ロシア語
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特にアラスカ本土、コディアック島から約250km離れたニニルチク(英語版)(露: Нинилчик)では下記の「方言」で記す通りに発音や性の構造などで現在の標準ロシア語との差異があるとされ、同地では20世紀末からモスクワ大学などの研究者が言語収集を行っている[28]
文字詳細は「ロシア語アルファベット」を参照

ロシア語では以下の33個のキリル文字が用いられている。音価は固有語におけるもののみに限って紹介するが、外来語の中では延長線上の軟音化・硬音化が行われる場合もある。またロシア語における母音弱化は非常に複雑な変化をもたらすため、この表では概ねそれに触れない。

文字文字の名称音価 (IPA)発音上の注意等
大小露文羅文カナ硬音軟音
Аааaア/a/Яに同じ
Бббэbeベ/b//b?/
Вввэveヴェ/v//v?/語末では [f] と発音。またしっかりしていない発音では特に母音に挟まれた в は「ワ」に似たような音価 [?] などで発音されることがある
Гггэgeゲ/g//g?/形容詞・代名詞の活用の語尾の中では в と読むものがある。また特定の感動詞教会スラブ語由来の言葉では伝統的に [?] で発音される
Дддэdeデ/d//d?/軟音は実際に舌端音の [d??z?] といったように発音される
ЕееjeイェЭに同じ/je/「イェ」に近い 外来語では不規則的に子音後で硬音化するものがある
ЁёёjoヨОに同じ/jo/「ヨ」に近い(母音の実際の音価は [?] )。多くの場合トレマ無表記で E と同じく書かれるが読み方には影響しない
Жжжэzheジェ/?/-そり舌気味で発音される [z]。日本語にないが、例えば中国語の「肉」(rou) の発音 [?o????] の [?] はこれに近い。

※正書法における жж や зж は伝統的に別の、唯一固有の文字を持たない基本音素 /??/ を表すものが多い(例: жжет [???t]、езжу [?je???]、但し разжать 等はこの音素を含んでいないため [r????at?])。20世紀以来に本来 [??] と読むべきところを「書かれたまま」 [??] と読むのが普及したため、この音素はロシア語話者の間では珍しくなっている。日本語に喩えて音を説明すると「家事」[ka??i] の [?] がやや長めに発音された感じになる。
Зззэzeゼ/z//z?/同じスラヴ語派ポーランド語と違って軟音化のときは [z?] になる程度であって、日本語の「家事」[ka??i] における子音 [?] にまでなることはない
ИииiイЫに同じ/i/
Ййи краткоеi kratkojeイ クラトコイェ[* 1]-/j/半母音の [j](短い「イ」)[* 2]
Кккаkaカ/k//k?/日本語と違って、「き」が「ち」のような発音 [ci] になるといった訛り方に相当する現象はロシア語には存在せず、ロシア語話者にもっぱら ть や ч に聞こえ誤解を招き得る
Ллэльel'エル/?//l?/硬音はアメリカ英語の L の発音に、軟音はイタリア語フランス語ドイツ語における L の発音にそれぞれ似ている
Ммэмemエム/m//m?/
Ннэнenエヌ/n//n?/硬音は常に、環境によらず「ナ」の子音 [n] であり、日本語の「ン」とは実際にかなり違う。特に多くの言語とは対照的に [?] になることさえない
Оооoオ/o/Ёに同じアクセントがない場合は a と同じく発音する(ただし радио [?rad??o] のような例外もある)
Пппэpeペ/p//p?/
Ррэрerエル/r//r?/巻き舌 [r] で発音される。軟音化すると口蓋化した [r?] になり、発音の仕組みの特徴から [r] に対して [r?] は若干ふるえにくい。
Ссэсesエス/s//s?/同じスラヴ語派ポーランド語と違って軟音化のときは [s?] になる程度であって、日本語の「シ」の子音 [?] にまでなることはない
Тттэteテ/t//t?/軟音は実際に舌端音の [t??s?] といったように発音される
Уууuウ/u/Юに同じ日本語の「う」よりも口を丸めて発音
Ффэфefエフ/f//f?/英語や中国語にも見られる音声 [f] 日本語の「フ」の子音 [?] ではない 文字としてもっぱら外来語に登場する
Хххаkhaハ/x//x?/「カ」のように発音される「ハ」であるが、軟音化すると日本語の標準的な「ヒ」の子音とさほど変わらない
Цццэtseツェ/?/-「ツァ」「ツ」「ツォ」
Чччеcheチェ-/?/「チャ」「チュ」「チョ」
Шшшаshaシャ/?/-そり舌気味で発音される [s]。日本語にないが、例えば中国語サンスクリット(梵語)における音素 /?/ はこのような音である(例: 中国語「上海」shangh?i [?a?.xai]、梵語 ????? [?kr????] 「クリシュナ」などの [?] )
Щщщаshchaシシャ(シチャ)-/??/「ッシ」(「」の子音 [?] に似ているが、やや長め)
Ъътвёрдый знакtvjord?j znakトヴョルドゥイズナク--硬音記号、非口蓋化する[* 3][* 4]
Ыыы?ウィ/?/-カタカナ表記にもかかわらず、あくまで「イ」でも「ウ」でもない単純母音である。日本語に無く、例えば中国語の「吃」(ch?) の発音 [t????] の母音 [?] はこのような音である
Ььмягкий знакmjagkij znakミャグキイズナク[* 5]--軟音記号、口蓋化する[* 3][* 6]
Эээeエ/e/-日本語の「え」よりも広めに発音される(実際の音価は [?] ) 文字としては主に外来語に使用
ЮююjuユУに同じ/ju/「ユ」 両側に軟子音に挟まれてはさらに軟母音化して [?] と発音
ЯяяjaヤАに同じ/ja/「ヤ」 両側に軟子音に挟まれてはさらに軟母音化して [a] と発音
^ アクセントのないоは[?~?]、еは[?~???~?]に弱化するため、正確にはイ クラトカヤ[?i ?kratk????]。
^ 半母音の й は、主に母音の後ろでのみあらわれ、日本語のヤ、ユ、ヨのように [j] の音の後ろに母音が続く場合は е, ё, ю, я を用いる。
^ a b 硬音の子音は微妙に「ウ」の音感、軟音の子音は微妙に「イ」の音感を伴う。
^ 硬音記号は、現在では軟母音で始まる単語の前に硬子音で終わる接頭辞が付加される場合(例: под + ехать → подъехать)にしか用いられない。ただし日本語をロシア語式に音訳する際、[n]と後続の母音を分けて発音することを明示する必要がある場合など(例:欽一の「きんいち」が「きにち」にならないようにする)、外国語の表記に用いることがある。
^ к、т、чの前のгは/х/となるため、正確にはミャフキイズナク[?m?ax?k???? znak]。
^ 軟音記号はそれが伴う直前の子音が軟音であることを現す。

アクセント・発音

日本語の
アクセント高低アクセント)とは異なり、強弱アクセントである。アクセントのある音は長く、強く発音する。

疑問詞のない疑問文では、一番聞きたい部分の単語のアクセントでイントネーションを上げて発音する。

ロシア語には /w/ という子音がないため、外来語における /w/ は /v/ で置き換えられる。ただし発音のまま文字があてられたものもある。(例:Туалет トゥアリェートゥ←toilette(フランス語より))

子音字йは通常、語頭および子音字の直後には置かないが、特に外来語では Йокога?ма(ヨコガマ=横浜)のように単語の先頭に置くこともある。

軟子音(硬口蓋化子音)と硬子音(非硬口蓋化子音)が明確に区別される。なお日本で出版されているロシア語の参考書では /jV/ (V は母音) という音およびその文字を「軟母音(字)」と呼び、それに対して単なる母音を「硬母音」と呼ぶことが多いが、この用語は日本特有のものであり本来ロシア語にこのような母音の硬軟の区別は存在しない。

硬子音の前の軟子音は硬音化し、軟子音の前と単語の末尾にある硬子音は軟音化する。但し、接続詞助詞は直後の単語と連結して発音される。

ёには必ずアクセントがある(アクセントがなくなった場合、文字上はеに変化する)。

у以外の母音はアクセントが無いと音が弱化する。アクセントの前後、位置で音は変わる。а, оは[?]、иとэは[?](и скло?нно к э「イがエに傾く」)、яとеは[j?]になる(ただし、厳密には音節によって弱化の度合いが異なり、従って実際の発音も異なる)。


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