ロイター
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同記事は証拠書類に基づいて執筆され、事前に記事を見たトムソン・ロイターの弁護士から配信許可も受けていたという。この一件について、トムソン・ロイターの広報担当者は「単に編集上の判断に基づくもの」とコメントしている。
客観的言語の方針

ロイターは「価値中立的なアプローチ」をとっており、記事にテロリストという言葉を使わない。この慣習は、9月11日の同時多発テロの後、批判を浴びた[13]。 ロイターの編集方針は、「ロイターは、テロリズムおよびテロ対策全般に帰属することなく言及するかもしれないが、特定の出来事をテロリズムとは呼ばない。また、ロイターは、特定の個人、グループ、または出来事を認定するために、帰属表示なしでテロリストという言葉を使用することもありません[14]。 対照的に、AP通信は、民間人への攻撃を実行する非政府組織に関してテロリストという用語を使用しています[13]。 2004年、ロイターはカナダの新聞チェーンであるキャンウェスト・グローバル・コミュニケーションズに、ロイターの記事を編集してテロリストという単語を挿入したため、ロイターの署名を削除するように依頼しました。ロイター通信の広報担当者は「私の目標は、記者を守り、編集の誠実さを守ることだ」と述べた[15]
加工写真使用

2006年、カメラマンがイスラエルのレバノン侵攻報道写真において、空に立上る黒煙の量を多く加工したり、空爆とは関係のない建物破壊写真で損害を過剰に報じていた疑惑がブロガーによって指摘され、大手新聞社からの批判を巻き起こした[16]
訴訟

株式会社ユニバーサルエンターテインメントは2012年12月4日、ロイターの記事で損害を受けたとして、トムソン・ロイター・コーポレーションと同社の記者・編集者3人に対して2億円の損害賠償を請求する訴訟を東京地裁に提起した[17]。ロイターは同年11月16日に配信した記事[18]で、同社について「フィリピンのカジノ規制当局首脳の側近に不正な資金提供をした疑いがあるとして、アメリカのカジノ規制当局が調査に乗り出している」「フィリピン側に流れ出たとみられる資金の総額は4000万ドル」と報じ、同月30日に配信した記事[19]では、この資金の流れについて、「ネバダ州カジノ規制委員会は、ユニバーサルの岡田会長を参考人として呼び、事情聴取をする見込みだ」と報じた。ユニバーサル側はこの2つの記事について「公平且つ適切な取材活動を行っていれば容易に回避できたはずの事実誤認ないし偏見が含まれ」ており、「悪意に満ちたもの」であるとし、「これまで築かれてきたロイターの報道機関としての地位を貶めるもの」と非難している[20]。これに対し、トムソン・ロイターの広報担当者は「報道には自信がある」とコメントしている[21]
ジャーナリストのモラル

ロイターニュース日本語サービス前編集長は2006年6月に大阪市内で、FX業者である日本ファースト証券が主催した投資セミナーに出向いて講演していた[22]。同証券の不明朗な経営実態については当時から一部報道で知られていたが[23][24][25]、同セミナー開催の半年後には金融当局から初回の行政処分を受け[26]、更にその後も短期間に2度の行政処分を受けた挙句、2008年3月に破産した[27][28][29]。ロイターニュースの編集倫理要綱(ハンドブック・オブ・ジャーナリズム)は、同社に所属するジャーナリストの独立性について「社員は、事前に上司から許可を得た場合を除いて、社外で報酬を伴う仕事に従事してはならない。報酬を伴う仕事とは、例えば、本の出版、記事の投稿、会議での演説、商業目的及びニュース目的での写真撮影などが含まれる」などと規定している[30]
危機管理
東京支局記者、新型コロナウイルス変異株、自宅待機要請無視、感染拡大

2020年12月24日、東京支局に勤務する外国人記者が、英国での休暇帰省後の12月22日の日本への入国後[注釈 3]の2週間の自宅待機の要請に応じず、赤坂のイギリスパブでの10人強[注釈 4]のパーティーに参加し[31]COVID-19の変異株を参加者や婚約者に感染させた[32][33]

この件に関し、ロイター社は日本語アカウントではなく英語のPRアカウントで、『週刊文春』の投稿文にリプライする形で、当初、検索・翻訳避けを意図して日本語のコメントを画像形式で付与(その後テキスト化)。「当該記者はすでに(2月10日時点で)当社に勤務していない」と回答した[34][35]
労働争議「トムソン・ロイター#労働争議」も参照

旧ロイター・ジャパン株式会社によって1994年1月、雇用期間1年との条件でニュース翻訳者として採用された女性が雇用期間が延長されなかったことを不服として雇用契約上の地位確認と賃金の支払いを求め、同社を提訴した(ロイター・ジャパン契約社員解雇事件。原告敗訴)[36]

旧ロイター(アメリカ法人)が2005年、合理化策の一環としてワシントンD.C.にあったウェブ向けの編集拠点(ウェブデスク)を閉鎖した際に他拠点への異動を拒否した2名の編集部員に対して解雇予告を行ったことは不当労働行為に当たるとしてこの2名が加入する労働組合(Newspaper Guild)は同年1月、労働関係委員会に裁定の申し立てを行った[37]

旧ロイターとEquent社が合弁で設立したデータ通信会社の黒人社員3人が2003年、それぞれ賃金差別、不当解雇、人種的な差別用語で罵られたとして雇用機会均等委員会に対する裁定申し立てとニューヨークの裁判所に提訴を行った[38]

イギリス法人の旧ロイターリミテッドで1993年から派遣会社を通じて従事していたレイモンド・フランクが、1999年にいわゆる「派遣切り」に遭ったことは不当解雇にあたるとして損害賠償金と解雇一時金の支払いを求めて同社を相手取り、労働審判手続きを申し立てた。労働審判は1、2審ともに原告が「ロイターの従業員」として認められないとして、原告の要求を認めなかった。しかし3審の控訴院は2003年4月10日、原告とロイターとの間には「黙示の雇用契約の存在」があったと判断し原告勝訴・ロイター敗訴の判決を下した[39][40]

英国政府からの資金提供

2019年11月、英国外務省が機密解除された政府文書を公開し、1960年代から1970年代にかけて英国政府がロイターに中東での報道を拡大するように説得し、秘密裏に資金を提供していたことが明らかになった。情報調査局(IRD)とロイターは、財務省がこの計画に4年間で35万ポンドを拠出することで合意した。英国政府は既に、ロイターの中南米事業のために、ペーパーカンパニーを通じて秘密の助成金を支払っていたが、この手法は会計処理が疑わしく見えるため、中東事業ではBBCがロイターのニュースコピーにアクセスするための購読料を増額し、後日、財務省がBBCに払い戻しを行う計画になった。この計画は、当時BBCの対外サービス責任者であり、後にBBCの局長となったチャールズ・カラン卿によって承認された。本当の目的を知っていたのは、BBCの幹部2人だけだった。外務省のメモには、「英国政府とロイターの間の秘密協定のいかなる示唆」も避けることが重要だと述べられている。政府文書には、ロイターは政府が必要とするものを「提供できるし、提供する」と書かれていたが、政府高官は、ロイターが英国政府の要請で決定を下しているように見せたくなかったことを認めている[41][42]
TASSとの提携

2020年6月1日、ロイターは、ロシアの通信社タス通信が、当時の合計18のパートナーエージェンシーで構成される「ロイターコネクト」プログラムに参加したと発表した。ロイターのマイケル・フリーデンバーグ社長は「タス通信とロイターが価値あるパートナーシップを築いていることをうれしく思う」と述べた[43] 。2年後、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロイターコネクトのTASSメンバーシップは精査された。POLITICOは、匿名を条件に取材に応じたロイターのジャーナリスト2人が語ったことによると、スタッフはタス通信との継続的な提携に「不満と恥ずかしさ」を感じており、なぜロイターがタス通信の報道を配布し続けているのかについて、上層部に回答を求めていると報じた[44]

2022年3月23日、ロイターはタス通信を「コンテンツマーケットプレイス」から削除した。ロイターのマシュー・キーン暫定最高経営責任者(CEO)は「ロイター・コネクトでタス通信のコンテンツを利用できるようにすることは、トムソン・ロイターの信頼原則に反すると考えている」と述べた[45]
支局

150の国230都市に支局があり、19の言語で提供している。現在主要マスコミのほとんどはロイターと契約している。過去にはイギリスのラジオ局を運営していたこともある。
関連項目

トムソン・ロイター

銀行

帝国大学#論文の引用動向

通信社の歴史

脚注[脚注の使い方]
注釈
^ 翌年11月1日、伊東巳代治が新契約を締結したが、支払金がほぼ変わらないのにCのようなロイターの負担はなくなった。Reuters Archive Record. Archive No. 1/8715544. Location LN236


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