ロサンゼルス
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その後、ノースリッジ地震などでも被害を受け、災害対策がさらに充実された[注 2]
商業、金融拠点サンセット大通りの看板(2001年)

それに伴い、商業も発展していき、西海岸最大の商業・金融拠点となった。しかし中東メキシコ湾沿岸からの廉価な原油の供給の増加により、原油の掘削はあまり行われなくなった。更に今日では電子機器半導体宇宙産業など最先端工業が発展している。これは学術・文化都市として培っていた技術力の蓄積、また軍事産業や航空機産業関係者が持つ高度な技術力の産業形態転換によるものが大きく、今日におけるロサンゼルス経済の主力にもなっている。

2022年の調査によると、世界7位の金融センターであり、アメリカの都市では3位である[19]。また、貿易の拠点としての地位も高まり、サンフランシスコシアトルオークランドサンディエゴらと共にアジア向け市場の窓口としての機能を果たしている。
アジア系移民

古くから労働力としてのアジア系移民を受け入れてきており、ダウンタウン近辺に第二次世界大戦前からあった日本人街であるリトルトーキョーチャイナタウンのほか、戦後の韓国系移民の急増を受けて広がってきたコリアタウンなどいくつかのアジア系タウンがある。また、ダウンタウンとサンタモニカ間にはリトル・オーサカが、郊外のオレンジ郡近辺にはベトナム系移民街であるリトルサイゴン(英語版)もある。一方、さまざまな人々が共存する社会ゆえに人種、民族間の対立が存在し、ロサンゼルス暴動などの事件も起きている。
日系移民

ロサンゼルスで日本人の定住が公式に認められたのは1888年である。1900年には150人の日本人が住んでいた。1899年発足の鹿児島県人会に続き、さまざまな県人会が設立された[20]。1906年のサンフランシスコ地震により、ロサンゼルスに移動してくる日本人が増え、この急激な増加と白人による人種差別の高まりによって排日ムードが高まった。

サンフランシスコからの移住組は身を守るため、ロサンゼルス街とアラメダ街の間にある通りに集まって暮らしはじめ、1908年にはこれが「リトルトーキョー」と呼ばれるようになった。1909年、当時日本人会長だった甲斐政次郎は、生花栽培と流通を担う南カルフォルニア花市場株式会社を設立し[21]、この生花流通システムを全米に拡げた。ただ、日曜の営業や低賃金女性労働者利用は社会からの批判もあり、1913年にはカリフォルニア州外国人土地法が施行された[22]市民権獲得資格のない外国人の土地所有が制限され、1924年移民法では移民が制限されたものの、1928年には藤井整が最高裁で勝訴し日系人がロサンゼルスで病院を開設することが認められ、1931年には加州毎日新聞社も設立された[23]

1930年代には2万人を超える日本人や日系人が暮らし、リトルトーキョーはアメリカ最大の日本人街になった。その後日本人および日系人の数は4万人近くまで膨らんだが、第二次世界大戦により、日系人の強制収容が始まり、日本人や日系人のいなくなった街には黒人が住みついた。

戦後になり、1948年にはカリフォルニア州外国人土地法が藤井の裁判によって覆され、日系1世は土地の購入をできるようになった[23]。日系人や日本人が戻ってきたが、強制収容により土地や職業や資産を奪われたことや、日本人漁業禁止法などによって生業を奪われたことから、以前のような勢いには戻らなかった[24]。ただ、花市場は現在も日系人社会を背景に運営されている[22]

1964年には、南加県人会協議会が発足した[20]
ヒスパニック移民とスペイン語圏

もともとメキシコ領だったこともありスペイン語地名も多く、古くからヒスパニック系が存在するが近年のメキシコなどからの移民の流入により、今では全人口の46.5%がヒスパニックもしくはラテン系である。また全人口のうち41.7%[25]がスペイン語話者であり、英語の42.2%とほぼ同数であるなど、全米一のスペイン語人口を抱える都市としてヒスパニック文化の中心地となっている。
治安ロサンゼルス暴動では4,000人を超える連邦軍(陸軍、および海兵隊)部隊までが投入された。ワッツ暴動で燃える建物ストリートギャングクリップス」のタギング

かつて犯罪件数がアメリカの都市の中でも上位に位置していたが、過去最悪であったロサンゼルス暴動の時期と比較すると、警察官の増員、治安部隊であるジョイント・タスク・フォースの導入などもあって犯罪発生件数が激減している。


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