本項は、“アース616”(正史の宇宙)におけるロキを主軸に、彼の“変異体” や“多元宇宙(マルチバース)”におけるロキについても記載する。 北欧神話の悪戯の神“ロキ”のモデルである、“アスガルド”の第2王子にして、ソーの弟。965年以上の時を生きており[注釈 1]、ジェンダー・フルイドでもある[22]。身長は6フィート2インチ(188cm)[23]、目の色は青[23]。 実はソーやオーディン、フリッガとの血の繋がりは無いどころか純然なアスガルド人でもなく、“ヨトゥンヘイム”の“氷の巨人”の長であるラウフェイの実の息子だった。そのため、フルネームは“ロキ・ラウフェイソン(Loki Laufeyson)”であり、赤子の頃、巨人にしては身体が小さすぎるという理由で[24]ヨトゥンヘイムの寺院に捨てられているところをオーディンに拾われ、彼の魔法で肌の色を変えられて、その出自を知らぬままに長年ソーと共に育てられてきた背景がある。 幼少期から嘘や悪戯などを周囲の人物へ繰り返し、口八丁を得意とする捻くれ者で、ソーに対しては、皆から愛される兄であると尊敬する半ば、激しい嫉妬心や劣等感を抱き、彼ではなく自らがアスガルドの王に就こうと切望するなど、愛憎入り混じった複雑な感情を持つ。当初は大人しそうな雰囲気だったが、一度アスガルドの王位奪取の野望を妨げられると、楽観主義で悪辣とした表情を見せることが増え[注釈 2]、「“自由”であることは決断を求められるという足かせで、“支配”が人々を楽にする」・「本当の悪人も本当の善人もいない」という個人理念に基づき、さまざまな事変を掻き乱していくようになる。 “嫉妬”や“詐欺師”を示す緑色[24]を基調とする衣装と、マントもしくはコートに身を包み[注釈 3]、その上にアームガードやショルダープロテクターなどの装具をあてがっている。 『マイティ・ソー』と『アベンジャーズ』ではメインヴィランとして、以降の作品ではソーに事実上協力するなどアンチヒーローのような役割で登場する。 登場作品:『ロキ』 “アベンジャーズ”による“タイム泥棒”の際に、ヒーローたちの下から逃がれた2012年時のロキは、“TVA”によって逮捕された直後に、“変異体”と識別された“ロキの変異種”たちに出会った。彼らは皆デザインは異なるものの、多くのロキが緑色や黒・金色を鏤めた衣装や冠を着用している。また、ヒーローたちの下から逃がれた2012年時のロキもラヴォーナ・レンスレイヤーにより、シークエンス違反7-20-89を犯したことで、識別番号L1130とナンバリングされた変異体と見做される。
キャラクター像
変異体
シルヴィ(Sylvie)
演 - ソフィア・ディ・マルティーノ(現代)、ケイリー・フレミング(少女期)日本語吹替 - 佐古真弓(現代)、飯沼南実 (少女期)女性の容姿を持つロキ。ロキの変異体でありながら“ロキ”と呼ばれることを嫌がっているため“シルヴィ”と名乗っており、ロキが目を通した変異体の資料によるとフルネームは“シルヴィ・ラウフェイドッティル(Sylvie Laufeydottir)”である[注釈 4]。自身が存在した時間軸のアスガルドの王宮で生活していた幼少期に、身に覚えのない“分岐イベント”によりラヴォーナたちに連れ去られ[注釈 5][注釈 6]、自身が存在した時間軸を“リセット”された末に変異体として識別されたが、剪定直前に“タイムパッド”を奪って脱走し、それ以降歴史上の様々な大災害に身を隠しながら長年逃げ回っていた。