2006年(平成18年)12月に発売した演歌歌手・川中美幸の『金沢の雨』などが収録された規格番号「22DK-995」がラストプレスとなり、製造ライン終了に伴う式典を行った[7]。
2015年(平成27年)9月15日、「世界初の産業用レーザディスク(LD)プレーヤ」PR-7820(第00201号)、「世界初の半導体レーザを使用した民生用レーザディスク(LD)プレーヤ」LD-7000(第00202号)、「世界初のLD/CDコンパチブルプレーヤ」CLD-9000(第00203号)の3機種が国立科学博物館による重要科学技術史資料(未来技術遺産)として登録された[24][25]。
2020年(令和2年)11月、LDプレーヤーの補修用性能部品の在庫が無くなったことから、パイオニアもアフターサービスを終了した[18]。
規格[ソースを編集]ダイレクトFM変調による記録方式
日本電子機械工業会により、EIAJ CP-3302(光学反射式再生専用ビデオディスクシステム(レーザービジョン 60Hz/525ラインM/NTSC))で、LVフォーマットとして規格が定められていたが[26]、1999年1月以降は国際電気標準会議によって国際規格に定められた、IEC 60857 Ed.1.0 Pre-recorded optical reflective video disk system ‘Laser Vision’ 60Hz/525 lines-M/NTSC(録画済み光反射ビデオディスク装置 'レーザビジョン’ 60Hz/525ライン-M/NTSC)が使用されている[27]。
LVフォーマットのディスクは厚さ1.2mmのポリメチルメタクリレート(PMMA:硬質アクリル樹脂)の記録面に反射膜(アルミニウム)を蒸着したのち保護膜を塗布した2枚の円盤を貼り合わせたもので、2.5mmの厚みがある。アクリル樹脂は吸湿により反りが発生するため、片面記録であってもダミーのディスクを貼り合わせるので両面張り合わせディスクが基本である。直径30cmと20cmの2種類が存在するが、20cmディスクにはCDと同じポリカーボネートを使用した張り合わせ無しの薄型(厚さ1.2mm)も存在する。これは「LDシングル」と呼ばれ、非対応のプレーヤーでは厚さを調整するスペーサ(LDシングルアダプター)を重ねて使用する必要がある。なお、通常のディスクは盤面が銀色で、末期に登場したレンタル専用商品は金色にして区別している。
CDと同様、信号の記録は非常に細かい楕円形のくぼみ(ピット)で行われている。ピット幅は0.4μm、深さは0.1μm。ピットの列をトラックと呼び、トラックピッチは1.67μm、最短ピット長は約0.5μmである。このピットがディスク表面に内側から外側に向かって螺旋状に並び、ダイレクトFM変調したNTSC信号をスライスした矩形波に従って記録されている。このピット数はCLV片面ディスクで300億個に達する。
両面記録ディスクではA面/B面と呼ぶ。レコードと違ってピックアップはディスクの下にあるため、実際に再生されるのは裏面の記録内容で、レーベルに記載されている面と実際に信号が記録されている面は逆である。なお、反対側の面を再生するにはレコードのようにプレーヤーから取り出してひっくり返す必要があるが、後にディスクを取り出さずに連続再生できる、ピックアップがU字形に移動する両面再生プレーヤーも発売された。初搭載したのは海外市場でCED及びTED、日本国内ではVHD陣営に属しビデオディスクに於いては多くのノウハウを持つ三洋電機が1987年にレーザーディスク陣営参入第一弾として、満を持して発表したSLV-J1(AV対応モデル)とSLV-J2(カラオケ対応モデル)だった。
映像[ソースを編集]
映像はアナログ(ダイレクトFM変調)方式を採用し、記録はレーザー光を使って読み出す。当初はピックアップに波長632.8nmの赤色ガスレーザー(ヘリウムネオンレーザー)を採用しており、LD-7000から波長780nmの赤外線半導体レーザーを採用した。