また、映像作品の売り上げ実績の統計を取ってきた社団法人日本映像ソフト協会(JVA)によると、2003年の時点において売り上げの大半がカラオケを占めており、それ以外のジャンルでは返品によるマイナス計上が目立っていた[16]。このため、2004年以降の統計は廃止された[17]。
一方、LDカラオケは、2000年頃までは通信カラオケの弱点であった楽曲データ自体の少なさ(店舗によってはアニメソングや洋楽がほとんどない場合もあった)や背景映像用データの少なさ、音質が貧弱であったことを考慮すると、スタジオ収録や楽曲のオリジナル音源とプロモーションビデオなどのアーティスト本人出演映像を収録できる点で優位に立っていた。そのため演歌・歌謡曲をはじめとする「定番曲」を繰り返し再生する用途では一定の評価を得られており、ランニングコストから通信カラオケ機器導入に消極的な一部のパブ・居酒屋・カラオケスナックといった飲食店や、壮年者を中心としたカラオケファン(歌謡曲愛好家)が自宅で楽しむなど根強い需要が2000年代に入っても残っていた。しかし新曲対応の鈍さが最大の弱点であることは変わらず、2004年(平成16年)に登場したBBサイバーダムが過去に自社(第一興商)や日本コロムビアなどが制作したLDカラオケの映像や音源をストリーミング配信する機能を盛り込み、クオリティ面での不利が払拭されたため、この領域の衰退に拍車をかけた。
終焉[ソースを編集]
ソニー・松下電器産業などはLDプレーヤーを1999年度(平成11年度)までに販売終了・撤退し、DVDへ軸足を完全に移した。それ以後、パイオニアだけが以下の機種をLDプレーヤー最終機種として発売していた。
DVL-919 - 1998年10月発売。スタンダードモデルのDVDコンパチブル(一体型)プレーヤー。当機以前よりDVDコンパチブルモデルはCD-DAに加え、CDグラフィックス/ビデオCDの再生に対応している。
DVL-K88 - 1998年1月発売。同時発売のDVL-909(DVL-919の前機種)にボーカルマイク端子やキーコントロールなどカラオケ機能を付け加えた。
DVK-900 - 1998年10月発売。LD時代より実質的に継承した、スピーカー・アンプがプレーヤーと一体化したテレビ台型の大型媒体であるDVDオールインワンカラオケシステム。
CLD-R5 - 1996年9月発売。CD-DAとのコンパチブル型エントリー機。
これらは発売後モデルチェンジをすることなく、10年以上にわたり細々と生産・販売を続けていた。しかし2009年(平成21年)1月14日、上記4機種について合計約3000台をもって生産終了すると発表した[18][19]。
その後、生産予定台数に達したものの、DVL-919とCLD-R5の2機種については、一部の注文が複数の販売店に重複したことで若干数のキャンセルが発生したため、同年7月28日から追加販売を実施したが[20]、同年9月25日に追加販売分も完売したことを発表した[21]。これらの機種は2009年(平成21年)の生産終了後、最低8年間は修理に必要な補修部品を保有するほか、過去の機種でも補修部品に在庫があれば修理に応じる体制を併せて発表した[22]。
なお、LDプレーヤーの最終機種としては、DVL-919よりも2か月後の1998年(平成10年)12月に発売されたDVDコンパチブルのプレステージモデル「DVL-H9」が存在する。発売当時のLDプレーヤー・DVDプレーヤーのリファレンス(プレステージ)モデルに搭載された映像回路を両方搭載の上、最新機能も盛り込ませた贅を尽くした高価格機種であり、2002年(平成14年)6月に生産終了、2003年(平成15年)頃にカタログ掲載から消えている。
2007年(平成19年)3月、市場衰退により世界唯一のLDのプレスメーカーとなったメモリーテックが製造ラインを廃止[7]。これによりレーザーディスクの歴史は幕を下ろした[7]。最後まで制作を続けたのはテイチクの家庭向け市販カラオケソフト(20cm LDシングル)「音多ステーション」シリーズであり、2007年(平成19年)3月発売の三門忠司の楽曲が収録された規格番号「22DK-1018」[23]まで、毎月4タイトル以上の新譜ソフトの発売を続けた。