙は一応存在するが、選挙から反体制派候補を排除するなどプーチン体制に有利な政治制度が構築されており、政治的意思を表明する機会に乏しい[9]。「法の独裁」による統治を目指す強権的体質が内外から批判されており[8]エコノミスト誌傘下の研究所エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる民主主義指数は、世界134位と下位で「独裁政治体制」に分類されている(2019年度)[10]

言論の自由に関しても、国境なき記者団による世界報道自由度ランキングは149位と下位である(2020年度)[11]。特に、2022年のウクライナ侵攻以降は「広範囲に検閲を行うなどしてニュース情報を完全に支配している」と非難されており2022年は155位[12]、2023年は164位と大幅に順位を落としている。

領土や軍事力に比べてロシアの経済は国際的地位が低いものの、2014年時点の名目GDP世界第9位発展途上国に有利になる購買力平価では世界第6位)であった[13]。鉱物及びエネルギー資源は世界最大の埋蔵量であり[14]、世界最大の原油生産国(英語版)および世界最大の天然ガス生産国(英語版)の一つである。しかし資源依存の経済体質であるため、原油安の時期は経済が停滞する[15]。加えて2014年クリミア併合を強行したことにより欧米から経済制裁を受けて更なる打撃を受けている[16]。2022年にはウクライナへ侵攻したことでSWIFTからの排除など更なる経済制裁を受けている[17]

2023年時点ではロシアは世界第2位の仮想通貨マイニング大国であり、またブロックチェーン技術を使用した国際決済の推進や新たな機関を設立する計画を進めている[18][19][20][21]

人口はロシア連邦国家統計庁によれば1億4680万人(2017年時点。ソ連時代の1990年には2億8862万人だった)[6]であり、世界第9位、ヨーロッパで最も多い人口である[22]。最大の民族はロシア人だが、ウクライナ人ベラルーシ人トルコ系のウズベク人、またシベリアや極東の少数民族なども存在し、合計で100以上の民族がある。公用語ロシア語だが、少数民族の言語も存在する[8]。宗教はキリスト教徒が人口の60%を占め、その大半がロシア正教会の信者である。イスラム教徒も人口の8%ほどおり、仏教徒も存在する[8]

地理としてはロシアの国境は、北西から南東へ、ノルウェーフィンランドエストニアラトビア、ともにカリーニングラード州と隣接するリトアニアおよびポーランドベラルーシウクライナジョージアアゼルバイジャンカザフスタン中華人民共和国モンゴル国朝鮮民主主義人民共和国と接する。海上境界線としては、日本とはオホーツク海宗谷海峡根室海峡珸瑤瑁水道アメリカ合衆国アラスカ州とはベーリング海峡を挟んで向かい合う。ロシアの国土面積は17,075,400 km2で世界最大であり、地球上の居住地域の8分の1を占める。国土が北アジア全体および東ヨーロッパの大部分に広がることに伴い、ロシアは11の標準時を有し、広範な環境および地形を包含する(英語版)。
歴史の概要

ロシアの歴史は、3世紀から8世紀までの間にヨーロッパで認識され始めた東スラヴ人の歴史に始まる[23]9世紀ヴァリャーグの戦士の精鋭およびその子孫により設立・統治され、キエフ大公国中世国家が誕生した。988年、東ローマ帝国からキリスト教正教会を導入し、次の千年紀のロシア文化(英語版)を特徴づける東ローマ帝国およびスラブ人の文化の統合が始まった[24]。キエフ大公国は最終的に多くの国に分裂し、13世紀には領土の大部分がモンゴルに侵略され、遊牧国家ジョチ・ウルスの属国になり、ロシアが西洋から隔絶される原因となった(タタールのくびき[25]モスクワ大公国は次第に周辺のロシアの公国を再統合し、キエフ大公国の文化的・政治的な遺産を支配するようになった。クリコヴォの戦いでジョチ・ウルスを破った後、ジョチ・ウルスは衰退し、イヴァン3世(イヴァン大帝)の時代に独立した。東ロシアのほとんどがモスクワ大公国に服した[26]16世紀中ごろにイヴァン4世(イヴァン雷帝)がモスクワ帝国を建設した。ピョートル大帝は、ロシア人がバルト海に行く道を確保し、1703年にバルト海に面するサンクトペテルブルクを建設した。1712年にサンクトペテルブルクはロシアの首都になり、1721年ロシアは帝国になった。周辺諸国の併合などを繰り返し、史上第3位の領土を持つ帝国となり、版図はポーランドから、北アメリカ大陸北西部(ロシア領アメリカ、後にアメリカ合衆国へ売却)まで広がった[27][28]

1917年ロシア革命の後、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国ソビエト連邦最大かつ指導的な構成国となった。


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